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KENNY GARRETT and Sounds from the Ancestors

artist KENNY GARRETT

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

今年で生誕100年を迎える"ジャズ界の帝王"マイルス・デイヴィス。そのマイルスが率いるバンドで最後のサックス奏者を務めたケニー・ギャレットが自身のプロジェクト"サウンズ・フロム・ジ・アンセスターズ"を率いて来日中です。これまでもクリス・デイヴ、コーリー・ヘンリー、ジャスティン・ブラウン、大西順子など数々の逸材を自身のバンドに擁してきた彼ですが、今回、共に来日したのはキース・ブラウン(ピアノ)、コーコラン・ホルト(ベース)、ロナルド・ブルーナーJr.(ドラムス)、ルディ・バード(パーカッション)、キューバ出身で2度のグラミー賞ノミネート経験を持つメルヴィス・サンタ(ヴォイス&パーカッション)。ロナルドは、サンダーキャット(スティーブン・ブルーナー)の兄としても知られていることでしょう。カマシ・ワシントン、マーカス・ミラー、スタンリー・クラーク等との活動のほか、ギャレットのアルバムでは『Seeds From The Underground』、『Do Your Dance!』、『Sounds From The Ancestors』に関わっていますが、ブルーノート東京での共演は今回が初めて。ギャレットとロナルドの応酬を楽しみに来場したファンもいらっしゃることと思います。

ギャレットのバンドが登場するのは2024年10月以来ですが、第一印象は"ますますリズムが分厚くなったなあ"ということ。ロナルドが空間を音で敷き詰めるようにドラムスを叩き、ルディが多種多彩なパーカッションを打ち、さらにメルヴィスがシェケレ(西アフリカ起源の楽器)などを振って、実に香り高いうねりを創り出すのです。加えてベース・ラインは強靭、ピアノのコンピング(伴奏)もメリハリに富んでいて、このセッティングでサックスを吹くことは我を忘れるほど気持ちいいのではと想像してしまいますが、しっかり聴き手とのやりとりを重視するのもまた、ギャレットという音楽家です。曲中でサックスを吹きながら右手を掲げ、手のひらを内側に向けて"煽る"ようなポーズをとると、観客はさらに盛大な声援と拍手を音楽家たちに届けてゆきます。

パフォーマンスは、十八番と言ってもいいでしょうモーダルな「Haynes Here」から始まりましたが、前回のライヴでワードレス・ヴォーカルを聴かせたルディに替わり、今回はメルヴィスの女声がフィーチャーされているので、それだけで聴感上の印象はかなり異なります。ギャレットはアルト・サックスはもちろん、曲によってキーボードやソプラニーノ(ソプラノ・サックスよりさらに高い音が出る)も演奏、ラップを挟んだり、曲中に日本語で呼びかけるなど(彼は1980年代から大の親日家です)、休む間もありません。"Are you happy people?"と超満員のオーディエンスに問いかけたあとに始まったのは、代表曲の「Happy People」。昨年、レイクシア・ベンジャミンが来日した時も、ステージのほぼラストでカヴァーしていましたが、ギャレットの自作自演による、この"沸き曲"は格別です。何度も何度もエンディングのパートを繰り返し、場内をさらに熱気で満たしていきます。ショウマンシップもたっぷりなギャレットの来日公演は、明日19日まで続きます。
(原田 2026 1.18)

Photo by Great The Kabukicho


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【LIVE INFORMATION】

KENNY GARRETT and Sounds from the Ancestors
2026 1.17 sat., 1.18 sun., 1.19 mon. ブルーノート東京
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