BlueNote TOKYO

MANHATTAN JAZZ ORCHESTRA , MANHATTAN JAZZ QUINTET - ☆ P+M映像 : MANHA...

2011/04/20

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☆ MANHATTAN JAZZ ORCHESTRA

ジェイムズ・ブラウンをはじめポール・サイモン、ビリー・ジョエルらの
アレンジを手掛けてきた敏腕アレンジャー、デヴィッド・マシューズ率いる
マンハッタン・ジャズ・オーケストラ(MJO)が登場。
N.Y.の腕ききミュージシャンたちに加えてなんと、エリック宮城(tp)、
中川英二郎(tb)ら日本を代表するジャズマンたちの参加も急遽決定!
大の親日家でもある“マーちゃん”の素晴しいアレンジと、
すご腕ミュージシャンたちの素晴らしい演奏は
こちらのムービーでもご覧いただけます。
公演は4.23 sat. まで。お見逃しなく!

●4.19tue.-4.23sat.
MANHATTAN JAZZ ORCHESTRA



'11 Bloggin' BNT by 原田和典 , MANHATTAN JAZZ ORCHESTRA - - report : MANHATT...

マンハッタン・ジャズ・オーケストラ - MANHATTAN JAZZ ORCHESTRA
マンハッタン・ジャズ・オーケストラ - MANHATTAN JAZZ ORCHESTRA


公演初日リポート:MANHATTAN JAZZ ORCHESTRA



マンハッタン・ジャズ・オーケストラは現代のビッグ・バンド界でひときわユニークな存在です。理由のひとつは、全曲がリーダーのデヴィッド・マシューズによるアレンジであること。今のデューク・エリントン楽団ではエリントン自身による譜面は使われていませんし、カウント・ベイシー楽団は御大健在の頃から複数のアレンジャーが譜面を提供しています。「TOCCATA AND FUGUE」のようなクラシック曲、「STRING OF PEARLS」のような古典的スイング曲、ファンキーな「IRONSIDE」などが続けて演奏されても、少しもとっちらかった感じを与えないのは、すべてがデヴィッド・マシューズという同一人物の編曲だからでしょう。

そしてもうひとつの特徴は、フレンチ・ホルン、チューバ、バス・クラリネットといった、あまりジャズのオーケストラに使われない楽器をフィーチャーしていることです。スター・プレイヤーと言うべき、存在感抜群のクリス・ハンターを始めとしたサックス/クラリネット/フルートの持ち替えをする3人のミュージシャンの横に、2人のホルン奏者、ひとりのチューバ奏者が並んで演奏するジャズ・バンドは他に類をみないと断言できます。

そしてさらにもうひとつの特徴は、ほとんどのパートにピアノが登場しないということです。マシューズはピアニストでもありますが、ソロを取る場面はきわめて少なく、マンハッタン・ジャズ・オーケストラではもっぱら指揮を担当しています。ピアノがあまり活躍しないことによって、よりベースとドラムスのプレイがくっきりと浮かびあがるのも、このオーケストラの個性といえましょう。ベースのブレント・ナッシーとドラムスの波多江 健はレギュラー・メンバーではなく、今回の公演のための特別参加なのですが、ふたりが生み出すドライヴ感あふれるリズムは、確実にソリストを鼓舞していました。

その他、ヴィンセント・チャンシーとジョン・クラークという、ジャズ・フレンチ・ホルン界の両巨頭のプレイにも、ぼくは大きな感銘を受けました。公演前、ぼくは「ヴィンセントはレスター・ボウイ・ブラス・ファンタジー、サン・ラ・アーケストラ、デイヴ・ダグラス・ブラス・エクスタシー等に在籍してきた奏者であり、失礼ながらマシューズの人脈とは交わらないのではないか」と思っていました。が、それは杞憂でした。あの美しく艶やかなヴィンセントの音色は、見事にマシューズの設定したフレームの中で光り輝いていました。

また、ラストの「SING,SING,SING」ではウォルター・ホワイトのトランペット・ソロが大きくフィーチャーされました。それまでの曲でひときわ鮮烈なハイノートを出していた彼が、今度はアドリブ・プレイヤーとしての魅力とダイナミズムを堪能させてくれたのです。まさしくアクセル全開の熱演、「まだ初日のファースト・セットだというのに、こんなに飛ばして大丈夫だろうか」と心配になってしまうほどのブロウを聴かせてくれました。故メイナード・ファーガソンのバンドで腕を磨き、クラシック、ジャズ、ポップスを縦横無尽にこなす才人、ウォルター(トランペット奏法の教則CDも出しています)。今回のステージによって、彼の知名度や評価はさらに上昇することでしょう。

このスーパー・ビッグバンドのメンバーについても地震の影響があったようで、公演開始直前に数名のメンバー入れ替わりがありました。しかし、替わっての参加がなんと、先日のタワー・オブ・パワー公演のメンバー、そして –Love for Japan-公演で音頭を取ったトランペットのカリスマ・エリック宮城、トロンボーンのマスター・中川英二郎、No Name Horses でもお馴染みトランペット・奥村晶、ドラムはポップス界からも引っぱりだこの活躍を見せる波多江健という豪華キャスト。日本との縁が深いデヴィット・マシューズがステージで語ることば、「ニホント、アメリカノミックスバンドデ、trying to uplift your heart」、公演実現のため強い想いを持って相当な努力を重ねてくれたのだろう、と感じました。
(原田 2011 4.19)


● 4.19tue.-4.23sat.
MANHATTAN JAZZ ORCHESTRA


マンハッタン・ジャズ・オーケストラ - MANHATTAN JAZZ ORCHESTRA


'11 Bloggin' BNT by 原田和典 , MANHATTAN JAZZ ORCHESTRA , MANHATTAN JAZZ QUINTET - - report : MANHATT...

2010/06/22

マンハッタン・ジャズ・クインテット-MANHATTAN JAZZ QUINTET
マンハッタン・ジャズ・クインテット-MANHATTAN JAZZ QUINTET


公演初日リポート:MANHATTAN JAZZ QUINTET



日曜日に行なわれた「ブルーノート東京ジャズ・セミナー」で、たっぷりトーク(しかも日本語)を楽しませてくれたデヴィッド・マシューズ。いよいよ昨日からマンハッタン・ジャズ・クインテットによるステージが始まりました。

同グループは今年で発足26年を迎えます。初代メンバーはマシューズ(ピアノ)、ルー・ソロフ(トランペット)、ジョージ・ヤング(テナー・サックス)、チャーネット・モフェット(ベース)、スティーヴ・ガッド(ドラムス)。「あの頃はルーちゃんの髪の毛もフサフサだったし、ぼくのヒゲも真っ黒だった」と、マシューズは語っていました。

ここしばらくマシューズ、ソロフ、モフェット、アンディ・スニッツァー(テナー・サックス)、ヴィクター・ルイス(ドラムス)というラインナップで活動を続けていたクインテットですが、今回の公演ではモフェットに替わる新メンバーとしてフランソワ・ムタンが紹介されました。パリ出身の彼は、これまでマルシアル・ソラル(ピアノ)、エリック・ル・ラン(トランペット)、ランディ・ブレッカー(トランペット)、リシャール・ガリアーノ(アコーディオン)等と共演、1997年からニューヨークを拠点にしています。ぼくは彼とルイス・ムタン(ドラムス)が組んだ兄弟バンド“ムタン・リユニオン・カルテット”のCDを聴いてから、すっかりファンです。今回、ようやく生でフランソワのプレイを味わうことができたわけですが、こんなに速弾きソロをするベーシストだったとは驚きました。ムタンのプレイは、マンハッタン・ジャズ・クインテットの新たな呼び物になることでしょう。

もちろんオリジナル・メンバーのひとりであるルー・ソロフも目いっぱい気を吐いていました。いまでは使われることが珍しくなったプランジャー・ミュート(かつてデューク・エリントン・オーケストラが多用した)を用いて演奏したり、通常のトランペットよりさらに高い音を出すピッコロ・トランペットで突き刺すようなハイノートを出してファンを沸かせたり、客席を練り歩いて豊かな生音を響かせたり、ショウマンシップにさらに磨きがかかったような気がします。
また、つい先日までジェーソン・マイルスのプロジェクトにて同じブルーノート東京のステージに出演し、グローヴァー・ワシントン Jr. の魂を継承したかのようなアツいパフォーマンスで魅了してくれていたアンディ・スニッツアーが、今度はアコースティック・ジャズ・コンボでの"ドジャズ魂" をもって、まったくの "別の顔"を見せてくれてます。

プログラムは「Moanin’」、「I Got Rhythm」、「My Funny Valentine」等の超有名曲ばかり。すべてに周到なアレンジが施されていたことはいうまでもありません。日曜日にマシューズが語った「アレンジャーは作曲家なんだ」という言葉を強く実感させてくれるステージでした。



● 6.21mon.-6.24thu.
MANHATTAN JAZZ QUINTET

マンハッタン・ジャズ・クインテット-MANHATTAN JAZZ QUINTET


'11 BNT : What's Happenin' ! , '11 Bloggin' BNT by 原田和典 , MANHATTAN JAZZ ORCHESTRA , MANHATTAN JAZZ QUINTET - - report : DAVID M...

2010/06/21

マンハッタン・ジャズ・クインテット-MANHATTAN JAZZ QUINTET
マンハッタン・ジャズ・クインテット-MANHATTAN JAZZ QUINTET


- report : DAVID MATTHEWS ジャズ・セミナー



この20日、ブルーノート東京横のフレンチ・レストラン「adding:blue」で、デヴィッド・マシューズによる公開セミナー「ブルーノート東京 ジャズ・セミナー “What is Standard?”」が行なわれました。USTREAMによる同時中継も行なわれ、視聴者からの意見はTwitterで反映されました。
梅雨時ということで天気が心配されていましたが、フタをあければ見事な快晴。日曜の午後、気持ちのいいひとときを過ごすことができました。

デヴィッド・マシューズはおなじみのキャプテン・ハットをかぶって登場。進行役の平賀マリカが彼のプロフィールを説明します。フランク・シナトラ、ジェームズ・ブラウン、サイモン&ガーファンクル、ポール・マッカートニー等、マシューズが関わってきた超大物ミュージシャンの名前が出るごとに場内は沸きます。

「フランク・シナトラはセキュリティ(ボディガード)がすごかった」

「シナトラのレコーディングにはニューヨークの当時の超一流が集まっていた。若手ではブレッカー・ブラザーズ、長老ではライオネル・ハンプトン。リズム・セクションはロン・カーターとスティーヴ・ガッドで、指揮はクインシー・ジョーンズだった」

「ジェームズ・ブラウンは音楽の天才だったが、ビジネスマンでもあった。7つのラジオ局、3つのホテル、自家用飛行機を持っていた」

「ジェームズは新しいファンクのスタイルを作った。彼がいなければ、マイケル・ジャクソンのパフォーマンスも生まれなかったのではないか」
といったことを、マシューズは日本語で話してくれました。

そして中盤から、いよいよマンハッタン・ジャズ・クインテットの話やこの日のメイン・テーマである「“What is Standard?”」へと移ります。

「スタンダード・ナンバーとは、1930年代から50年代に生まれたグレイト・アメリカン・ソングブックのこと。それ以降のナンバーを私は、スタンダード・スタイルと呼んでいる」

「アレンジャーは、作曲家にならなければならない。イントロ、ハーモニー、カウンター・ラインを作曲するんだ」
「ジャズ・ミュージシャンも、みんな作曲家なんだ。アドリブのとき、即興的にメロディを生み出すんだからね」

「アレンジのインスピレーションは、突然おりてくる」

「マンハッタン・ジャズ・クインテットの新メンバーのフランソワ・ムタンは、イケメンだよ」
などなど、リラックスした雰囲気の中で会は進みました。

そしてラストは、場内におかれたキーボードで「ステラ・バイ・スターライト」を演奏。
親日家という言葉を使うのも失礼なほど、日本を愛し、日本になじんでいるデヴィッド・マシューズ。けっこう街中をぶらぶらしたり、飲み屋にいることも多いそうです。見かけたら、ぜひ声をかけてみてください。

大成功に終わった本ジャズ・セミナー、第2弾、第3弾が早くも楽しみです!
(原田 2010/6/20)


● 6.21mon.-6.24thu.
MANHATTAN JAZZ QUINTET

マンハッタン・ジャズ・クインテット-MANHATTAN JAZZ QUINTET