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UNLIMITED MILES: MILES DAVIS AT 100 feat. John Beasley, Sean Jones, Mark Turner, Kurt Rosenwinkel, Ben Williams, Terreon Gully

artist JOHN BEASLEY , SEAN JONES , MARK TURNER , KURT ROSENWINKEL , BEN WILLIAMS , TERREON GULLY

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

不滅のジャズ・アイコン、マイルス・デイヴィスの生誕100年を祝うスペシャル・プロジェクトの来日公演が昨日から始まりました。題して"アンリミテッド・マイルス:マイルス・デイヴィス・アット100"。1989年のマイルス・バンドのツアーに参加したキーボード奏者のジョン・ビーズリーが、ショーン・ジョーンズ、マーク・ターナー、カート・ローゼンウィンケル、ベン・ウィリアムス、テリオン・ガリーといったツワモノたちに声をかけ、全メンバーの持ち味を注ぎ込みながらマイルスゆかりの楽曲を次々と現代に解き放ちます。

マイルスは約50年間のキャリアの中で、"ジャズ界のピカソ"と呼ばれるほど劇的に作風を変えていきました。アンリミテッド・マイルスの6人が、どの時代の何をオープニングに持ってくるのか、それをあれこれ予想するだけでもワクワクしてきたのですが、初日ファースト・セットの1曲目は「Seven Steps to Heaven」。メロディ冒頭に出てくる7つの音(7つの階段を暗示しているのでしょう)が印象的な1960年代の人気曲です。アンリミテッド・マイルスの面々は大きくアクセントを変え、"これが俺たちのセヴン・ステップス"とばかりにプレイします。ショーン・ジョーンズのトーンの輝かしさ、すべての音があるべき位置にあるといっても過言ではないマーク・ターナーの格調高いフレージングはもちろん、カート・ローゼンウィンケルの変幻自在のバッキングにも引き込まれるばかりでした。

マイルスにはキラーチューンが非常に多いためでしょうか、この日はいくつものナンバーがひとまとまりの演奏の中で続けてプレイされることも何度かありました。ビーズリーは"さまざまな楽曲を、年代を超えてマッシュアップした"とMCで語っていましたが、その趣向が最も興味深く発揮されていたのは「Moon Dreams」~「Sanctuary」~「Fat Time」の連続演奏だったように思います。マイルスが初めてこれらを公式録音したのはそれぞれ1950年、69年、81年。もともとチル感のあった「Moon Dreams」はベン・ウィリアムスとテリオン・ガリー(マイルスと同じくイリノイ州イースト・セントルイス育ち)が生み出す心憎いまでの波動によってスロー・ジャム的な仕上がりに衣替えされ、「Sanctuary」ではターナーがソプラノ・サックス奏者としての魅力を発揮、「Fat Time」におけるローゼンウィンケルのロング・ソロも"いったいどこへ連れていってくれるんだろう?"と言いたくなるほどスリリングなものでした。

マイルス最晩年のアルバム『Amandla』に収められていた「Catémbe」は、少年時代のジョーンズが初めて感銘を受けたジャズの楽曲であるとのこと。その体験から約20年後、ジョーンズはこの曲の作者/プロデューサーであるマーカス・ミラーのバンドに抜擢されて「Catémbe」を演奏することとなり、当夜はマイルスのトリビュート・プロジェクトの一員としてこの曲を快演しました。マイルスからジョーンズに託されたバトンが「Catémbe」なのかもしれない------と私は思いながら彼の吹奏に浸りました。

超満員のオーディエンスから熱い反応を引き出した"アンリミテッド・マイルス:マイルス・デイヴィス・アット100"公演は、23日まで行われます。
(原田 2026 4.22)

Photo by Yuka Yamaji


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【LIVE INFORMATION】

UNLIMITED MILES: MILES DAVIS AT 100
feat. John Beasley, Sean Jones, Mark Turner, Kurt Rosenwinkel, Ben Williams, Terreon Gully
2026 4.21 tue., 4.22 wed., 4.23 thu. ブルーノート東京
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