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JOSÉ JAMES presents "1978: Revenge of the Dragon"

artist JOSÉ JAMES

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

超満員のオーディエンスを迎えて、昨日からホセ・ジェイムズの公演が始まっています。親日家として知られている彼ですが、ブルーノート東京での公演は2014年以来、なんと11年ぶりとのことです。「このレジェンダリーな場所に戻ってくることができて、とても嬉しい」との言葉と共に、初日のファースト・セットから白熱のパフォーマンスで魅せてくれました。

共演者も黒田卓也、BIGYUKI、ジャリス・ヨークリー、パーカー・マクアリスタ、そしてホセのパートナーであるターリと、"最強"といえるラインナップです。パーカーはヒプノティック・ブラス・アンサンブル、モーリス・ブラウン、泉川貴広、ベンジ・アロンセ(先日までカッサ・オーヴァーオールのバンドで登場していました)などの共演歴を持つベーシストで、ラテン・ミュージックやインド音楽にも精通する逸材です。彼とジャリスが生み出す、うねるようなリズムに乗って、ホセやソリストたちは会心のパフォーマンスを繰り広げていきます。

セットリストは、昨年から今年にかけて発表された近作『1978』と『1978: Revenge Of The Dragon』からの楽曲を軸に、ホセのファンなら誰でもライヴで聴きたいであろうナンバーを加えた、実に嬉しいものでした。オープニングは、『1978』からの「Saturday Night (Need You Now)」。キーボードとアコースティック・ピアノによるアプローチを瞬時に切り替えるBIGYUKI、ボンゴを取り込んだ独自のドラム・セットで異彩を放つジャリスのプレイにも耳を奪われます。"BIGYUKIの両手は過去から未来までを表現する。まさにウィザード(魔術師)だ"と、ホセはMCで語っていました。

ホセとは約20年間にわたる盟友である黒田卓也は、「Rock With You」や「I Thought It Was You」で実に鮮やかなトランペット・プレイを披露。それぞれマイケル・ジャクソン、ハービー・ハンコックの古典的ナンバーですが、原曲への敬意をたっぷりこめながら、"いま"の意匠がかっこよく施されているのが、一連の"1978プロジェクト"の魅力です。黒田の吹奏は、アドリブはもちろん、ヴォーカルへの絡みやオブリガートも実にニュアンスに富んでいて、改めてホセとの相性の良さをライヴで知らしめてくれたという感じです。ソロ作品も好評のターリは、この日、ホセと実に息の合ったツイン・ヴォーカルを披露。東京で撮影されたMVも話題の「Tokyo Daydream」のライヴ・ヴァージョンには、場内がさらに沸きました。

実に興味深い作曲エピソードの展開から始まったのは、大定番の「Trouble」。オーラスでは、フレディ・ハバード「Red Clay」のイントロ部分を思わせるベース・ラインを生かした、やはり初期のナンバーである「Park Bench People」を、ジャム・セッション的なノリで届けてくれました。充実のヴォーカル、充実の楽器演奏、どちらも満喫できるホセ・ジェイムズの公演は13日まで開催されます。
 
(原田 2025 10.12)

Photo by Makoto Ebi

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【LIVE INFORMATION】

JOSÉ JAMES presents 
"1978: Revenge of the Dragon"
10.11 sat., 10.12 sun., 10.13 mon. ブルーノート東京
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