BlueNote TOKYO

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , NARADA MICHAEL WALDEN - - report : NARADA ...

2012/02/03

ナラダ・マイケル・ウォルデン - NARADA MICHAEL WALDEN
ナラダ・マイケル・ウォルデン - NARADA MICHAEL WALDEN


公演初日リポート:
NARADA MICHAEL WALDEN BAND
with special guest MASAYOSHI TAKANAKA



ホイットニー・ヒューストン、アレサ・フランクリン、セリーヌ・ディオン等を手がけた凄腕プロデューサーにして、最高峰の超絶ドラマー。それがナラダ・マイケル・ウォルデンです。日本武道館でもコンサートをしたことのある彼ですが、ブルーノート東京への登場は今回が初めて。盛りだくさんなプログラムで客席を大いに沸かせてくれました。

店内に入ると、巨大なドラム・セットが目に飛び込んできます。シンバルやタムの周りには花が飾られ、ツーバス(バス・ドラムが2個あるシステム)の片方には彼のイニシャル“NMW”、もう片方には近日発売予定のニュー・アルバムのタイトル“THUNDER”という文字が刻まれています。

オープニングからナラダのプレイはエンジン全開です。大きな体の持ち主ということも関係があるのでしょうか、ひとつひとつの音に並外れた重量感があります。スピード感たっぷりに叩きまくっても、決して軽薄な感じがせず、サウンドに腰があるのです。ウェザー・リポートやマハヴィシュヌ・オーケストラに在籍し、ジェフ・ベックからも愛されたドラムの腕前は今なお輝くばかりです。

そしてナラダは、素晴らしいシンガーでもあります。あれほど激しくドラムを叩きながら歌っているのに、息切れをまったくしていないのですから超人的です。そして曲と曲の間にはMCでファンを煽ります。選曲も“ベスト・オブ・ナラダ”というべきもので、1976年に発表されたファースト・アルバムのタイトル曲「GARDEN OF LOVE LIGHT」があるかと思えば、アレサ・フランクリンとのコラボレーションで爆発的にヒットした「FREEWAY OF LOVE」をニキータ・ジャーメインのヴォーカル(ものすごい声量の持ち主です。ナラダとは30年以上にわたる盟友とのこと)をフィーチャーして聴かせてくれたり、“エンジェル・ファンク”ことアンジェリーン・サリのベースが光るディスコ〜ファンク・メドレーあり、と、とにかく多彩なプログラムで楽しませてくれました。

後半はお待ちかね、高中正義の登場です。つまり’81年の大ヒット・アルバム『SAUDADE』、及び伝説の横浜スタジアム公演で繰り広げられた高中&ナラダの黄金コンビネーションが遂に、今ここで復活したわけです。「SAUDADE」、「READY TO FLY」、「MANIFESTATION」・・・たとえタイトルを知らなかったとしても、誰もが一度は聴いたことがあるであろう名曲の数々が、その当事者たちによって、目の前でプレイされていくのは快感のひとことに尽きます。奔放に弾きまくる高中、そのギター・フレーズに鋭く反応しながらドラムを叩くナラダ。顔を見合わせながら演奏するふたりの笑顔には、“音楽する喜び”が溢れていました。

「BLACK SHIP」で本編を終えた後、再びステージに登場したナラダ・バンドと高中は、さらに3曲を演奏。ラストはエミー賞を獲得した「ONE MOMENT IN TIME」(ホイットニー・ヒューストンのNO.1ヒット)で締めくくられました。「移動中のバスの中で、また一緒にアルバムを作りたいねと話し合った」というナラダと高中。これだけウマが合えば、次のコラボ作品も傑作まちがいなしでしょう!
(原田 2012 2.2)


☆ 参考:セットリストはこちら
● 2.2thu.-2.5sun.
NARADA MICHAEL WALDEN BAND
with special guest MASAYOSHI TAKANAKA



ナラダ・マイケル・ウォルデン - NARADA MICHAEL WALDEN