BlueNote TOKYO

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , 小曽根真 - - report : MAKOTO ...

2012/09/17

小曽根真 - MAKOTO OZONE
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公演初日リポート:MAKOTO OZONE TRIO
featuring CHRISTIAN McBRIDE & JEFF "TAIN" WATTS



小曽根真、クリスチャン・マクブライド、ジェフ・テイン・ワッツ。文字通りのオールスター・トリオが、最新作『MY WITCH'S BLUE』を携えてブルーノート東京に出演しています。

まず最初にステージに登場したのは小曽根真です。そしてクリスチャン、ジェフを順番に呼びあげます。通常のジャズ・ライヴなら、3人が楽器を手にして無言のままオープニング・ナンバーを始めることでしょう。しかし、このトリオにそんな常套手段は似合いません。小曽根がエピソードを交えてクリスチャンやジェフを紹介することで、オーディエンスはより一層、彼らを身近に感じることができるのです。

新作でも1曲目を飾っていた「BOUNCING IN MY NEW SHOES」から、ライヴは始まりました。ちょっとジュニア・マンスの「ジュビレイション」を思わせるゴスペル・タッチの曲です。ジェフのドラムスは緩急自在でニュアンスに富み、しかも大波のようなグルーヴを醸しだします。失礼を承知でいわせていただくと、デビュー当初(’80年代)の彼は若さに任せてというか、とにかく力いっぱい叩きまくるところが多々ありました。しかし今は本当に味わい深い、まろやかなサウンドで酔わせてくれます。そしてクリスチャンのプレイは、“これこそジャズのウォーキング・ベース”というべきもの。小気味よいリズムをバックにした小曽根の指は、鍵盤の上を踊っているかのようでした。ベース・ソロが「モーニン」のメロディを引用するや否や、ほかのふたりがすかさず合いの手を入れるあたり、まさしく「音の会話」です。

エンジン全開のトリオはさらに、伝統的な“リズム・チェンジ”から斬新な響きを引き出した「GOTTA GET IT !!」、小曽根のクラシック経験を反映した「LONGING FOR THE PAST」、マーチ風のリズムにベースのスラップ奏法が絡む「MY WITCH'S BLUE」、タイトル通りジェフ・テイン・ワッツが大活躍する「TAKE THE TAIN TRAIN」等を次々と楽しませてくれました。「今回のアルバムでは、とにかくスイングしたかった」という小曽根の気持ちが反映されたオリジナル曲の数々は、ライヴで演奏されることによって、さらに強靭なスイング感を獲得した、といっていいでしょう。しかもこの初日ファースト・セットでは、CDに入っていないクリスチャンの自作「LISTEN TO THE HEROES CRY」も演奏されました。

もちろん客席は大盛り上がりでしたが、ミュージシャン間でも笑顔の絶えることがないライヴでした。しかも彼らは、演奏しながら大声で笑います。満面の笑みを浮かべつつ、しかし指先は相変らず超絶フレーズを刻んでいる・・・とんでもないトリオだ、としかいいようがありません。

小曽根、クリスチャン、ジェフが最初に揃って演奏したのは2011年のことだったそうです。「いつか一緒にプレイする運命だった」と、3人とも即座に感じたことでしょう。多忙な人気者ばかりだけにスケジュール調整が大変かもしれませんが、このトリオが、これからも続いてくれることを心から望みます。
(原田 2012 9.16)


● 9.16sun.-9.19wed.
MAKOTO OZONE TRIO
featuring CHRISTIAN McBRIDE & JEFF "TAIN" WATTS
☆ 参考:セットリストはこちら


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