3.26 thu. @Cotton Club / 3.27 fri., 3.28 sat. @Blue Note Tokyo
SARAH McKENZIE @COTTON CLUB
artist SARAH McKENZIE
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
2017年に『雨のパリで』で日本デビュー、たちまち人気者の仲間入りを果たしたサラ・マッケンジーが本日からブルーノート東京に登場します。私は昨日、コットンクラブで行われた公演に足を運び、心をそっと温めるような弾き語りの魅力、さらに楽想に多彩さを増したオリジナル曲の数々に酔いしれました。今回の公演は、従来以上にサラのシンガーソングライターとしての一面、ピアニストとしての一面も大いに発揮されている-------というのが、コットンクラブでのファースト・セットに接した私の印象です。
昨年の公演では、末期オスカー・ピーターソン・カルテットの一員だったウルフ・ワケニウス(ギター)、レイ・ブラウンと双頭アルバムを残したピエール・ブサゲ(ベース)などと快いパフォーマンスを繰り広げたサラですが、今回の共演メンバーも実に強力です。ギターのラリー・クーンスは、10代の時に父親のデイヴ・クーンスとのギター・デュオで"神童"として注目され、ロッド・スチュワート、リンダ・ロンシュタット、ポール・アンカ、マイケル・ブーブレ等のレコーディングにも携わるキャリア50年の大ベテラン。ベースのジェフ・ガスコインはジェイミー・カラム、ジョージー・フェイム、エヴリシング・バット・ザ・ガールらのサポートも行なってきた名手で、『Keep It To Yourself』という傑作リーダー・アルバムも残しています(国内盤ライナーノーツは私が記しました)。ドラムスのアンソニー・ファンはセロニアス・モンク・インスティテュートで学んだ俊英で、まるで1950年代のスウィング系ドラマーのように軽やかなブラッシュ・ワークも聴かせてくれます。オーストラリア出身のサラ、アメリカ出身のラリー、UK出身のジェフ、カナダ出身のアンソニーが一丸となって、日本のヴェニューで快演を届けてくれるのです。
名手が揃っているだけに、各人のソロも存分に聴いてみたいと思うのはリスナーとして当然の思いでしょう。果たしてオープニングは、インストゥルメンタル曲「L.A. Police Pursuit」でした。高速のユニゾンで奏でられるテーマ・メロディに続いて、それぞれのアドリブがフィーチャーされます。どこか「Moanin'」を思わせるファンキーな曲調を持つこの曲で4人の一体感を示したあとは、サラの出世作と言える「Paris In The Rain」をしっとりと。続いてミシェル・ルグランに敬意を示したオリジナル曲「Secrets of My Heart」、ジャキス・モレレンバウムなどブラジルのミュージシャンも参加した近作『Without You』からはアントニオ・カルロス・ジョビンの書いた「Dindi/Modinha」を聴かせてくれました。"ブラジルの音楽にはメランコリーとジョイフルなところが共存していて、私はそこが大好きなんです"というサラのMCに共感したオーディエンスも多かったのではないでしょうか。
ステージの後半もサンフランシスコの風景にインスパイアされた新曲「City by the Bay」、ラリーの無伴奏ギター・ソロによる「Stella by Starlight」など、バラエティに富んだ選曲で楽しませてくれました。「Stella~」は先日のロバート・グラスパー・トリオの公演でも演奏されたスタンダード・ナンバーですが、それぞれの音楽家が独自の解釈で名曲を再生していく行為も、まさしくジャズの伝統であり醍醐味です。
サラ・マッケンジーと仲間たちのブルーノート東京公演は、本日27日と28日に開催されます。
(原田 2026 3.27)
Photo by Yuka Yamaji
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【LIVE INFORMATION】
SARAH McKENZIE
2026 3.26 thu. コットンクラブ

2026 3.27 fri., 3.28 sat. ブルーノート東京

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