BlueNote TOKYO
ARCHIVE 2009/01

2009/01/23

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , THE MANHATTAN TRANSFER - - report : THE MAN...

tonight_mantra.jpg


いま午前1時半を少しまわったところです。
まだ、わくわくしています。からだが暖かいです。
超一流の、豪華で、洒脱な、極上のアメリカン・エンタテインメントを満喫してしまったなあ、という興奮と満足感がこみあげて止まりません。

マンハッタン・トランスファー。もちろん世界最高峰のコーラス・グループです。日本でもとても高い人気があります。
が、どういうわけか、ぼくは彼らのライヴに接する機会にこれまで恵まれなかったのでした。自分でも不思議ですが・・・・。
なので今日はなんだか、長いあいだ慕い続けてきた人にばったり会ってしまったような気持ちなのです。

ぼくがはじめてマントラを聴いたのがいつだったか、あいにく覚えていませんが、初めて“見た”のはテレビの中でした。
月曜日、午後8時から放映されていた「ザ・トップテン」という番組です。
ようするに売れている歌謡曲(当時はまだJポップという言葉はありませんでした)の上位10曲を、その歌手本人がナマで歌うという内容なのですが、この番組は一時期よく、海外のシンガーをゲストに招いていました。マントラが出たのは、デビュー間もない頃のワム!(ジョージ・マイケルがいた男性二人組)が出演した翌月か翌々月のことだったと思います。ウィスキーのテレビCMに使われていた「アメリカン・ポップ」という曲を、フリ付きで披露してくれたのでした。

マンハッタンというグループ名、アメリカンという曲名。まだ田舎の洟垂れ小僧だったぼくにとっての“USA”が、そこにありました。

それからもう25年が経ってしまいましたが、マントラは今も不動のメンバーのまま、鉄壁のハーモニーで楽しませてくれます。

演目については、もう、「満漢全席状態」とだけいっておきましょう。ノスタルジックなスイング・ナンバー、ブラジルもの、ブルース、ロックンロール、ヴォーカリーズ(ジャズメンのアドリブ・ソロに歌詞をつけて歌う)、メンバーのソロ・コーナー、そしてもちろんア・カペラも。見事なチームワーク、キラリと光るユーモアのセンス(MCがまた、うまいのですよねえ)、オーディエンスとの一体感・・・・心から敬意をこめて、“芸人ばんざい!”といわせていただきたいものです。

きくところによると、最新アルバムのリリースも間近いとか。マンハッタン・トランスファーの冒険旅行は、まだまだ続きます。



2009/01/22

THE MANHATTAN TRANSFER , blog - ☆ P+M映像 : THE M...

公演初日の模様 & メッセージが届きました。

ジャズ・コーラス界のトップに君臨するヴォーカル・グループ 、
マンハッタン・トランスファーが2年半ぶりにブルーノート東京のステージヘ本日から登場。
卓越したハーモニーと華やかなパフォーマンスでジャズ・エンターテインメントの世界へ誘います。

公演初日のパフォーマンス、そしてメンバーからビデオ・メッセージが届きました。
公演は 1/29 Thu. まで、お見逃しなく!



CHICK COREA & JOHN McLAUGHLIN - - 超豪華メンバー・...



● 超豪華メンバー・FIVE PEACE BAND!夢の共演を(少しだけ)予習。

ファイヴ・ピース・バンドのライヴ映像です。チック・コリアとジョン・マクラフリンの超絶技巧が火花を散らす、来日公演がますます楽しみになります。
クリスチャン・マクブライド (b)、ケニー・ギャレット (sax)、ブライアン・ブレイド (drums)、
メンバーそれぞれ、自身のバンドでの来日公演が多い強者たち、のちのち伝説になるであろう今回のパフォーマンス、必見です。



☆☆ 【Products Info】 ★★

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『ファイヴ・ピース・バンド・ライヴ』
チック・コリア&ジョン・マクラフリン
2009/2/4 日本先行リリース 来日記念盤(ユニバーサル・ミュージック)



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『ファイヴ・ピース・バンド with BLUE NOTE TOKYO・来日記念・限定 T-shirts 』
**超豪華メンバーによるプレミアム・バンド & 当店のコラボ T-shirts !
当公演期間中・店頭のみ販売予定(ダーク・ブルー、ライト・グレー) \ 4,200(税込)




● BLUE NOTE TOKYO 4周年、
1992年、ブルーノート東京開店4周年公演からの映像です。ベースは、チックが80年代に率いた“エレクトリック・バンド”、“アコースティック・バンド”のメンバーでもあったジョン・パティトゥッチ。ドラムスはフランク・ザッパ、スティング等ロック・アーティストとの共演でも知られ、最近ではハービー・ハンコックのグラミー受賞作『リヴァー』に参加していたヴィニー・カリウタです。演奏曲はチックの人気レパートリーである「ハンプティ・ダンプティ」。チック、ジョン、ヴィニーの絶妙なコンビネーションをお楽しみください。



2009/01/17

MACEO PARKER - - 人生・ファンク

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メイシオ・パーカー 、ただ今公演中


2005年9月、前回の公演時、
ファンクの定番・マネージャーによるイントロダクションを取り入れたショウのスタート、
"come on, Maceo !" のコール、
そして、ファンキー・サックスの王様・堂々たるステージへの登場場面。。。。。。と思いきや、
なんと。。。。。

厨房のシェフ・コック・コートを着用、手にはアルト・サックスではなくフライパン!
しかし、王様ご本人は涼しげな顔でステージへの階段へ、登りかけたところで。。。。。
自身の姿の異変に気付き、慌ててドレッシング・ルームへ掛け戻る、
そして、スーツに着替え、アルト・サックスを片手に再び戻ってくる。。。。

ある夜はバーテンダー、ある夜はウェイターに扮する、
毎晩、 "ファンキーな演出" により驚かされたものでした。

今回の公演、
昨晩のステージでは、当店・名物 "スウィンギン・ポテト" (フライド・ポテト)を片手に登場!
さて、今宵はいかに。

なお、
ジャーナリスト・原田氏による当公演初日のライブ・レポートはこちら
http://www.bluenote.co.jp/jp/movie/bnt/


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本日 1/17 sat.
石森管楽器店(http://www.ishimori-co.com/)にて、
メイシオ・パーカーのクリニックが行われました。

当初、13:00 からの開催予定でしたが、メイシオご本人が参加者の方と早くお会いしてどのようなクリニックにするか、
参加者に直接話を聞いて考えたいという突如の要望により、開始15分前・驚きのご登場。

バンドのキーボード・プレイヤー・ウィル・ブールウェア(http://willboulware.com/
とのアルト・サックスとアコースティック・ピアノによるデュオ演奏から始まり、
自身の生い立ち、サックスを演奏するまでの経緯、
学生時代を経てジェームス・ブラウンのバンドにバリトン・サックスプレイヤーとして加入の頃のお話、
今までに共演してきたアーティストの話や自身の音楽観など。

参加者との質疑応答の後、最後はメイシオ本人によるピアノのソロ演奏、
クリニックを最後に締めるメッセージは "We・Love・You" 、
そしてサインや記念写真撮影などのファンサービスに約 30分、
人間・メイシオに触れ合う会が 1時間半が催されました。

その中で、最も印象的なコメント

Q.
"普段、どのようなサックスのエクセサイズをされてますか、
いつもウォーミングアップ等で特定のフレーズを練習されているようなものがあれば教えて下さい”
メイシオ(以下 M.P)
"特にない。吹きたいもの、自分の心に浮かんだものをそのまま吹くのみ"

Q.
" メイシオさんのようなリズム感はどのように身に付くものなのでしょうか"
M.P.
"自分は生まれながらにしてもっているだけ。それがない人はひたすら練習するのみ。"

Q.
" いつもお使いになっているマウスピースは何ですか、どこのブランドのものですか?”
M.P.
"えー、えーっと。。。。◯◯だったか、▲▲だったか。。。。"
(カバンの中をごそごそと探す、探しものが見つからない、石森楽器の方からのアドバイスで、
前回来日時、当管楽器店にて購入したものと判明)


人生そのものが "ファンク" である、
そのような一面を垣間見る事ができた午後のひとときでした。

maceo_alone.jpg




◆ 後日当ウェブサイト上掲載の為、本公演期間中にメイシオ・パーカーへのインタビューを予定しております。
当アーティストへ "これを聞いてみたい!” というご質問内容がある方、下記のメールアドレスへお寄せ下さい。

注) お寄せ頂きましたご質問内容に関しまして、後日の掲載文中にて反映させて頂きます。
頂きましたご希望のご質問に対し、E-メールにて個別にご返信は差し上げられません。
なるべく多くのご質問を反映できますよう努めますが、お寄せ頂いたすべてのご質問への掲載対応はできない事が予想されます。
予めご了承お願い申し上げます。

メイシオ・パーカーへのご質問はこちら →whatshappenin@bluenote.co.jp
ご応募〆切:1/19 Mon. 2009




2009/01/14

MACEO PARKER - - メッセージ from ...

MACEO PARKER-メイシオ・パーカー
   


● MACEO PARKER, CANDY DULFER の共演
North Sea Jazz Festival, Holland

CANDY DULFER よりメッセージが届きました!
↓ ↓ ↓ ↓



CHRISTIAN SCOTT - - 次世代を担う期...

クリスチャン・・スコット
  ■ クリスチャン・スコット

シーンの注目と期待を一身に集める若手トランペット奏者。
ニューオリンズ生まれの熱きジャズ・ヒーロー、クリスチャン・スコット。2008年にソウライヴのホーン・セクションとして初登場、次いでマッコイ・タイナー・トリオとの共演でクラブを沸かせた彼が遂に自己のユニットで戻ってくる。少年時代からウィントン・マルサリス等の大物ジャズメンと共演し、18歳でデビュー。R&Bやヒップ・ホップ等を取り入れた独自の音作りで幅広いリスナーの支持を集め、最新作『ライヴ・アット・ニューポート』も大好評を博している。そのスター性が評価され、モデル業や映画出演にも意欲的なクリスチャン。精悍なルックス、豪快でブリリアントなトランペット・サウンドを手の届くような距離で体感したい。ジャズの新しい扉が、ここから開かれる。


● LIVE AT NEWPORT

ロードアイランド州ニューポートで行なわれる“ニューポート・ジャズ・フェスティヴァル”は、豊かな歴史を誇る野外ジャズ祭のひとつです。1958年にはマイルス・デイヴィスがジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンスを含むグループで出演し、絶賛を博しています(当日の模様はCD『アット・ニューポート1958』に収録)。それから丁度50年後の2008年、クリスチャン・スコットは自己のグループを率いてニューポートのステージに登場しました。“マイルスと比べられるのは光栄だよ。彼のことは尊敬しているし、よく話も聞いている。叔父のドナルド・ハリソンがマイルスの親友だったからね”と語るクリスチャンには、早くも大物の風格が漂います。



● "Died in Love"

ニューポート・ジャズ祭からの映像です。この「ダイド・イン・ラヴ」は、射殺された友人夫婦に捧げたクリスチャンのオリジナル曲。訴えかけるようなトランペットの音色がバンド全体を牽引します。彼が敬愛してやまないジョン・コルトレーンやチャールズ・ミンガスの音楽に通じる“熱い主張”がうかがえるパフォーマンスです。


☆ For More Videos :
→ オフィシャル・サイト



'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , MACEO PARKER - - Report : MACEO P...

はじめまして。音楽ライターの原田和典です。
今回から「Bloggin' BNT」と題し、ブルーノート東京で行なわれる
ライヴのリポートを中心にお届けすることになりました。
リラックスしてお楽しみいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いします!


Maceo_Top.jpg (← こちら、メイシオご本人様です、ぼくではありません)

メイシオ・パーカーの真髄はライヴにあり、といわれます。

一度体験するとたちまちとりこになり、ステージが終わる頃にはすっかり中毒状態に。彼が来日するごと、公演に足を運んでいるというファンも数多くいらっしゃるのではないでしょうか。
ぼくもそのひとりです。

とにかく、楽しい。そしてかっこいい。あのサックスの音色が耳に飛び込んでくるだけで、自然に体が揺れて、目じりが下がり、ほほがゆるみます。

ステージでのメイシオは本当に表情豊かです。サックスを吹くだけではなく、歌い、踊り、ファンに語りかけ、とことんまで盛り上げてくれます。だけど、けっして音楽自体が荒っぽくなることはない。締めるところはビシッと締める。それこそメイシオ、真のプロフェッショナルである所以です。
この日のプログラムは、かつて彼のボスであったジェームス・ブラウンのあの曲あり、ポール・マッカートニーの名曲あり、もちろんソロ・アルバムからの人気曲もてんこ盛り。「ジョージア・オン・マイ・マインド」では、あの人(ジニアス・オブ・ソウルと呼ばれる巨匠です)のモノマネまで見せてくれました。

バンド・メンバーも以心伝心といいましょうか、頼もしいリーダーの手足と化したかのように小回りを利かせて動きます。11人の大所帯が一丸となったときの濃さ、力強さはまさに“ソウル・パワー”ですね。

トロンボーンのデニス・ロリンズが参加していたことも個人的には大きなポイントでした。かつてスティーヴ・ウィリアムソン(‘90年代初頭に、ものすごい勢いで売り出したサックス奏者です。近況をきかないのが残念ですが・・・・)やコートニー・パインのバンドで怪物ぶりを印象づけた彼が、さらに貫禄を増して日本に戻ってきたのですから、これはもう、実に心憎い人選であると言ってよいでしょう。
あともうひとつ、このステージで嬉しかったのはルイ・ジョーダンの曲を取り上げてくれたことです。

ルイ・ジョーダン、ご存知でしょうか。ロックやR&Bも元をたどればこの人に行き着くといわれる大エンターテイナーです(B.B.キングやチャック・ベリーにも大きな影響を与えています)。クリクリした目、華やかなたたずまい、力強いサックス・プレイ、粋な歌声などジョーダンとメイシオの間には共通点がいっぱいです。もっともジョーダンが大ヒット曲を連発したのは1940年代なので、メイシオはまだ生まれたか生まれていないかの頃ですが、彼がノリノリで歌い、サックスを吹く「ラン・ジョー」にぼくは、強くて分厚い“エンタテインメントの血脈”を感じて、なんだかとてもいい気分になりました。




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1970年生まれ。ジャズ誌編集長を経て、2005年ソロ活動を開始。
著書に『原田和典のJAZZ徒然草 地の巻』(プリズム)
『新・コルトレーンを聴け!』(ゴマ文庫)、
『世界最高のジャズ』(光文社新書)、
『清志郎を聴こうぜ!』(主婦と生活社)等。
共著に『猫ジャケ』(ミュージックマガジン)、
監修に『ジャズ・サックス・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック・エンターテイメント)。好物は温泉、散歩、猫。



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