【JAM vol.244】THE RESIDENTS:ESKIMO
text = Kenichi Aono
アルバム『エスキモー』45周年記念
ザ・レジデンツがまたやってくる!
表現におけるすべての極北には彼らがいる-----そんなフレーズがしっくりくる孤高のグループ、ザ・レジデンツ。眼球のかぶりもの、タキシード、トップ・ハットといういでたちが有名なこのアーティスト集団は、アメリカ・ルイジアナ州にて1966年に結成されたといわれているが、素性は現在まで謎のまま。テープ・ループ、サウンド・コラージュ、エレクトロニクスなどと楽器や声、歌唱を交えながら各作品のコンセプトに沿った表現を採用しており、ジャンルという概念は彼らの前では意味をなさない。まさにワン・アンド・オンリーな存在として、数多のアーティストに影響を与え続けている。

過去の来日公演は2回。初来日は1985年で、2回目はなんと32年後の2017年に行われたブルーノート東京公演なのだが、このたびめでたく3度目の来日公演が実現の運びとなった。今回の公演は1979年リリースのアルバム『エスキモー』の45周年を記念したツアーの一環。同アルバムは、エスキモーの生活や文化、風習をサウンドとして表した作品なのだが、そうしたモティーフはあくまでも想像上のもの。シンセサイザー、パーカッション、チャント的な声、風の音などが織りなすそのサウンドは、だから、あり方という意味において超現実なのだ。このアルバム、いまの耳で聴いても十分に刺激的で、彼らの卓越したオリジナリティが作品に古びない強度をもたらしていることがよくわかる。ちなみに先に触れた眼球、タキシード、トップ・ハットがアルバム・ジャケットに登場したのは本作が最初である。
この『エスキモー』、実はステージで初めて演奏されたのは2025年6月、ロサンゼルスでのこと。その後、同作を冠した北米ツアーが予定されていたのだが、メンバーの健康上の問題により延期となり、ツアーは改めて今年後半に仕切り直しとなった。ホール・コンサートと違い、間近で彼らのパフォーマンスを体験できる今回の公演。ザ・レジデンツのファンはもちろん、新鮮な驚きを求めるすべてのひとにおすすめしたい。

RELEASE INFORMATION
『Eskimo』
(Cherry Red Records)
LIVE INFORMATION
THE RESIDENTS:ESKIMO
2026 9.7 mon., 9.8 tue., 9.9 wed.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/the-residents/

