BlueNote TOKYO
ARCHIVE 2009/10

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , RON CARTER - -report : RON CART...

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ロン・カーター・カルテット-RON CARTER QUARTET

公演初日リポート : RON CARTER QUARTET


礼に始まり、礼に終わる。それがロン・カーターのライヴです。

メンバー全員が正装し、ステージに立つ。そして深々とお辞儀をした後、それぞれが位置につき、実に穏やかに演奏を始めます。すべてのプレイを終えた後、もう一度深々とお辞儀をして、拍手に包まれながらステージを後にします。

ロンのバンドは、即興と同じぐらいアレンジ(編曲)を重視しています。あのカッチリしたサウンドは、固定したメンバーが数知れないリハーサルやライヴをこなしながら創りあげたものなのです。
しかし、本公演のピアニストはレギュラー・メンバーではありません。80年代後半からのメンバーであるスティーヴン・スコットのかわりに、急遽エルダーがピアノの椅子に座りました。

ロンとエルダーの共演を、ぼくは過去に一度見ています。2007年にジャカルタでおこなわれたジャワ・ジャズ・フェスティバルで、ロン、エルダー、ハーヴィー・メイソンが、1時間あまりのジャム・セッションを披露したのです。そのときはスタンダード・ナンバー中心、エルダーは超特急のプレイで客席を圧倒していましたが、今回は‘ロン・カーターの音楽’を展開するステージです。技巧の披瀝よりも、ロンのコンセプトを理解し、それに適応することが求められるのはいうまでもありません。

ぼくは初日のファースト・セットを聴いたのですが、短時間のリハーサルが行なわれただけというのが信じられないほど、エルダーはすっかり‘ロン・カーター・カルテットのピアニスト’になっていました。近年のロン・カルテットのライヴは、‘60年代後半のマイルス・デイヴィス・クインテット(ロンも在籍していました)と同じように、曲間をあけず、メドレー形式で演奏を進めます。テンポもキーも違う曲を、組曲のようにつなげていくので、1曲1曲を単独で演奏するとき以上にメンバー間の‘あうんの呼吸’が求められます。が、エルダーはそれを難なく体得して、ロン・カーター・カルテットに豊かな音の色彩を付け加えていました。

巨匠の域に達して久しいロンですが、そのプレイは今も成長を続けています。レーシック手術をしてメガネがいらなくなったせいかルックス的にも若返ったように見えますし、ベースの前にマイクを置いたことで指が弦に触れる音もリアルに伝わってきます。人差し指で1弦、小指で4弦を押さえながら、他の弦を押さえている中指と薬指を動かして内声を変化させる技や、左手で1〜3弦をはじきつつ右手親指の側面を4弦の各所に押し付けてハーモニーを出す技などは、トレーニングの鬼であるロンだからこそ思いつくことのできたアイデアなのではないでしょうか。

ベスト・ドレッサーとしても有名なロンですが、ぼくにいわせれば、彼の最大の凄さはベース・プレイにおける創意工夫にあります。ライヴを見れば、ロンが半世紀の間、なぜジャズ界のトップに君臨しづけているのかがハッキリわかるはずです。
(原田 2009/10/4)


● 2009 10/4sun.-10/9fri.
RON CARTER QUARTET



ロン・カーター・カルテット-RON CARTER QUARTET


2009/10/04

BASIA - - 会えない時間が絆...

バーシア-BASIA

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BASIA - "会えない時間が絆を深める"


単独の来日としては、久方ぶりのバーシア、いよいよ来週から登場です!
"会えない時間が絆を深める" とは、ご本人からのメッセージ。
今回はドラマーがいない編成、"セミ・アコースティック" と宣言されてます。
どのうようなパフォーマンスになるのか、注目です。
是非、絆を確かめにいらしてください。


☆ BASIA からのメッセージはこちら
http://www.bluenote.co.jp/jp/sp/091015.html#message



● ♪Cruising for Bruising






● ♪ New Day for You






● ♪Time and Tide





● ♪ More than i can bear........ Matt Bianco 1985






● Matt Bianco feat. Basia - Ordinary Day 2004 ( Live)







● ♪Until You Come back to Me






● ♪Baby You're mine



2009/10/03

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , ELDAR - - report : ELDAR

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公演初日リポート : ELDAR


伸び盛りのアーティストのライヴに接するのは、実に気持ちがいいものです。新鮮な音を浴びると、全身の細胞が若返っていくような気がします。

今年22歳のピアニスト、エルダーのステージが本日まで行なわれています。
ぼくが彼の生演奏を体験するのは、これで4度目です。もう3年以上前になるでしょうか、初めてライヴに接したときの印象は、率直に言って、決してはかばかしいものではありませんでした。あまりの超絶技巧にゲップが出そうになった、というのが正直なところです。また、さまざまなタイプの曲がこなせて、ジャズ・ピアノの歴史をそのままかかえこんだように多彩な奏法をみせるのはいいとしても、なんというか、技の博覧会を強引にみせつけられた、という印象も持ちました。そのときはスタンダード・ナンバーを数多く演奏していましたが、せっかくの美しいメロディやコードが、テクニックを優先するあまり、ないがしろにされているのではないか、とも思いました。

が、それはもう過去の話といっていいでしょう。なにしろ伸び盛りのアーティストなのです。エルダーは短期間で、驚くほどのスケールの大きさを身につけました。持ち前の技巧をフルに生かしながらも、それを無理なく包み込む雄大な曲を書き、固定メンバーとのバンド・サウンドを確立しました。もともとテクニックにおいては抜きんでているのですから、こうなれば鬼に金棒です。

1曲目「EXPOSITION」の出だしを聴いてすぐに、ぼくは「エルダー、また一段とすごくなったな!」と叫びたくなりました。音楽に対する視野がますます広がり、プレイする楽しさがピアノ全体から飛び散ってくるかのようです。アルマンド・ゴラの地を這うエレクトリック・ベース、ルドウィッグ・アフォンソのオクトパス・ドラミングとの絡み合いは、会話であると同時に討議であり、鋭く美しいアンサンブルです。ほとんど曲間なしで続けられた「BLUE SKETCH IN CLAVE」にも参りました。それぞれが別々のリズムを生み出しながら、巨大なラグビーボールが超高速で転がっているようなウネリを生み出して演奏をクライマックスに導く。意表をつくハーモニーと、妙に叙情的なメロディ・ライン。こんなピアノ・トリオ、聴いたことがありません。

でもこの2曲は、彼らにとってはまだプレリュードに過ぎなかった、ということを、ぼくは「THE EXORCIST」で知ることになります。エルダー本人の説明によると、この曲は21拍子とのこと。もっとも聴く側にとっては、それが何拍子であろうが関係ありません。肝心なのは演奏の質なのですから。が、このグルーヴ感は、なんなのでしょう。踊れる拍子であるわけがないのに、体が自然に揺れ、足でリズムをとらずにはいられません。

それにしても、痛快なライヴでした。天才、神童といわれて久しいエルダーですが、ぼくにとって彼は、いや、アルマンドもルドウィッグも、“グルーヴ・モンスター”です。
(原田 2009/10/2)



● 2009 10/2 Fri.-10/3 Sat.
ELDAR



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2009/10/01

'11 BNT : What's Recommended ! , 小曽根真 - - こまつ座&ホリプ...

組曲虐殺
組曲虐殺



What's Recommended -「組曲虐殺」


いよいよ今週末より、我らが師匠・小曽根真さんがなんと連日生出演の舞台がスタート、
これは、脚を運ばずにはいられません。
舞台 meets JAZZ、
果たしてどのような進化を日々遂げるのか、
エンターテインメントの歴史上・重大な事件を目撃してください。



☆ 2009年5月の『きらめく星座』に続き、こまつ座&ホリプロが共同制作でお届けする
銀河劇場公演第2弾、いよいよ新作書下ろし!

「組曲虐殺」


■STAFF
作 井上ひさし/演出 栗山民也/音楽 小曽根真

■CAST
井上芳雄/石原さとみ/山本龍二/山崎 一/神野三鈴/高畑淳子/演奏:小曽根真





【東京公演】
日時 : 2009年10月3日(土)〜25日(日)
場所 : 天王洲 銀河劇場
料金 : S席8,400円/A席6,300円/学生割引5,250円(全席指定・消費税込み)

チケット取扱い(WEB) :
ホリプロオンラインチケット http://hpot.jp(PC&携帯)
こまつ座オンラインチケット http://www.komatsuza.co.jp/
銀河劇場オンラインチケット http://gingeki.jp/(PC&携帯)
他各プレイガイド

主催 : こまつ座/ホリプロ/テレビ朝日/銀河劇場
お問合せ: ホリプロチケットセンター 03-3490-4949/こまつ座 03-3862-5941/銀河劇場チケットセンター 03-5769-0011


【兵庫公演】
日時 : 2009年10月28日(水)〜30日(金)
場所 : 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
料金 : 9,500円 (全席指定・消費税込み)

チケット取扱い (WEB):
芸術文化センターチケットオフィス http://www.gcenter-hyogo.jp
梅田芸術劇場オンラインチケット http://pia.jp/koume/(PC&携帯)
他各プレイガイド

主催 : 梅田芸術劇場/兵庫県/兵庫県立芸術文化センター
協力 : 朝日放送
お問合せ : 芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255


【山形公演】
日時 : 2009年11月1日(日)〜2日(月)
場所 : 川西町フレンドリープラザ
料金 : 6,000円(全席指定・消費税込み 当日6,500円)

主催 : 川西町フレンドリープラザ/遅筆堂文庫プロジェクト
協力 : 山形こまつ座
お問合せ : 川西町フレンドリープラザ 0238-46-3311



『組曲虐殺』に音楽&演奏で参加する小曽根真さんからパキート・デリヴェラ公演に向けてのスペシャルメッセージが届きました!
小曽根真さんからのスペシャルメッセージ!



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