LIVE REPORTS

ARTIST ARCHIVES

MONTHLY ARCHIVE

VIDEO ARCHIVES


IBRAHIM MAALOUF & THE TRUMPETS OF MICHEL-ANGE

artist IBRAHIM MAALOUF

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

熱狂のプロジェクト"イブラヒム・マーロフ & THE TRUMPETS OF MICHEL-ANGE"が約1年ぶりにブルーノート東京に戻ってきました。前回の公演ではイブラヒムを含む計5名の奏者が"T.O.M.A."(イブラヒムの父であるナシム・マーロフが開発した四分音トランペット)を演奏しましたが、今年はひとり増えて計6名に。ほかイブラヒムの大半のアルバムに加わっているギタリストのFrançois Delporte、前回の来日でも存在感たっぷりのプレイを聴かせたアルト・サックス奏者のMihai Pirvan も華やかな存在感を放ちました。

ステージ上のイブラヒムは、1秒たりともじっとしていません。愛器でメロディを吹きあげるかと思えば歌も歌い、時に軽やかなステップを踏み、観客にダンスやシングアロングを呼びかけ、MCパートでは日本語を交えながら場内を沸かせます。再び"THE TRUMPETS OF MICHEL-ANGE"で戻ってくることができた演奏者側の喜びと、この祝祭空間を今年もライヴで味わえることができた観客側の喜びが結合して、大きなうねりを巻き起こしている感じです。イブラヒム以外のクォータートーン・トランペット奏者たちは、ヴォーカルでいうところのバック・コーラス的な役割ですが、音の分厚さは尋常ではありません。ワールド・ミュージックのファンはもちろん、ブラス・ロックの支持者にも大きくアピールすること間違いなしの音作りです。しかも今回の公演では、前回以上に息の合った振り付けを見ることができたり、曲によってダンサーのHafsatou Saindou(ニューオリンズの鬼才、トロンボーン・ショーティとの共演歴もあり)が華麗に舞うなど、いっそう見どころにも溢れています。「The Proposal」、「Love Anthem」などアルバム『Trumpets Of Michel-Ange』からの楽曲がライヴならではの熱狂を伴ってプレイされていくのは快感のひとことに尽きますし、「Capitals」と「Au Revoir」では日本側からもふたりのプレイヤーが加わり、つまり計8名によるクォータートーン・トランペットの合奏が行われました。イブラヒムが日本で一般のT.O.M.A.奏者と共演するのは今回が初めてとのことで、この楽器をさらに普及させたいという彼の願いは順調に伝わっているようです。

公演は月曜日、火曜日にも行われますが、両日ともにセカンド・セットでは、日本側からダンサー2名の参加が予定されているとのことで、さらに一段と盛り上がりそうです。パーティーに参加する気持ちで、全身で音を浴びまくる気持ちで、ぜひお越しください!
(原田 2025 10.20)

Photo by Tsuneo Koga

―――――
【LIVE INFORMATION】

IBRAHIM MAALOUF & THE TRUMPETS OF MICHEL-ANGE
2025 10.19 sun., 10.20 mon., 10.21 tue. ブルーノート東京
詳細はこちら

SET LIST

coming soon

INDEX