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SHEILA E. & THE E-TRAIN

artist SHEILA E.

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

グロリア・エステファン、ルーベン・ブラデス、ルイス・エンリケ等の豪華ゲストを迎えた新作『Bailar』も話題のシーラ・Eが、なんと11年ぶりのブルーノート東京公演を開催中です。前回は父親の打楽器奏者ピート・エスコヴェード率いるラテン・ジャズ・オーケストラとの共演でしたが、今回は自身のユニット"SHEILA E. & THE E-TRAIN"とのステージ。全体的にラテン・ミュージック色が濃くなるのかなと予想していったのですが、内容はファンクやテクニカル・フュージョン的な要素もたっぷりで、さらにオーディエンス参加型といえるコーナーもあり、と、来日を待ちわびていたベテラン・ファンはもちろん、初めてライヴに接するファンにも大いに親しんでもらえるのではないでしょうか。

シーラはステージ上の向かって右側に位置し、ドラム・セットに座って、"叩き歌い"をします。2種類のシンバルが平行にぶら下げられているなど、独自のセッティングが印象に残りますが、それがいかに最小限の動きで、いいドラムの音色を出しながら同時に歌を歌っていけるか、それを考えた末のものなのでしょう。爽快な歌声はもちろん、その合間に入るドラムのオカズ(フィルイン)も気持ちよく、バンド・メンバーとの呼吸も心憎いほどです。3台のシンセサイザーを演奏するバートロン・カーティスはゴスペル界での売れっ子ミュージシャンだそうで、とくにオルガン風の音色によるプレイは絶品でした。人気曲のひとつ「Oakland N Da House」ではアフトン・ジョンソンの演奏する高速ベース・ラインが異彩を放ちました。

そして今回、ヴォーカリストとして同行したのはリン・メイブリー! そうです、ジョージ・クリントン率いるPファンク軍団の紅一点と言われた"ブライズ・オブ・ファンケンシュタイン"のオリジナル・メンバーで、ほか、スライ&ザ・ファミリー・ストーンとツアーに出たり、ジョージ・マイケル、トーキング・ヘッズ、エリック・クラプトン、安室奈美恵などの作品にも貢献してきた万能の歌い手です。豊かな声量、並外れた音域の広さはフィーチャリング・ナンバー「Happy Feeling」で満喫することができました。

『Bailar』からの「Playa Tequila」でオーディエンスを総立ちにさせた後は、いよいよ永遠の定番「The Glamorous Life」へ。プリンスのプロデュースで大ヒットしたナンバーですが、発表から40数年を経ても、メロディとリズム・パターンの鮮度は失われていません。今のシーラが表現する「The Glamorous Life」を、ぜひライヴで楽しんでいただければと思います。公演は30日まで続きます。
(原田 2025 10.29)

Photo by Great The Kabukicho

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【LIVE INFORMATION】

SHEILA E. & THE E-TRAIN
2025 10.28 tue., 10.29 wed., 10.30 thu. ブルーノート東京
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