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BUTCHER BROWN

artist BUTCHER BROWN

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

なんと熱気にあふれた、刺激的なステージなのでしょう。ここ数日、2月にしては相当にあたたかな気候が続いていますが、超満員のオーディエンスが発する気迫と、遂に東京のステージに立ったバンド・メンバーのパワーが重なって、実にホットな化学反応が会場内で生まれている感じなのです。

かっこよさ、鋭さ、親しみやすさ、驚愕の演奏力を併せ持つ現代屈指のバンドのひとつ、ブッチャー・ブラウンの来日公演が昨日から始まりました。2013年に自主制作によるファースト・アルバムをリリースし、2020年発表の『#KingButch』からは老舗レーベル"コンコード・ジャズ"から作品を発表。アルバムではニコラス・ペイトン、チャーリー・ハンター、ブラクストン・クック、メラニー・チャールズ、ミア・グラッドストーンなど綺羅星のような面々もフィーチャーしてきたブッチャー・ブラウンですが、今回の公演はゲストを迎えずにインストゥルメンタルで綴る、いわば彼らのコアな姿が満喫できるプログラムです。

そして今回は、さらにラインナップに"面白み"が加わっています。サックスとトランペットの双方で滑らかな即興がおこなえる希少な才能の持ち主(ほかに故アイラ・サリヴァン、スコット・ロビンソンが思いつく程度です)であるテニシュー、"21世紀のブルース・ギターがここにある"と声をあげずにはいられないほど渋く重量感のあるソロやバッキングをこなすモーガン・バース、エレクトリック・ベースとシンセ・ベースを駆使してグルーヴの渦を描くアンディ・ランダッツォ、チーフ・アジュアーやカート・エリングの来日公演で強烈なドラム・プレイを聴かせたことも記憶に新しいコーリー・フォンヴィル(今回はパッドの音色の選択にも目を見張らされました)はもちろん、不動の顔ぶれです。

そうなるとキーボードはDJハリソン、ということになるのですが、なんと今回はサム・フライブッシュがその位置につきます。サムといえば、自身のオルガン・トリオでコーリーやチャーリー・ハンターと共演してきた逸材。デルヴォン・ラマー、アダム・スコーン、ボビー・スパークスIIらと共に、今のオルガン・シーンを面白いものにしている重要人物です。今回の来日公演では、2台の薄型キーボードを駆使しているのですが、なんというのでしょう、音色のヴァリエーションが実に多彩で、数々のヴィンテージ・キーボードの響きも感じながら私はテンションを高めました。サブスティテュートとしての参加という感じでは断じてなく、"サム・フライブッシュ成分の加わったブッチャー・ブラウン"を満喫することができました。

ステージはラスト・ナンバーの手前まで一切MCを挟むことなく、メドレーのように続きます。観客の誰もが、ミュージシャンと同じ時の流れを感じ、彼らと一緒に冒険の旅に出ているような気分になることでしょう。初日ファースト・セットの演目は「Montrose Forest」、「Ibiza」、かつてジョージ・ベンソンも歌ったイヴァン・リンスの古典「Dinorah Dinorah」や、ウェイン・ショーターの瞑想的な楽曲を超ダンサブルに衣替えした「Infant Eyes」など、ニュー・アルバム『Letters From The Atlantic』からのものが約半数を占めていました。さあ、本日以降はどんな楽曲が繰り広げられるでしょうか。リピート必至の公演は26日まで行われます。
(原田 2026 2.25)

Photo by Tsuneo Koga


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【LIVE INFORMATION】

BUTCHER BROWN
2026 2.24 tue., 2.25 wed., 2.26 thu. ブルーノート東京
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