BlueNote TOKYO

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , JUJU - - report : JUJU JA...

2012/08/13

JUJU
JUJU


公演初日リポート:
JUJU
JAZZ TOUR 2012 〜DELICIOUS〜



「奇跡を望むなら...」、「明日がくるなら」、「ただいま」など数多くのヒット曲を持つ人気シンガー、JUJU。彼女はまた、大のジャズ・ファンであり、12歳の頃には既にジャズ・シンガーを目指していたそうです。

そんな彼女が、溢れるほどのジャズ愛を盛り込んだアルバムこそ、昨年11月リリースの『DELICIOUS』でした。お気に入りのスタンダード・ナンバーを歌うJUJUのヴォーカルには、ジャズ・シンガーとしてステージに立つ喜びが満ち溢れていました。「ブルーノート東京」では“JUJUの日”(10月10日)に、アルバム発表に先駆けたライヴを開催しましたが、当日会場につめかけたオーディエンスの誰もが、JUJUの持つジャズへの情熱に心を揺さぶられたに違いありません。

彼女がブルーノート東京に登場するのは、それ以来約10ヶ月ぶり。「よくこんな売れっ子ミュージシャンを一同に集めたものだ」と驚かずにはいられない凄腕たちをバックに、前回以上にリラックスしたパフォーマンスを楽しませてくれました。『DELICIOUS』からの曲だけではなく、新たなレパートリーを味わうことができたのも嬉しかったですね。どんな曲がとりあげられたのかはライヴにいらっしゃった方のお楽しみですが、ペギー・リー、サラ・ヴォーン、ジュリー・ロンドン、ナンシー・ウィルソン等の名唱が残っているナンバーも、しっかりJUJUの個性に染め上げられているあたり、見事です。

伴奏の編成は4ホーン、ギター、ピアノ、ベース、ドラムスというものでしたが、島健の卓越したアレンジは、それをビッグ・バンドのような厚さで響かせます。かと思えばピアノとアコースティック・ギターだけをバックにしっとりと歌う曲もあり、とにかく一瞬も退屈させません。

加えてJUJUのMCがまた実に面白いのです。次に歌う曲の歌詞を説明するのですが、その語り口、間合いが心憎いほど絶妙で、ぼくは「彼女はお笑いに行っても絶対に成功しただろう」と思いました。JUJUのトークを介することで、何十年も前にアメリカで作られた英語の曲が、ぐっと親しいものとなって私たちに近づいてくるのです。

公演は13日、16日にも行なわれます。今後も彼女のジャズ・ライヴが定期的に続けられることを願ってやみません。
(原田 2012 8.12)


● 8.12sun.-8.13mon., 8.16thu.
JUJU
JAZZ TOUR 2012 〜DELICIOUS〜
☆ 参考:セットリストはこちら


JUJU


'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , JUJU - - report : JUJU

2011/10/11

JUJU
JUJU


公演初日リポート: JUJU
JUJUの日SPECIAL LIVE in BLUE NOTE TOKYO



「奇跡を望むなら...」、「明日がくるなら」等、数々のヒット・ナンバーで知られるJUJU。R&B、ヒップホップ、ソウル、ハウス等、さまざまな要素を織り込んだ音作りで人気を集める彼女ですが、そのルーツにはジャズがあります。

幼い頃からジャズに親しんでいた彼女は、18歳のときにジャズ・シンガーを目指して単身ニューヨークに渡りました。帰国後、いわゆるJ-POPの世界で成功してからも、ジャズを思いっきり歌ってみたいという思いは変わらず、来る11月30日には念願のジャズ・カヴァー・アルバムを発表することも決定しました。

尊敬する歌手のひとりにサラ・ヴォーンを挙げ、ウェイン・ショーターの同名アルバムからステージ・ネームをとったJUJU。10月10日、“ジュジュの日”(日本記念日協会に認定されています)にブルーノート東京で行われたステージは、ジャズ・シンガーJUJUの魅力に溢れたひとときでした。

冒頭の「A WOMAN NEEDS JAZZ」は、新作アルバムのための書き下ろし。ジャズが好きでたまらない、というJUJUの気持ちが歌詞、歌声、身ぶり手ぶりから伝わってきます。島健が音楽監督を務めたバック・バンドは、彼のピアノにギター、ベース、ドラムス、そして管楽器4人が加わるという編成ですが、まるでビッグ・バンドのように分厚い音を出していました。

続く「YOU’D BE SO NICE TO COME HOME TO」からは、いわゆるスタンダード・ナンバーが続きます。「NIGHT AND DAY」、「CRY ME A RIVER」からラテンの「QUIZAS, QUIZAS, QUIZAS」、映画「バグダッド・カフェ」からの「CALLING YOU」まで、キャラクターの立った名曲が次々とJUJUの歌声で紹介されてゆきます。すべて外国語で歌われましたが、曲間のMCではユーモアを交えながら歌詞の大意を説明し、リスナーがその歌に、より親しみを持てるように配慮していたのも印象的でした。また「LULLABY OF BIRDLAND」ではサラ・ヴォーンのヴァージョンを意識したアレンジを用いて、歌詞とスキャットの両方で楽しませてくれました。この曲は10月27日から始まるTVドラマ『DOCTORS 最強の名医』の主題歌に決定したそうです。

「愛してやまないジャズを、憧れのブルーノート東京で歌えて嬉しい」と語るJUJU。今後、彼女のジャズ・シンギングを聴く機会はさらに増えることでしょう。
(原田 2011 10.10)


● 10.9sun.-10.10mon.
JUJU
JUJUの日SPECIAL LIVE in BLUE NOTE TOKYO


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