BlueNote TOKYO

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , BOB JAMES - - report : BOB JAM...

2012/09/04

ボブ・ジェームス - BOB JAMES
ボブ・ジェームス - BOB JAMES


公演初日リポート:
BOB JAMES QUINTET
featuring STEVE GADD, WILL LEE, DAVE McMURRAY & PERRY HUGHES "CTI YEARS"



毎回、バラエティに富んだプログラムで楽しませてくれるボブ・ジェームスですが、今回はなんと、彼が大きく飛躍するきっかけとなったCTI/KUDUレーベル在籍時代(1970年代初頭〜半ば)のレパートリーを中心に演奏するという、ファン垂涎の内容です。しかもドラムスには旧友スティーヴ・ガッドが参加。もちろん客席は超満員、開演前からものすごい熱気でした。

オープニングは「MISTER MAGIC」。サックス奏者、故グローヴァー・ワシントンJr.の代表曲ですが、ボブはその収録アルバム『ミスター・マジック』でキーボードとアレンジを担当していました。この日はデイヴ・マクマレイのテナー・サックスが大きくフィーチャーされ、ボブはアンサンブル部分でフェンダー・ローズ、ソロ部分でアコースティック・ピアノと、楽器を使い分けながら快演を聴かせてくれました。

続いては、渋めのナンバーが登場します。故エリック・ゲイルのアルバム『フォアキャスト』からの「WHITE MOTH」です。この作品にも、ボブはプレイとアレンジで貢献していました。ギタリストのペリー・ヒューズは、ゲイルというよりはジョージ・ベンソンを思わせるプレイで、この隠れ名曲を鮮やかに蘇らせました。

「AUTUMN LEAVES」(枯葉)が登場したのにも驚かされましたが、考えてみればボブとガッドはチェット・ベイカーのアルバム『枯葉』で、この曲を演奏しています。この日のアレンジも基本的にはチェットのヴァージョンを踏襲していましたが、「4ビートでソリストを煽るガッド」、「それに乗ってジャジーなフレーズを弾きまくるボブ」というシーンは、日頃なかなか見られないレアなものだと思います。

ウィル・リー書き下ろしのバラード「A SIMPLE WAY TO SAY, "I LOVE YOU"」を経て、後半はボブ自身のCTI盤からのレパートリーが続きます。「いろんなひとにサンプリングされて潤ったよ。ASCAP(米国作曲家作詞家出版者協会)に感謝しなくちゃね」というMCの後に始まった「NAUTILUS」(’74年の『ボブ・ジェームス・ワン』より)、説明不要の「WESTCHESTER LADY」(’76年の『ボブ・ジェームス・スリー』より)、そしてアンコールでは、ビゼーの「アルルの女」をアレンジした「FARANDOLE」が飛び出しました。’75年の『ボブ・ジェームス・トゥー』収録ヴァージョンはブラス・セクションが大きくフィーチャーされ、ヒューバート・ロウズのフルート・ソロも挿入されていましたが、この日はデイヴ・マクマレイがサックスとフルートを持ち替えながら大活躍。ガッドのドラム・ソロも飛び出して、よりワイルドな「FARANDOLE」へと進化していました。
(原田 2012 9.3)


● 9.3mon.-9.5wed.
BOB JAMES QUINTET
featuring STEVE GADD, WILL LEE, DAVE McMURRAY & PERRY HUGHES "CTI YEARS"
☆ 参考:セットリストはこちら


ボブ・ジェームス - BOB JAMES


'11 BNT : What's Happenin' ! , BOB JAMES - - BOB JAMES TRIO f...

2011/07/09

ボブ・ジェイムス - BOB JAMES


BOB JAMES TRIO
featuring Shadu Shah Chaidar & Lewis Pragasam



こんなにピアノを弾きまくるボブ・ジェイムスは見たことない!
という感想を多く聞きました。
キーボード/MIDIピアノの使用なし、アコースティック・ピアノ・トリオでの来日も非常に珍しい、ボブ・ジェイムス。
若きベーシスト・シャドゥ・シャー・チャイダー、
ドラムにはマレーシアからルイス・プラガサムを迎え、とにかく楽しそう。
米国にて展開されている日本へのチャリティー・プロジェクト
「JAZZ FOR JAPAN」へも参加しているボブが、その参加楽曲も想いを込めて披露してくれてます。
公演は、7/10sun. まで。
お見逃しなく!



● 7.8fri.-7.10sun.
BOB JAMES TRIO
featuring Shadu Shah Chaidar & Lewis Pragasam


ボブ・ジェイムス - BOB JAMES


'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , BOB JAMES - - report : BOB JAM...

2011/07/08

ボブ・ジェイムス - BOB JAMES
ボブ・ジェイムス - BOB JAMES


BOB JAMES TRIO featuring Shadu Shah Chaidar & Lewis Pragasam
@Motion Blue Yokohama


数え切れないほど来日しているボブ・ジェームスですが、今回の公演ほどアコースティック・ピアノを弾きまくったことはないのではないでしょうか。「ボブ・ジェームスのピアノをタップリ聴きたい」、「あのタッチを全身で満喫したい」・・・・・そんなあなたに150%お勧めしたい公演が、今回のライヴです。6弦エレクトリック・ベースは今年の春にクアラルンプールで共演したときに一発で気に入ってしまったという気鋭のシャドゥ・シャー・チャイダー、ドラムスはボブとの来日経験もある名手ルイス・プラガサムです。

「ブルーノート東京」には本日から登場しますが、ぼくは昨日、ひと足早く「モーション・ブルー・ヨコハマ」で聴いてまいりました。ここは「ブルーノート東京」より規模が小さいため、さらに親密感があり、文字どおりミュージシャンに肉薄できるところがポイントです。ボブがここに出演するのは7、8回目だそうです。

オープニングは、ホレス・シルヴァーが作曲した「THE JODY GRIND」。シルヴァーといえば1950〜60年代に大活躍したモダン・ジャズのスターですが、ここ10数年は体調を崩しており、実質的には引退状態が続いています。しかし彼の曲は今も多くのミュージシャンにとりあげられ、ファンにも愛されています。ファンキーなメロディが印象的なこの曲を、ボブはエレガントに聴かせてくれました。

次はなんだろう、と思っていたら、演奏の途中でようやくわかりました。ペトゥラ・クラークの歌でヒットした60年代のポップス「DOWNTOWN」です。ボブはこの曲のハーモニーを変え、リズムもレゲエ風にして解釈します。名アレンジャー、ボブの面目躍如といったところでしょうか。ベース、ドラムスとのシンプルなピアノ・トリオ編成であっても、しっかりと編曲をほどこし、鮮やかな“キメ”を挿入しながらプレイするのです。

「NARDIS」は、初期のボブが最も影響を受けたピアニストであるというビル・エヴァンスの演奏で知られるナンバー。彼は1962年のファースト・アルバム『ボールド・コンセプションズ』でこの曲をとりあげて、近作『テイク・イット・フロム・ザ・トップ』で再演していましたが、今回はもちろん後者のアプローチです。ひとことでいえば、テンポやキーがコロコロと変わります。基本的にはファンク調ですが、ときおり4ビートのパートが挿入されていました。

今回のライヴでは、ボブのソロ・ピアノも味わうことができました。スタンダード・ナンバーの「I'M GLAD THERE IS YOU」です。まるでクラシックの小品のようなアレンジとタッチに、彼のルーツを見る思いでした。

以上の曲はすべて他人の書いたナンバーですが、もちろんオリジナル曲も聴かせてくれました。あのアルバムのタイトル曲も演奏してくれましたし、あの定番もピアノ・トリオならではの解釈に生まれ変わっていました。それに関してはぜひ、実際にクラブに足を運んでいただき、確認していただければと思います。

(原田 2011 7.7)


● 7.8fri.-7.10sun. @BLUE NOTE TOKYO
BOB JAMES TRIO
featuring Shadu Shah Chaidar & Lewis Pragasam




'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , BOB JAMES , FOURPLAY , HARVEY MASON - - report : FOURPLA...

2010/12/06

フォープレイ - FOURPLAY
フォープレイ - FOURPLAY


公演初日リポート:FOURPLAY



新生フォープレイが、最新作『レッツ・タッチ・ザ・スカイ』を携えてブルーノート東京に戻ってきました。

ボブ・ジェームス、ネイザン・イースト、ハーヴィー・メイソンという不動の顔ぶれに、今年から新ギタリストとしてチャック・ローブが参加。正直に申し上げて日本では前任のリー・リトナー、ラリー・カールトンほどの知名度は持ち合わせていませんが、西海岸にベースをおくふたりとは異なり、ニューヨークに生まれ育ち、モダン・ジャズの強いバックグラウンドを持つ(ジム・ホールに師事し、スタン・ゲッツのバンドで本格的なプロ入りを果たしました)チャックの加入は間違いなくフォープレイに新風を吹き込んでいます。

黒いスーツ、赤いネクタイで統一した4人がステージに向かうだけで、超満員の場内は拍手と声援でいっぱいになります。オープニングにはアルバム『スノウバウンド』から「ANGELS WE HAVE HEARD ON HIGH」を演奏、ひと足早いクリスマスを届けてくれた後は『X』から「EASTERN SKY」をプレイ。ネイザンのスキャット・ヴォーカルも冴えに冴えています。きくところによると彼はこの夏、アキレス腱を切ってしばらく活動停止していたそうですが、ステージに立つ姿はすっかり復調、元気そのものです。3曲目からはお待ちかね、『レッツ・タッチ・ザ・スカイ』からのナンバーが続きます。MIDIピアノを自由自在に駆使するボブ、愛用の緑色のソリッド・ギターとアームのついたセミアコ・ギターを持ち替えるチャック(ステージにはアコースティック・ギターも置いてありましたが、初日のファースト・セットでは弾きませんでした)、流れるようなスティックさばきでサポートに徹するハーヴィー、笑顔を絶やさずに超絶フレーズを決めるネイザン。ソロ活動も盛んな4人ですが、やはりフォープレイとして演奏するときの気持ちは格別なのでしょう、彼らの“一緒にプレイする喜び”が伝わってくるようなステージでした。

来年、フォープレイはアルバム・デビュー20周年を迎えます。グループができた当初、ボブはあるインタビューでこう語っていました。「モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)のような存在になるのが目標だ」。MJQは結成されてから22年後に一度解散しました。しかしフォープレイはこのまま20年、25年、30年と突っ走ってくれるような気がします。
なお、彼らは 12/10fri、新日本フィルハーモニックオーケストラとの競演という一夜限りの歴史的スペシャル・パフォーマンスがあります。こちらもお見逃しなく。
(原田 2010/12/5)


● 12.5sun.-12.8wed.
FOURPLAY

● 12.10 fri.
FOURPLAY Symphonic Special Night
すみだトリフォニーホール

フォープレイ - FOURPLAY


BOB JAMES , EARL KLUGH - ☆ P+M映像 : BOB J...

2010/01/07

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☆BOB JAMES & EARL KLUGH


グラミー賞を受賞したフュージョン/コンテンポラリー・ジャズの傑作で
タッグを組んだ名コンビ、名プロデューサー/キーボーディスト/ピアニストの
ボブ・ジェームスと、ガット・ギターの名手アール・クルー。
初日のパフォーマンス & メッセージ映像をアップしました。
名手同士ならではの洗練と成熟を極めたサウンド、
気心の知れた2人だからこそ生み出せる、心にぽっと灯りが灯されるような
温かみのあるサウンドとグルーヴをぜひ、ジャズ・クラブで体感してください。
ボブとアールの公演は1.10sun.まで。




●1.6wed.-1.10sun.
BOB JAMES & EARL KLUGH



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