音楽との出会い ― トランペット、そしてJAZZ

「幼稚園に入る前から、おもちゃのキーボードで遊ぶのが好きな子でした。幼稚園に入ると、先生が歌ってくれた歌を演奏したり、自由に遊びながら音楽に親しみました。そして、小学3年生の時に、金管バンドに入り、トランペットを始めました。それまでは、ずっと一人で音楽をやっていましたが、友達と一緒に合奏したり、音楽について話をしたり、音楽の輪が広がりました。中学に入ると、吹奏楽部に入部し、オーケストラの曲に出会い、特にチャイコフスキーの曲が好きになりました。2年生になると、クラシックのトランペッターを目指し、本格的にトランペットを学びはじめ、高校では、ソリストやオーケストラの勉強を、そして、国立音楽大学では、ジャズを専攻し素晴らしい教授陣から、トランペットの技術的なことから音楽への向き合い方まで、沢山のことを教えていただきました。奥村晶さんからは、トランペットの基礎、演奏技術を、エリック・ミヤシロさんからも、トランペット、そして音楽のもととなるものを教わりました。小曽根真さんからは、いいソロを吹くことが大事だと思っていた自分に、それだけではなくて、"相手と対話することがジャズなんだ"、"音楽の中に入って楽しむ"というような音楽への向き合い方などを教えていただき、今の自分の根幹となるようなものを作ることができたと思っています」

全8曲収録されたデビュー・アルバム『STEPS OF THE BLUE』。
8月30日にはLP盤も発売される。

「"このままアルバムにしよう"－2022年5月、大学を卒業して、初めて行った全曲オリジナルで望んだリーダーライブ終演後に、小曽根真さんに、こうおっしゃっていただいたことが始まりでした。このライヴで演奏したオリジナル曲の他、大好きなチャイコフスキーの〈NEAPOLITAN DANCE〉をアレンジした曲も収録しました。今の自分のやりたいことを詰め込んだ1枚です。1曲目の〈HYPNOSIS〉は大学の卒業試験のために作った大切な思い出の曲です。アルバムのタイトル曲でもある〈STEPS OF THE BLUE〉は、JAZZをはじめとする"音楽の軌跡"へのリスペクト、そしてその道筋を自ら作っていきたいという想いを込めて作曲しました。アルバムの最後には、〈TRUST ME〉。"自分を信じる"という気持ちを込めて書きました。大学を卒業した時に、"トランペットと共に生きていこう"と心を決めたときの想いを曲にしています。聴いてくださる方にとっても、〈自分自身を信じる〉という糧になれば嬉しいなと思っています。アルバムには、中林俊也さん（サックス）、兼松衆さん(ピアノ)、小川晋平さん（ベース）、小田桐和寛さん（ドラムス）という信頼できるメンバー、そして、ピアニストの小曽根真さんにもご参加いただきました。また、尊敬する中川英二郎さんにもご参加いただき、3管でハーモニーを演奏しています。とても幸せなセッションでした」

リリース記念ライヴへの想い

「ブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラにも参加させていただいていますが、ブルーノート東京に、自分のバンドで出演するというのが、ジャズ・トランペット奏者を志した頃からの夢でした。今回、リリース記念ライヴとして実現することになり、とても嬉しいです。アルバムに収録した曲はもちろん、今表現したい音楽をセクステットをはじめ様々な編成でお送りしたいと思っています。アルバムに参加いただいた尊敬するトロンボーンの中川英二郎さんにもSpecial Guestとして出演いただくことになりました。今から、とても楽しみです。ぜひ、お待ちしています」

LIVE INFORMATION

松井秀太郎 "STEPS OF THE BLUE"
2023 9.22 fri.　ブルーノート東京
[1st]Open5:00pm Start6:00pm　[2nd]Open7:45pm Start8:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/shutaro-matsui/

＜Member＞
松井秀太郎（トランペット）
兼松衆（ピアノ）
小川晋平（ベース）
小田桐和寛（ドラムス）
中林俊也（サックス）
Special Guest：中川英二郎（トロンボーン）