【JAM vol.244】TILL BRÖNNER "ITALIA" | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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【JAM vol.244】TILL BRÖNNER "ITALIA"

【JAM vol.244】TILL BRÖNNER "ITALIA"

text = Kenichi Aono

洒脱なアルバム『イタリア』の世界をたっぷりと
ティル・ブレナー、約7年ぶりのリーダー公演

 このところ、洒落た気分にひたりながらゆったりとした時間を過ごしたいと思ったときに聴く作品といえば、チェット・ベイカーを敬愛していることでも知られるドイツのトランペット奏者、ヴォーカリストのティル・ブレナーの『イタリア』である。昨年9月にリリースされたこのアルバムについては後ほど触れるとして、まずは彼のバイオグラフィーを簡単に追ってみよう。

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 1971年にドイツで生まれたティルは9歳からトランペットを始め、クラシック音楽を身につけてさまざまなコンテストで優勝したのち、15歳からはジャズの世界にも進出。連邦ジャズ・オーケストラに最年少で参加することとなる。ケルン音楽大学ではトランペットを専攻し、20歳のときにホルスト・ヤンコフスキー・オーケストラのビッグバンドの一員に加わった。初リーダー作は1993年の『ジェネレーション・オブ・ジャズ』だが、〈Verve〉に移籍して最初のアルバム『Love』(1998)でのミュート・トランペットとシルキーなヴォーカルが彼の知名度をワールドワイドに引き上げることとなった。2000年代初めからはヒップホップやクラブ・ミュージックの要素を巧みに取り入れたり、ラテンやブラジル音楽にも接近するなど多彩なアプローチを見せる一方でコンテンポラリーなジャズ作品も発表し、現在まで幅広い層からの支持を集めている。

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 冒頭で触れた『イタリア』は、共同プロデューサーとしてイタリアのプロデューサー、DJ、ギタリストであるニコラ・コンテが名を連ねている。クラブ界隈では古くから名の知れた人物だが、近年の作品はジャズ・ファンからも高い評価を得ているのはご存じのとおり。そんなニコラとティルのコラボレーション作である同作は、ジョアン・ジルベルトのヴァージョンがつとに有名なブルーノ・マルティーノの「Estate」のカバーで幕を開ける。以降、続くのは1960年代から80年代初頭にかけてのイタリアン・チューン。取り上げているのはパオロ・コンテ、ルチオ・バッティスティといったシンガー・ソングライターの曲やエンニオ・モリコーネ、ピエロ・ピッチオーニらが手掛けた映画音楽で、そのムードを存分に取り入れたティルのオリジナル楽曲も1曲収録されている。

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 レア・グルーヴ的な匂いも感じられる視点で選ばれた楽曲は、エレガントでラウンジーな雰囲気を基調にしつつも、楽器の響きやフレージング、多彩なヴォーカル陣によって現代的に表現されている。こうして狭義のジャズにとらわれない仕上がりとなった本作は、上質なポピュラー・ミュージックともいえるレンジの広いものだ。

 さて、2004年の初登場以来、何度となくブルーノート東京のステージに立っているティル。今年2月のビル・エヴァンス&ザ・ヴァンスバンド・オールスターズの公演に参加したことも記憶に新しいが、今回は『イタリア』をフィーチャーしたものになるという。ティルはこの3月から同アルバムのタイトルを冠したツアーを行っており、本公演もその一環と考えていいだろう。公演メンバーはアルバムに参加したミュージシャンを中心にヴォーカルにはイタリア人シンガーのアレッシア・タヴィアンを抜擢した。"Viva la felicità"と思える時間をきっと味わえるこの公演を楽しみに待ちたい。

RELEASE INFORMATION


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『ITALIA』
(MOCLOUD, EDEL, EARMUSIC)

LIVE INFORMATION

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TILL BRÖNNER "ITALIA"

2026 9.10 thu., 9.11 fri., 9.12 sat., 9.13 sun.
9.10 thu., 9.11 fri.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
9.12 sat., 9.13 sun.
[1st]Open3:30pm Start4:30pm [2nd]Open6:30pm Start7:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/till-bronner/

<MEMBER>
ティル・ブレナー(トランペット、フリューゲルホーン、ヴォーカル)
アレッシア・タヴィアン(ヴォーカル)
オラフ・プーツシーン(ピアノ)
ブルーノ・ミュラー(ギター)
クリスチャン・フォン・カプヘンクスト(ベース)
デヴィッド・ヘインズ(ドラムス)

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