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JOYCE MORENO -O Mar é Mulher-

artist JOYCE

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

説明不要の"ブラジリアン・ミュージックの女王"、ジョイス・モレーノが2年ぶりとなるブルーノート東京公演を開催中です。6月29日にはブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラ directed by エリック・ミヤシロ公演にスペシャル・ゲストとして登場、初共演とは思えないインティメイトなステージに感銘を受けた方も多いと思いますが、30日からはいよいよ自身のグループでの公演です。ニュー・アルバム『O Mar é Mulher』からの楽曲を中心に、"現在のジョイスの魅力"が詰め込まれたひとときです。約60年ものあいだ第一線に立っていること自体が称賛に値するのに、今もコンスタントに新作を発表し、来日し、素敵な音楽と笑顔を届けてくれるのですから、これを尊いといわず何といいましょう。

共演メンバーは、ジョイスみずから"私のインスピレーション"と語る夫のトゥチ・モレーノ(ドラムス)、そしてロドルフォ・ストロエテール(ベース)、エリオ・アルヴェス(ピアノ)というおなじみの名手たち。もちろん『O Mar é Mulher』のキー・メンバーでもあります。"Sambaqui Jazz Trio"としても活動する3人とジョイスの組み合わせは、十数年ものあいだ不動です。特に今回はロドルフォがエレクトリック・アコースティック・ベースに専念、あたたかな音色と縦横無尽な音使いでエリオやトゥチのプレイに絡みつくように演奏していたのが印象的でした。

セットリストは前半が新作からのコーナーといったところでしょうか、「Tudo em Casa」、「O Mar é Mulher」、「Impredor」、「Adeus, Amélia」、ジョアン・ジルベルトに捧げた「Um Abraço do João」などの楽曲が次々ととりあげられました。「Um Abraço do João」の途中で、ジョアンがルイス・ボンファに捧げた1960年代の楽曲「Um Abraço No Bonfá」のメロディが登場するのも、私にはたまらない喜びでした。ギターの爪弾きを伴ったジョイスの歌唱(歌詞を伴う場合も、ワードレスの時もあります)は徹底的に軽やかでさわやか、数々のブラジル音楽家と共にチック・コリアやハービー・ハンコックをフェイヴァリットにあげているアルヴェスのハーモニー感覚の美しさにも聴きほれてしまいます。トゥチのドラムスは一定のリズムを打ち出し続けるというより、ピアノの和音やベース・ラインに反応してアプローチを変えていく感じ。ドラムの縁を叩いたり、かと思えば実に味わい深いブラッシュ・ワークを聴かせたり、実にニュアンスに富んだプレイを聴かせてくれました。

中盤ではボサノヴァ・コーナーと題し「Águas de Março」、「Samba de Uma Nota Só」などを次々と演唱、そこから「Adeus America」(「Adeus,Amélia」とは別の曲)、「O Morro Não Tem Vez」などに続き、気がつくと大定番の「Feminina」が披露される時間がやってきました。最新作『O Mar é Mulher』(海は女性)は、多くの言語で海が女性名詞であることに着想を得て制作された、古典的名盤『Feminina』と呼応する一枚ですので、同アルバムのタイトル曲がラストに選ばれたことで、ライヴ自体がひとつの円として成立しているような印象を個人的には受けました。ブルーノート東京公演は本日まで行われ、明日7月2日にはコットンクラブにて『Feminina』リリース45周年を記念する特別公演も行われます。
(原田 2026 7.1)

Photo by Jun Ishibashi

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【LIVE INFORMATION】

JOYCE MORENO
-O Mar é Mulher-
2026 6.30 tue., 7.1 wed. ブルーノート東京
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JOYCE MORENO
-Celebrating Feminina 45th anniversary-
2026 7.2 thu. コットンクラブ
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