BlueNote TOKYO

'11 Bloggin' BNT by 原田和典 , BOB JAMES , FOURPLAY , HARVEY MASON - - report : FOURPLA...

2010/12/06

フォープレイ - FOURPLAY
フォープレイ - FOURPLAY


公演初日リポート:FOURPLAY



新生フォープレイが、最新作『レッツ・タッチ・ザ・スカイ』を携えてブルーノート東京に戻ってきました。

ボブ・ジェームス、ネイザン・イースト、ハーヴィー・メイソンという不動の顔ぶれに、今年から新ギタリストとしてチャック・ローブが参加。正直に申し上げて日本では前任のリー・リトナー、ラリー・カールトンほどの知名度は持ち合わせていませんが、西海岸にベースをおくふたりとは異なり、ニューヨークに生まれ育ち、モダン・ジャズの強いバックグラウンドを持つ(ジム・ホールに師事し、スタン・ゲッツのバンドで本格的なプロ入りを果たしました)チャックの加入は間違いなくフォープレイに新風を吹き込んでいます。

黒いスーツ、赤いネクタイで統一した4人がステージに向かうだけで、超満員の場内は拍手と声援でいっぱいになります。オープニングにはアルバム『スノウバウンド』から「ANGELS WE HAVE HEARD ON HIGH」を演奏、ひと足早いクリスマスを届けてくれた後は『X』から「EASTERN SKY」をプレイ。ネイザンのスキャット・ヴォーカルも冴えに冴えています。きくところによると彼はこの夏、アキレス腱を切ってしばらく活動停止していたそうですが、ステージに立つ姿はすっかり復調、元気そのものです。3曲目からはお待ちかね、『レッツ・タッチ・ザ・スカイ』からのナンバーが続きます。MIDIピアノを自由自在に駆使するボブ、愛用の緑色のソリッド・ギターとアームのついたセミアコ・ギターを持ち替えるチャック(ステージにはアコースティック・ギターも置いてありましたが、初日のファースト・セットでは弾きませんでした)、流れるようなスティックさばきでサポートに徹するハーヴィー、笑顔を絶やさずに超絶フレーズを決めるネイザン。ソロ活動も盛んな4人ですが、やはりフォープレイとして演奏するときの気持ちは格別なのでしょう、彼らの“一緒にプレイする喜び”が伝わってくるようなステージでした。

来年、フォープレイはアルバム・デビュー20周年を迎えます。グループができた当初、ボブはあるインタビューでこう語っていました。「モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)のような存在になるのが目標だ」。MJQは結成されてから22年後に一度解散しました。しかしフォープレイはこのまま20年、25年、30年と突っ走ってくれるような気がします。
なお、彼らは 12/10fri、新日本フィルハーモニックオーケストラとの競演という一夜限りの歴史的スペシャル・パフォーマンスがあります。こちらもお見逃しなく。
(原田 2010/12/5)


● 12.5sun.-12.8wed.
FOURPLAY

● 12.10 fri.
FOURPLAY Symphonic Special Night
すみだトリフォニーホール

フォープレイ - FOURPLAY


HARVEY MASON - ☆ P+M映像 : HARVE...

2010/07/08

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☆ HARVEY MASON “CHAMELEON BAND”


ジャズ・ファンクの傑作ハービー・ハンコック『ヘッド・ハンターズ』への
参加でも有名なハーヴィー・メイソンが、新たなプロジェクト
“カメレオン・バンド”を率いて、百戦錬磨のメンバーたちとともに登場。
初日のパフォーマンス&メッセージ映像をアップしました!

'70sからL.A.フュージョンの重要アーティストとして活躍、
'90sにはジャネット・ジャクソンのツアーで音楽監督を務めた
キーボードのパトリース・ラッシェンに、
ベースはイエロー・ジャケッツのジミー・ハスリップ。
サックスはマッコイ・タイナー・カルテットやEW&Fへの参加で
知られるエイゾー・ローレンス、パーカッションはハーヴィーと同じく
"ヘッド・ハンターズ"のオリジナル・メンバーだったビル・サマーズと、
ジャズ/フュージョン/ファンクを中心に、重要なレコーディング&ライヴに
数え切れぬほど参加してきた筋金入りのミュージシャンばかりです。
公演は7.10sat. まで。




●7.7wed.-7.10sat.
HARVEY MASON “CHAMELEON BAND”
featuring PATRICE RUSHEN, JIMMY HASLIP, AZAR LAWRENCE & BILL SUMMERS



'11 Bloggin' BNT by 原田和典 , HARVEY MASON - - report : HARVEY ...

ハーヴィー・メイソン - HARVEY MASON
ハーヴィー・メイソン - HARVEY MASON


公演初日リポート:HARVEY MASON “CHAMELEON BAND”
featuring PATRICE RUSHEN, JIMMY HASLIP, AZAR LAWRENCE & BILL SUMMERS


ハービー・ハンコックの歴史的名盤『ヘッド・ハンターズ』に参加、そのアルバムから派生したユニット“ザ・ヘッドハンターズ”の実質的なリーダーも務め、その後も“サマーズ・ヒート”、“ロス・オンブレス・カリエンテス”等のグループでファンを喜ばせ続けるパーカッション奏者=ビル・サマーズ。

70年代のジャズ・シーンに天才少女ピアニストとして彗星のごとく登場、シンガーとしても「Forget Me Nots」の大ヒットを持つキーボード奏者=パトリース・ラッシェン。

マッコイ・タイナーのグループやエレクトリック期のマイルス・デイヴィス・バンドでも活躍、名門プレスティッジ・レーベルに残したソロ・アルバムがクラブ・ミュージックの観点からも再評価が進んでいるサックス奏者=エイゾー・ローレンス。

人気バンド、イエロージャケッツのメンバーにして、来月はロベン・フォード、マイケル・ランドウ、ゲイリー・ノヴァクとの “レネゲイド・クリエイション”でも登場が決定している売れっ子6弦エレクトリック・ベース奏者=ジミー・ハスリップ。

なんという豪華メンバーでしょう。
リーダー格のドラマー=ハーヴィー・メイソンは巧みに彼らをまとめあげ、煽りたて、いくつものクライマックスを作ります。 “フォープレイ”における渋い、絹のような肌触りのドラミングとは一味もふた味も違う、ファンキー・ドラマーぶりが見事です。

考えてみればメイソンは前述の『ヘッド・ハンターズ』、クインシー・ジョーンズの『メロウ・マッドネス』、マリーナ・ショウの『フー・イズ・ジス・ビッチ・エニウェイ?』などで重責を担ってきた奏者です。最近では4ビート・ジャズのプロジェクトでも渋いところを聴かせているメイソンですが、ぼくはこの“カメレオン・バンド”のライヴに接して、彼のファンク魂が今も燃え盛っていることを改めて知りました。

レパートリーはメイソンとサマーズ両人が在籍した‘70年代ハービー・ハンコック・バンドのナンバーが中心。レコーディングにこそ参加はしていたが、ライブで演奏するのは初めてという『ヘッド・ハンターズ』のA面に収められていた「WATERMELON MAN」、「CHAMELEON」はもちろんのこと、意外なところではチャールズ・ロイド作の「FORREST FLOWER」、ジョン・コルトレーン作の「NAIMA」なども演奏されました。もちろん最小限のアレンジはほどこされていますが、あくまでもメインとなるのは各人の技の数々。これほどぜいたくなジャム・セッションは、今どきなかなか聴けないと思います。ぜひ足をお運びください!
(原田 2010/7/7)




● 7.7wed.-7.10sat.
HARVEY MASON “CHAMELEON BAND”
featuring PATRICE RUSHEN, JIMMY HASLIP, AZAR LAWRENCE & BILL SUMMERS



ハーヴィー・メイソン - HARVEY MASON