《CIRCLE OF LEGENDS vol.2》オランダを代表するレジェンド親子の競演 | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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《CIRCLE OF LEGENDS vol.2》オランダを代表するレジェンド親子の競演

《CIRCLE OF LEGENDS vol.2》オランダを代表するレジェンド親子の競演

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《CIRCLE OF LEGENDS vol.2》CANDY DULFER & BAND
featuring very special guestHANS DULFER 2015 10.10sat. ‒ 10.14wed.オランダを代表するレジェンド親子の競演

 世界一ファンキー&グルーヴィーなサックス親子が1年ぶりにブルーノート東京に再上陸!
オランダ国民にとって非常に身近な存在、ハンス&キャンディ・ダルファーの魅力

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 オランダはあらゆるジャンルの音楽が溢れる国。なかでもジャズは高い人気を誇っています。毎年7月にロッテルダムで開催されるノース・シー・ジャズ・フェスティバルは、一般市民にとっても大きな楽しみのひとつです。オランダ人にとって、ライヴハウスやライヴレストランはとても気軽に立ち寄れる場所。最近では使われなくなったビルや倉庫を多目的ホールやバー、レストランなどに改装して人気を博している会場も多く、そのひとつのジャズ・レストラン/バーの「North Sea Jazz Club」などは毎晩多くの人々で賑わっています。

 

 コンサートホールやライヴハウスはいくつもありますが、なかでもアムステルダムの「Bimhuis」は1974年のオープン以来、ジャズやインプロヴィゼーションの殿堂として人気の会場。実はここの創立者の一人がハンス・ダルファーです。あらゆる音楽を自由に演奏できる場所を作りたいと立ち上がった彼は、オランダでは大変尊敬されるレジェンド。そして、プリンスとの共演をきっかけに世界的な人気アーティストとなった娘のキャンディは、自身のファッションラインの広告に登場していることもあり、オランダ国民にとっては非常に身近な存在です。2人とも、パワフルな演奏の魅力はもとより、大変気さくにファンと触れ合うこともあって、その人気は衰え知らず。ちなみに以前は「ハンスの娘」と呼ばれていたキャンディですが、最近では反対にハンスが「キャンディのお父さん」と呼ばれているようです。

 キャンディのステージのプレゼンテーションはいつも素晴らしいものです。過去、一番印象に残っているのは、キーボードのチャンス・ハワードとのファンキーなセッション。キャンディの歌も、恋人同士のような2人のやりとりも、他のメンバーたちのパフォーマンスも、細かい点にとても気を使ってファンを楽しませてくれるのが嬉しいですね。彼女は毎回、何か違う要素を日本に持ってきてくれるので、今度はどんなパフォーマンスなのだろうと思うととてもワクワクします。彼女には7〜8年前から会うようになりましたが、年齢を感じさせない、とても綺麗ではつらつとした魅力的な女性。ブルーノート東京での公演を観るたび、もの凄いエネルギーで毎晩2セットこなしているということに圧倒されます。また、どんな時もファンの方一人ひとりに対し、最後まで丁寧に受け答えをしている姿も印象的。ハンスとは今年4月に来日した際に初めて対面が叶いましたが、彼もまた非常にフレンドリーな方でした。

 今回の公演は、一番分かり合える演奏家同士による、パワフルで躍動感溢れる音楽が提供されるものになるでしょう。それぞれが持つユニークな個性を生かした何とも言えないマッチング、そしてお互いに対する大きな敬意が、2人が奏でる音楽をさらに格別にしてくれるのではないでしょうか。昨年の親子競演は見逃してしまったので、私自身、今回の公演をとても楽しみにしています。

instrument
2014 10.30 HANS DULFER & CANDY DULFER

photography = Takuo Sato
cooperation = Nene Takagishi
edt & text = Shiyo Yamashita

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高岸音音(たかぎし・ねね)
オランダ王国大使館 広報・政治・文化部 シニア文化担当官。英国王立音楽大学卒、カナダ・マギル大学音楽部卒。梶本音楽事務所(現・KAJIMOTO)にて来日のアーティストのマネジメントを行う。05年より現職勤務。

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