世界最高峰のエンターテイナー、ヴァネッサ・ウィリアムスにインタビュー | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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世界最高峰のエンターテイナー、ヴァネッサ・ウィリアムスにインタビュー

世界最高峰のエンターテイナー、ヴァネッサ・ウィリアムスにインタビュー

アメリカ・ブロードウェイの超一流エンタテインメントが
ブルーノート東京を席巻

 モデル出身、ミス・アメリカ獲得、返上、CDデビュー、映画デビュー、テレビ・デビュー、ミュージカル、シアター・デビューと、アメリカのあらゆるエンタテインメントを総なめにしている感もあるスター、ヴァネッサ・ウィリアムスが久しぶりにブルーノート東京のステージに立つ。日本では製薬会社のCM曲として使われた「セイヴ・ザ・ベスト・フォー・ザ・ラスト」の大ヒットで人気を集めているヴァネッサに来日直前電話インタヴューを敢行した。当初は仕事先の北京への電話が設定されたが、それがリスケジュールされ、先方がニューヨークに戻ったところをキャッチすることになった。国際電話をいれるとコールが2回もならないうちに本人が出た。挨拶もそこそこにさっそく本題へ。

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 全方位。

 一線に躍り出てすでに25年以上。楽曲レパートリーも膨大な数に上る。今回のステージではどのような作品が披露されるのだろうか。

 「一言で言えば、あらゆるものを少しずつ、という感じかしら。まずは私のヒット、たとえば、『カラーズ・オブ・ザ・ウィンド』や『セイヴ・ザ・ベスト...』などから、私がこれまでにやってきたブロードウェイ・ショーからの作品、最近、ニューヨーク・フィルハーモニック・オーケストラとコンサートをやったのですが、そのときのレパートリー、それからたくさんの映画やテレビ・ドラマなどもやったので、そうした作品なんかもやろうと思っている。ヴァラエティーに富んだものになるでしょう」

 はきはきした口調でテンポよく話すヴァネッサの最新の仕事を尋ねた。

 「私はずっと映画の仕事をやりたいと思っているの。もちろん多くの映画にでてきた。ちょうど今終わったのが、フォックス・テレビのパイロット版。これは30分のちょっとしたコメディー番組。おもしろいわよ。もし、これをフォックスがやることになれば、秋からレギュラーになるので、忙しくなるわ。8月には撮影が始まるでしょうね。今は、それがどうなるかを待っているところ」

 彼女クラスになると、どれがメインの本業かわからないほど。モデルからシンガーになったときはシンガーとして見られた。女優の仕事が増えると女優という肩書が付く。今回の最新の仕事はテレビというわけだが、しばらくアルバムがでていないのだが、最近はどんな音楽を聞いているのか。

 「そうねえ、ヒット曲というより、世界各国にいる才能あふれるアーティストたちを聞くようにしている。たとえば、イスラエルの男性シンガーイダン・ライヒェル。エチオピアの、シンガーとか。もちろん、クラシックなアーティストもよく聞く。エラ(・フィッツジェラルド)、サラ(・ヴォーン)などのジャズから、アース・ウィンド&ファイアー、ビル・ウィザース、スティーリー・ダンなどなど」

 そして、彼女は歌って踊るブロードウェイのスターだ。ではダンスの面で尊敬する人たちは?

 「アルヴィン・エイリー・モダン・ダンス・カンパニーなど、タップ・ダンサーも勉強しているの」
 
 まさに八面六臂(はちめんろっぴ)の活躍だ。

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 ポワティエ。

 これまでに出演した映画も20本近くになる。となると、映画界で彼女が目標とするのは誰か。

 「(女優)シシリー・タイソンね。シドニー・ポワティエも。シドニーには会って話をしたことがあるの。シドニーからは貴重なアドヴァイスをもらったの。彼は素晴らしいキャリアを長い間続けているでしょう。彼は言ったわ。『決して、やめるな(never stop)』と。そう、このエンタテインメントの世界では、いろいろな困難があって、壁にぶつかったりするけれど、やめてはいけない、のよね」

 ヴァネッサは音楽、ステージ、シアター、ブロードウェイ、映画、テレビとあらゆるエンタテインメントに顔をだす。次々と仕事をしていくその果敢なモチヴェーションはいったいどこから生まれるのか。

 「ははは、私には4人の子供がいて、育てなければならないから、仕事をしなければならないのよ(笑) でも、それ以上に、私はいつでも新しいプロジェクト、やったことがないような仕事が大好きなの。新しいプロジェクトにはいつも燃えるわ。いろいろな新しい人に会って、新しい音楽を作ったり、新しいショーを作ったり、テレビを作ったり、新しいことをやるのはとても楽しいでしょう。演じること、歌うこと、踊ること、次にどれをやるかはわからないけれど、どれも楽しい」

 エンタテインメントを360度の円としてみたら、ヴァネッサ・ウィリアムスは間違いなく、全方位外交のあらゆる方面にその時、その場所によってアンテナを向ける、そんな人物だ。

 その音楽、ステージという一面が、ブルーノートのステージで披露される。アメリカの超一流のエンタテインメントをてがけてきたヴァネッサのステージは、まさにブロードウェイがブルーノートにやってきたかのような豪華絢爛さを醸し出すのかもしれない。そして、彼女は今日もシドニー・ポワティエの教えを守っている。「決してやめない」のだ。

★TOUR INFORMATION

ブルーノート東京
6.14 sun. - 15 mon., 19 fri. - 22 mon.
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/vanessa-williams/

【大阪 西梅田】サンケイホールブリーゼ
2015 6.17 wed.
http://www.sankeihallbreeze.com/list/popmusic/2015/03/post-500.html



吉岡正晴(よしおか・まさはる)
吉岡正晴・音楽評論家・DJ、ブラック・ミュージック、ダンス・ミュージックに強い。ソウル・ミュージックの最新情報を発信する「ソウル・サーチン・ウェッブ」とイヴェント運営。訳書に『マーヴィン・ゲイ物語』、著書に『ソウル・サーチン』など。


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