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'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , MACY GRAY , THE DUKE ELLINGTON ORCHESTRA - - report : THE DUK...

2012/10/17

デューク・エリントン・オーケストラ - THE DUKE ELLINGTON ORCHESTRA
デューク・エリントン・オーケストラ - THE DUKE ELLINGTON ORCHESTRA


公演初日リポート:
THE DUKE ELLINGTON ORCHESTRA featuring MACY GRAY



ひょっとしたらポピュラー音楽史上、最も長く続いているバンドかもしれません。1923年結成、来年で創立90周年を迎えるデューク・エリントン・オーケストラが昨日から圧巻のステージを繰り広げています。

創設者デューク・エリントンは残念ながら1974年に他界してしまいましたが、“虎は死んで皮を残し、マエストロは曲を残す”。デュークが書いた数多くの楽曲は、今なお多くのミュージシャンに愛され、演奏され歌い継がれています。この日のライヴでも、「TAKE THE A TRAIN」、「SATIN DOLL」、「SOPHISTICATED LADY」等、デュークやそ のバンド・メンバーが創作した定番が次々とプレイされました。ソリストはジェームズ・ゾラー(トランペット)、シェリー・キャロル(テナー・サックス)、モーガン・プライス(バリトン・サックス)、スタッフォード・ハンター(トロンボーン)等。「CARAVAN」ではデイヴ・ギブソン(ドラムス)、「JACK THE BEAR」ではハサン・シャカー(旧名J.J.ウィギンズ。名ピアニス ト、ジェラルド・ウィギンズの息子)のベースがフィーチャーされました。なお、アレンジはすべてこのオーケストラ用に用意されたもののようです(つまり、デューク存命中の編曲は使っていない)。

ピアニストとコンダクターは、トミー・ジェームスが務めます。彼は1987年、デュークの息子である故マーサー・エリントンに乞われて、エリントン・オーケストラに関わるようになりました。ほかにもライオネル・ハンプトン、ジョー・ウィリアムスらのサポートを務め、スタイリスティックスやテンプテーションズ、メルバ・ムーア等、ソウル・ミュージック系のシンガーとも共演しています。そのピアノ・スタイルは、垂直的と評されたデューク自身のそれとは、一味異なります。あくまでも滑らかに、レガート気味に流れていくのがトミーのプレイです。

後半にはスペシャル・ゲストのメイシー・グレイが登場しました。どこか苦みばしった、強烈な個性と魅力に彩られた彼女の歌声は、ジャズのビッグ・バンドと絶妙な相性を示します。赤いスパンコールのドレスを着て、「SOLITUDE」等、古典的なエリントン・ナンバーを熱唱するメイシーの姿は、いつもよりもさらに大きく、高くそびえたって見えました。
(原田 2012 10.16)


● 10.16tue.-10.19fri.
THE DUKE ELLINGTON ORCHESTRA featuring MACY GRAY
☆ 参考:セットリストはこちら



●10.23tue.-10.26fri. はコットンクラブにて公演
 ※メイシー・グレイは出演いたしません

デューク・エリントン・オーケストラ - THE DUKE ELLINGTON ORCHESTRA