BlueNote TOKYO

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , MARIO BIONDI - - report : MARIO B...

2012/10/21

マリオ・ビオンディ - MARIO BIONDI
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公演初日リポート:MARIO BIONDI



イタリアから世界に飛び出した人気シンガー、マリオ・ビオンディのステージが昨日から始まりました。5年ぶり、2度目の来日です。前回はハイ・ファイヴ・クインテットとの共演でしたが、今回もダニエレ・スカナピエコ(サックス、フルート)、ロレンツォ・トゥッチ(ドラムス)といったハイ・ファイヴの仲間が加わっています。

マリオを初めてごらんになった方は、その低音の魅力と共に、2メートルはあるという身長、とても広い肩幅にも驚かれることでしょう。前回の日本公演から5年を経て、彼は更にスケールの大きなシンガーへと成長していました。すべてがフルスケール。それが“ヴォーカル界の若き巨人”、マリオなのです。

ぼくが見たセカンド・セットはなんと、2時間にも及びました。ファースト・セットも相当、長時間だったとききますから、この日、マリオは4時間近く歌ったことになります。しかし、歌えば歌うほどエネルギーが湧いてくるというか、一度乗り出したら止まらないというか、とにかく熱い男です。白いスーツ、白いシャツをバリッと着こなし、ときどきホーン・セクションの間に入り込んで歌い、ときにはジャンプしたり、ひざまづいたりしながら、低音を響かせます。アル・ジャロウやチャカ・カーンの物真似も場内を大いに沸かせました。

レパートリーは有名なカンツォーネ「E SE DOMANI」(ジャズではエンリコ・ラヴァ、アンドレア・マルチェッリ等も演奏しています)以外、すべて英語。MCも基本的に英語です。「ぼくの英語はスパゲッティ・イングリッシュだから」と笑いをとり、「日本に戻ってくることを心から楽しみにしていたんだ。だって日本のお客さんはアメイジング(驚くほど素晴らしい)だからね」と語りかけます。

演目は、日本に来なかった5年間の空白を埋めるにふさわしくバラエティに富んだものでした。アメリカン・スタンダードあり、オリジナルあり、R&Bあり、バラードあり、サンバあり、モーダルなものあり、と、1曲1曲を楽しませ、聴かせます。インコグニートのアルバムでチャカ・カーンと共演した「LOWDOWN」も、しっかり歌ってくれました(「だけどチャカには、まだ会ったことがないんだ。共演が実現したのは、レコーディング・テクノロジーのおかげだよ」とのこと)。

もちろん客席は超満員。スタンディング・オヴェイションまで巻き起こりましたが、今回の入魂の公演で、マリオの人気はさらにさらに上昇することでしょう。
(原田 2012 10.20)


● 10.20sat.
MARIO BIONDI
☆ 参考:セットリストはこちら

10.22mon.-10.23tue.
BROOKLYN PARLOR presents
"GOOD MUSIC PARLOR" LIVE at BLUE NOTE TOKYO
MARIO BIONDI
DJ :TATSUO SUNAGA(10.22mon.),
JEFF BROWN(10.23tue.)


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