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LEE RITENOUR "Gentle Thoughts" featuring PATRICE RUSHEN, HARVEY MASON & MELVIN DAVIS

artist HARVEY MASON , LEE RITENOUR

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

これこそ"クロスオーヴァー~フュージョンのサミット・ミーティング"といっていいでしょう。リー・リトナー、パトリース・ラッシェン、ハーヴィー・メイソン、メルヴィン・デイヴィスによる圧巻の4デイズ・8セットが13日から遂にスタートしました。

リトナー、ラッシェン、メイソンは1970年代に共演を始めた盟友たち。ラッシェンの『Before The Dawn』(75年)、メイソンの『Earthmover』(76年)、リトナーの『First Course』(76年)と、それぞれの単独リーダー作にも3人の名前はクレジットされていますが、日本では77年に発売された『Lee Ritenour & His Gentle Thoughts』(邦題『ジェントル・ソウツ』)で大ブレイク。同年10月にはジェントル・ソウツとして来日し(他のメンバーはアーニー・ワッツ、アンソニー・ジャクソン、スティーヴ・フォアマン)、渡辺貞夫との共演も繰り広げました。それからおよそ半世紀が経ち、リトナーは"当時を知っているひとはもう、あまりいないんじゃないかな"とMCで語っていましたが、磨き抜かれたコンビネーションは歳月を超えて、オーディエンスの心を揺さぶったと思います。

ステージには先にメルヴィン・デイヴィスが登場し、さっそく愛用の7弦ベースをホールドします。彼はディスコ~ブギーの人気シンガーであるオブライアン他のサポートを経て、90年代からリトナーと共演を重ねている達人です。その後、猛烈な拍手と歓声に応えて、ラッシェン、メイソン、リトナーが登場します。オープニングは「The Village」。2012年にリトナーが発表したアルバム『Rhythm Sessions』に収められていたヴァージョンにはジョージ・デューク、デイヴ・ウェックルらが参加していましたが、この楽曲を、それとは異なる顔ぶれの、だがやはり大変な名手たちによるコンビネーションで聴けるのはライヴならではの楽しみです。続いてプレイされたのは、リトナーの愛奏曲としても知られるモダン・ジャズの古典「Stolen Moments」。リトナーのギターとデイヴィスのワードレス・ヴォーカルがユニゾンでメロディを奏でた後、ギターやアコースティック・ピアノがたっぷりとアドリブを披露します。なかでもラッシェンのプレイは名人芸と呼ぶのにふさわしいものでした。ダンサブルな歌もの「Forget Me Nots」でヒット・チャートを賑わせたこともある彼女ですが、ジャズ・ピアニストとしても20歳そこそこでビル・エヴァンス、ジョン・ルイス、マリアン・マクパートランドと四重奏を行なうほどの才気の持ち主です。その魅力の一端をこの夜にうかがえたのは収穫でした。リトナーはこの「Stolen Moments」のほか、ウェス・モンゴメリーに捧げた「Lil' Bumpin'」でもまろやかなオクターヴ奏法を聴かせてくれました。

ステージ後半ではいよいよ、ジェントル・ソウツ時代のナンバーが解き放たれていきます。「Sugar Loaf Express」ではずみをつけ、飛び切り親しみやすいメロディを持つ「Captain Caribe」(リトナーの発音は"キャプテン・カリーブ"という感じ)で大いにはじけて、高速ユニゾンが冴えわたる「Captain Fingers」で超満員の観客を鮮やかにノックアウトする、といえばいいでしょうか。メイソンとデイヴィスのコンビネーションの良さもさることながら、「Captain Fingers」の後半を彩ったリトナーのスライド・バーを用いたアプローチも圧巻でした。

かつての若手気鋭=現在の名匠たちによるステージは、世代を超えて音楽ファンに訴えることでしょう。
(原田 2026 1.14)

Photo by Takuo Sato

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【LIVE INFORMATION】

LEE RITENOUR "Gentle Thoughts"
featuring PATRICE RUSHEN, HARVEY MASON & MELVIN DAVIS
2026 1.13 tue., 1.14 wed., 1.15 thu., 1.16 fri. ブルーノート東京
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2026 1.18 sun. 高崎芸術劇場 / スタジオシアター
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