BlueNote TOKYO
ARCHIVE 2009/04

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , FOURPLAY - - report : FOURPLA...

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- 原田和典の公演初日リポート : FOURPLAY


フュージョン〜スムース・ジャズのトップを走るユニット“フォープレイ”が、久しぶりにブルーノート東京へ帰ってきました。

ダイナミクス(メリハリ)豊かで、ニュアンスに富んだサウンドが持ち味の彼ら。アコースティックな響きを大切にするこのグループにふさわしいのは、なんといっても、親密感にあふれたクラブ公演です。

フォープレイがデビュー・アルバムを発表したのは1991年のことでした。スター・ミュージシャンが集まったグループだけあって、大変な話題を巻き起こしたことを昨日のことのように覚えています。が、そのいっぽうで“こんな売れっ子たちがレギュラーでバンドを継続できるわけがない。あっという間に空中分解してしまうのではないか”という意見も少なくありませんでした。
が、今もフォープレイは活動を続けています。さまざまなプロジェクトで多忙を極める4人がスケジュールを調整して集まり、磨きこまれた「バンドの音」を聴かせてくれます。誰もがフォープレイとして演奏することを、心から楽しんでいます。まさしく「継続は力なり」です。

メンバー4人が現れると同時に、次々とファンが立ち上がって声援を送ります。皆、フォープレイのクラブ出演を待ちかねていたのです。左からボブ、ネイザン、ラリー、ハーヴィーがステージに登場します。青いシャツを着たボブと、全身を白で決めたハーヴィーが視覚的にも素敵なコントラストを描きます。

レパートリーは、今年のグラミー賞にノミネートされた新作『エナジー』からの曲が中心でした。極上のシャッフル・リズムをキメるハーヴィー(スネア・ドラムを、聴こえるか聴こえないかぐらいの小音量で打ち続ける左手の細かな動きに、ぼくの目は釘付けになりました)、得意技であるベースと歌声のユニゾンを堪能させてくれたネイザン、ソロだけではなくバッキングでも職人技を炸裂させたラリー、そして愛用のMIDIピアノ(MIDI音源のコントロール機能を持つYAMAHA製ピアノ、ディスクラヴィアと呼ばれてます。外付けの音源モジュールからの音色を生ピアノのサウンドと一緒に発音できるもの)でワン&オンリーのサウンドを紡ぐボブ。ぼくは彼らのライヴをリー・リトナー在籍の頃から見ていますが、様式美というべきサウンド作り、全体に漂う品格は・・・カテゴリーこそ違うかもしれませんが・・・・ジャズ史上のグループ“モダン・ジャズ・カルテット”(MJQ)に通じているように思います。

アンコールでは、ボブが’76年に発表したアルバム『ボブ・ジェームスIII』からの大定番「ウエストチェスター・レディ」を、遊び心いっぱいの“フォープレイ・ヴァージョン”で楽しませてくれました。スムース・ジャズの紳士たちは、これからも味わい深いサウンドを送り届けてくれることでしょう。
(原田 2009/4/15)


4/15 wed. - 4/20 mon.
FOURPLAY
↓初日のセットリストはこちら↓



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<< プロフィール・原田和典 >> 1970年生まれ。ジャズ誌編集長を経て、2005年ソロ活動を開始。 著書に『原田和典のJAZZ徒然草 地の巻』(プリズム) 『新・コルトレーンを聴け!』(ゴマ文庫)、 『世界最高のジャズ』(光文社新書)、 『清志郎を聴こうぜ!』(主婦と生活社)等。 共著に『猫ジャケ』(ミュージックマガジン)、 監修に『ジャズ・サックス・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック・エンターテイメント)。好物は温泉、散歩、猫。


2009/04/15

'11 BNT : What's Happenin' ! , MICHEL CAMILO - - スタンディング・...

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スタンディング・オベーション

MICHEL CAMILO TRIO 最終日、2nd show。
最終日のこのステージ、
連日そうでありましたがアーティストのパフォーマンスはまさに圧巻、
お客様の反応もそれに応え、またそれに応えるアーティストのパフォーマンス、
そして久々に出ました、最後はスタンディング・オベーション。
感動的でした。



2009/04/14

FOURPLAY - ☆ メッセージ from...

- forurplay : メッセージが届きました。


すでに来日ツアーがスタートしている fourplay。
つくば公演、仙台公演を終え、昨日富山公演の開演前の忙しい最中、メッセージを届けてくれました。





2009/04/13

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , MICHEL CAMILO - - report : "CAFE C...

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- 原田和典の公演リポート:MICHEL CAMILO Piano Clinic "CAFE CAMILO"


天気は快晴。春を飛び越して今にも夏になりそうな4月11日の午後、ミシェル・カミロのクリニック「Cafe Camilo」がブルーノート東京で行なわれました。

カミロ、うれしそうです。
「Cafe Camilo、いいタイトルだね。ぼくもコーヒーが大好きでよく飲むんだよ」といいながら、おもむろにピアノの椅子に座ります。そして、「ピアノを演奏しているひとはどのくらいいるかな?」と、客席を見回します。次に「ギターは? ベースは? ドラムスは? 管楽器は?」と、順に問いかけていきます。
ゆっくりうなずいたカミロは、おもむろに語り始めました。以下、ぼくの印象に残ったところです。もっとも、カミロ本人の発言とは若干、ニュアンスが異なるかもしれませんが・・・・。

● 楽器として「完璧」なピアノは存在しない。ピアノに自分を合わせていく。そのためには、まずソフトに弾き、楽器のキャラクターを把握する。

● 指先や肩に力をこめてピアノを弾くのではなく、「腎臓」に力をこめて弾いてみよう。

● ピアノ演奏には「呼吸」が何よりも大事である。「呼吸」をコントロールすれば、精神がリラックスする。速いフレーズも難なく弾けるようになる。

●指に鍵盤を覚えさせる。そうすると、指先が「目」になるので、目を閉じても弾けるようになる。したがって、シンフォニー・オーケストラと共演しても、楽譜をみることなく、ずっと指揮者を見ていられる。

●ペダルを必ずしも完全に踏み込む必要はない。4分の1、3分の1踏むことによって、音に微妙な変化が生まれる。鍵盤を押した後にペダルを踏むのも良い。

● 自分の演奏を録音し、あとでチェックするのも良いアイデアだ。メトロノームやドラム・マシーンを敵視するのではなく、「友達」にしよう。

クリニック後半では、実に興味深い説を聞かせてくれました。♪♪♪という1小節単位のリズム・パターンが、アフリカからさまざまな地域に伝来し、「ハバネラ」(スペイン)、「ラグタイム」(アメリカ)、「ショーロ」(ブラジル)に発展、キューバでは2小節に拡大され「クラーベ」になった、というのです。それをカミロ本人がピアノを弾きながら説明してくれるのですが、いやはや、これには引き込まれました。ジャズ・ピアノの歴史的巨人であるアート・テイタムやエロール・ガーナーのスタイルの実演も聴かせてくれたのも、個人的にはすごく嬉しかったです(ぼくは彼らの大ファンでもあるのです)。

ぼくは以前、アルト・サックス奏者、スティーヴ・コールマンのセミナーを受講した(というか、紛れ込んでしまった)ことがあります。そのときにも感じたのですが、ミュージシャンの話って本当に面白くて奥が深いですね。

これからもいろんなひとが「cafe」に登場してくれることを、心から楽しみにしています!
(原田 2009/4/11)

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2009/04/11

ANNA MARIA JOPEK - - パット・メセニー...

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ANNA MARIA JOPEK - パット・メセニーとの活動も有名なポーランドの妖精・初登場!



パット・メセニーのファンの方の間では認知度の高いヴォーカリスト.アナ・マリア・ヨペック。

『僕にとって日本とポーランドのファンの前での演奏は、少し格別な印象をもっている』
と語っていたパット・メセニー。
彼を惹き付けるポーランドの魅力を、アナ・マリアが教えてくれるでしょう。


記憶に新しい当店公演、ナイジェル・ケネディ公演での出演メンバーが全員ポーランドのジャズ・ミュージシャンでした。その質の高い演奏は鮮烈な印象を残していきました。

2009年は日本・ポーランド国交90周年記念イヤーでもあり、ポーランドでは知らない人がいないとも言われる国民的ヴォーカリストの記念すべき初登場を5月に迎えます。
新譜『ID』(ユニバーサルミュージック)の発表も控えてます。

まずはその予習、その個性的なパフォーマンスの数々を、下記リンクよりご参照ください。



● ♪ Are You Going With Me ?

: アナ・マリア・ヨペックとパット・メセニーのコラボレーション・アルバム『Upojenie』の目玉曲「Are You Going With Me」を、ライヴ映像でお楽しみください。パットの“泣き”のギター・シンセサイザー、透明感のあるアナ・マリアの歌声が最高! パット・メセニー・グループによるオリジナル・ヴァージョンは、1982年発表のアルバム『オフランプ』で聴くことができます。

2009年1月1日、ブルーノート東京はパット・メセニー・グループと迎えたカウント・ダウン- NEW YEAR をドラマチックに迎えたのは、2008年12月31日 23:47 からスタートして演奏された、この曲でした。







● Anna Maria Jopek & Pat Metheny - Cichy Zapada Zmrok

: ピカソ・ギターを弾くパットと、アナ・マリアのデュオ。東欧の深い森に迷い込んだような、神秘的なパフォーマンスです。アナ・マリアの母国、ポーランドにおけるコンサート・ライヴ。







● Anna Maria Jopek and Pat Metheny - ♪ This is not America

: デヴィッド・ボウイとパット・メセニーがコラボレートした大ヒット・ナンバー(1985年発表)が、アナ・マリアとパットの手によって新しく生まれ変わりました。時代を超えた名曲です!







● Anna Maria Jopek - ♪ Mozliwe

: 2003年のアルバム『Farat』に収めれていた1曲。アナ・マリアの卓越した歌唱力を生かした、ドラマチックなナンバーです。




2009/04/10

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , MICHEL CAMILO - - report : MICHEL ...

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- 原田和典の公演初日リポート : MICHEL CAMILO TRIO "THE BEST OF MICHEL CAMILO"



公演タイトルがいいですね。「ザ・ベスト・オブ・ミシェル・カミロ」。

ドミニカから世界に羽ばたいた天才超絶ピアニスト、カミロの最高の姿をお届けしようというわけです。彼の長く豊富な活動歴を彩った数々の名曲を、目の前でご覧にいれましょうというわけです。開演前から興奮してくるではないですか。

場内が暗くなると同時に、割れんばかりの拍手と指笛が起こります。カミロは「ブルーノート東京」の常連アーティストのひとりであり、僕も毎回、彼のライヴには足を運んでいます。だけど、この熱狂ぶりはなんなのでしょう。「ザ・ベスト・オブ・ミシェル・カミロ」を味わいに、日本ベストのカミロ・ファンが集まったような印象を受けました。

黒いTシャツを着たカミロは笑顔でステージにあがり、深々と一礼します。いわゆる日本式の「おじぎ」です。ピアノを弾く姿勢の良いひとは、おじぎの姿勢も良いんですね。2本の腕は筋肉で盛り上がっています。引き締まった体つきは、まるでアスリートのようです。

演奏曲目についてはセット・リストをご覧いただきたいのですが、ほんとうに、「ベスト」です。カミロ定番のキメキメのラテン・チューンあり、メロディアスで艶やかなバラードあり、4ビートで熱くスイングするマイナー・ブルースあり、組曲風の壮大なナンバーあり、ピアニストの故ビル・エヴァンスも演奏した「ナーディス」あり、そして彼の原点ともいえる不朽の名曲「ホワイ・ノット」あり。カミロの魅力のフルコースをおなかいっぱい味わわせていただきました。

ドラムスのクリフ・アーモンドもカウベルを仕込んだドラム・セットで大きなノリを生み出し、チャールズ・フローレスのベースもずっしりとしたプレイで大きな存在感をかもし出しています。フローレスの存在は決して派手ではありませんが、カミロとアーモンドが延々と超絶技巧のやりとりを繰り広げることができるのも、彼の錨のようなベースが中央に陣取っているからなのでしょうね。ベースにしがみつくようにしながら、太い指に力をこめて強力な低音を響かせる姿に、ジミー・ギャリソン(伝説のジョン・コルトレーン・カルテットのベース奏者)をダブらせてしまったのは僕だけでしょうか?

カミロにとって、「ブルーノート東京」は特別に思い入れのある場所なのだそうです。それは決して日本のファンに向けたリップ・サービスではありません。彼は本当に、このクラブで演奏することを、心から楽しんでいます。(土曜日、11日の午後2時からはクリニックも開かれます)

今回の公演でカミロ、フローレス、アーモンドはさらに多くのファンを獲得することでしょう。
(原田 2009/4/9)


4/9 thu - 4/14 tue
MICHEL CAMILO TRIO "THE BEST OF MICHEL CAMILO"
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4/11 sat.
MICHEL CAMILO Piano Clinic "CAFE CAMILO"
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MICHEL CAMILO , blog - ☆ P+M映像 : MICHE...

☆ MICHEL CAMILO TRIO - 公演初日のライブ映像 & メッセージ



すごい、すごい、とわかっていても、やはりすごい。。。!
ミッシェル・カミロ・トリオ参上、4/14 tue まで。

4/11 sat. 午後、
長年の夢・ミッシェル・カミロによるクリニックが開催されます。
ソロ・ピアノ・パフォーマンスあり、自身の音楽感を語り尽くすこと間違いなし、そして質疑応答のお時間ももちろん予定あり。
ピアノ・プレイヤーの方にとって、あるいはそうでないファンの方にとっても貴重な午後のひとときがやってきます。











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