【JAM vol.245】BLUE NOTE JAPAN GROUP FOOD REPORT
photography = Eiji Miyaji   text = Tomoko Kawai
福島の豊かな自然が育んだ、海と大地の恵みを味わう
現地を訪れて得たインスピレーションを料理に。シェフが想いを込めた一皿を、
ブルーノート・プレイス(恵比寿)とSESSiON(日本橋浜町)でお楽しみください。
Squid ink fideuà & with lemon mayonnaise
イカ墨のフィデウア 自家製レモンマヨネーズ ¥2,000(tax in) ※ディナー価格
提供期間:9.7 mon. 〜 10月中旬予定
イカ墨のコクと野菜や貝の出汁の旨味をたっぷり吸ったパスタのもちもち感と、香ばしいパリパリ部分、イカの食感の3つの異なるテクスチャーが楽しめる至福のパスタパエリア。ライムをたっぷり絞って自家製レモンマヨネーズとともに召し上がれ。
Sautéed Kawamata Shamo Chicken & with Fricassee of King Nameko Mushrooms & and Yomaki Cucumbers
川俣シャモ胸肉のソテー キングなめこと 余蒔きゅうりのフリカッセ ¥3,190(tax in)
提供期間:9.7 mon. 〜 10月中旬予定
ジューシーで旨味溢れる川俣シャモと、野生のきのこを思わせるキングなめこ、みずみずしく歯切れよい余蒔きゅうりが、ジュ・ド・プーレとバターのコク、オレガノの香りと合わさった、フレンチでありながら福島のテロワールが詰まった一皿。
東北・福島で受け取った食のバトンを、料理人がつなぐ
ブルーノート・グループの料理人たちによる、食材探しの旅。
この夏は福島県を横断し、浜通りの相馬といわき、中通りの川俣、そして会津へ。
地域ごとに異なる気候風土をたどり、
豊かな海と大地が育む食材、受け継がれてきた食文化に出会いました。

東北地方の最南端に位置し、全国3位の面積を誇る福島県。阿武隈高地や奥羽山脈が県土を分かち、浜通り、中通り、会津に異なる風土をもたらし、福島の豊かな食を育んできました。最初に訪れたのは、相馬市の松川浦漁港近くで水産加工業を営む「ループ食品」。立地の強みと確かな加工技術で、鮮度のよい海産物を県内外へ届けています。社長の森拓也さんが中心となって相馬の海の幸の魅力を発信し、復興につなげる姿が印象に残りました。 いわき市山玉町の「加茂農産」は50年近くなめこ栽培ひと筋。二代目の加茂直雅さんが父から受け継いだ技術に工夫を重ねて栽培を続けています。大粒の「キングなめこ」は傘の直径が4cm以上あり、天然ものを超える濃厚な味わい。通常サイズのなめこのつるり、シャキシャキの食感も心地よく、新たなレシピを思い描くシェフたちの目が輝きます。
福島を代表する地鶏「川俣シャモ」の原点は、江戸時代に盛んだった闘鶏文化にあるとか。「川俣町農業振興公社」の川俣シャモは、涼やかで雄大な自然環境の中で平飼い。歯ごたえを残しつつジューシーで凝縮された旨味は、従来のシャモの印象を覆す味わいでした。 会津伝統野菜を探して訪れたのは「リオリコ農園」。豊川庸平さん・智美さん夫妻が福島に多く残る在来種に目を向け、自家採種や酒粕を使った土作りなど自然に寄り添う農業に取り組んでいます。在来種の「余蒔きゅうり」はみずみずしく皮がやわらかで、歯切れのよさが特徴。その味わいから、会津の風土と作り手の丁寧な仕事が伝わってきました。
東日本大震災から15年。幾多の苦難を乗り越え、地元の食と文化を守ってきた福島の生産者たち。そのバトンを受け取り、福島の前向きな現在を一皿に込めて届けていきます。

