【来日直前インタビュー】ALFREDO RODRIGUEZ | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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【来日直前インタビュー】ALFREDO RODRIGUEZ

【来日直前インタビュー】ALFREDO RODRIGUEZ

互いの音に耳を傾け、信頼し合うことから生まれる自由
鉄壁のトリオが鬼才ペドリート・マルティネスと繰り広げる
唯一無二のセッション

interview & text = Kazunori Harada

「ホテル・カリフォルニア」「ファイナル・カウントダウン」といったロック~ポップスの大ヒット曲に、ジャズ~ラテンのグルーヴを注ぎ込んだ新作『¡Take Cover!』が話題沸騰中。絶好調を更新する俊英ピアニスト、アルフレッド・ロドリゲスが10月12日より来日公演を開催する。これまで数々のプロジェクトでブルーノート東京のオーディエンスを沸かせてきたロドリゲスだが、今回はスワエリ・ムバッペ(ベース)、マイケル・オリヴェラ(ドラムス)との鉄壁のトリオに、鬼才音楽家ペドリート・マルティネス(パーカッション、ヴォーカル)がスペシャル・ゲストとして合流。ラテンの情熱とジャズの即興精神が、鮮やかなテクニックと抜群のエンタテインメント性と共に表現されるステージになることは保証つきだ。

「どのショウでもライヴならではの躍動感や即興性、この場限りの特別な瞬間が生まれてくる。その音楽を日本の皆さんと分かち合えるのを心待ちにしているよ」と語るアルフレッド・ロドリゲスに、来日直前インタビューを試みた。まずはポップで熱いニュー・アルバム『¡Take Cover!』誕生の背景から。

「『¡Take Cover!』というプロジェクトは、実はサウンドチェックの最中に始まったんだ。気に入った曲を即興的なアレンジで演奏して録画し、オンラインで公開していたところ、大きな反響が来た。"いつ、この曲を集めてアルバムを作るの?"という声も多くてね、それならスタジオに入って本格的に作り込んでみようということになった。つまりツアー先でごく自然に始まった試みが、『¡Take Cover!』というアルバムに結実したということだね。選曲に関しては、その多くが僕らのサウンドチェックやライヴ演奏の一部となっていて、同時に、心から深く共感でき、自分なりの個人的な表現を吹き込めると感じられるものばかりを集めた。僕はこれまで、音楽をジャンルで区別したことがない。ジャズ、クラシック、キューバ音楽、ポップス、ロック、映画音楽......心が動かされるものであれば何であれ、それは自分の音楽世界の一部なんだ。
そしてこのアルバムは、僕にインスピレーションを与えてくれた楽曲の数々を、僕自身の音楽的言語やキューバというルーツを通して再構築した作品でもある。演奏するうえで何よりも大切にしたのは、原曲の魂を失わないこと。さらに、アレンジにおいては大胆さを持ちたい、即興演奏の余地も残したいとも考えた。特に思い入れがある楽曲をひとつ挙げるとしたら〈ホテル・カリフォルニア〉になるかな。ペドリート・マルティネスが力強いリズムとヴォーカルで独自の個性を吹き込んでくれたし、あの曲だとすぐに分かる要素を尊重しつつ、楽曲をここまで新たな境地へと押し上げることができた点も気に入っている」

「ホテル・カリフォルニア」といえば、米国ロサンゼルスを拠点とする人気ロックバンド"イーグルス"の大定番(1977年にシングル・カット)。とても印象的なギター・フレーズを持つ同曲が、ギターレス編成のバンドでどう再構築されていくのか、そこもライヴの大きな見どころ・聴きどころとなろう。続いて、公演の同行メンバーについて"他己紹介"してもらった。

「ペドリートと僕は同じ島の出身だけど、音楽的な背景は大きく異なるんだ。僕はクラシック音楽や音楽院での教育を軸に学んできたのに対し、彼はアフロ・キューバン音楽やパーカッション、そしてその伝統について極めて深い知識を持っている。彼の演奏や歌唱で特筆すべき点は、リズム、メロディ、そして感情がすべて密接に結びついていることだね。僕たちは長年にわたり強固な音楽的友情を築いてきたから、共に演奏する際には深い信頼関係と自由な表現が生まれてゆく。
トリオのメンバーであるマイケルとスワエリは共に非常に強烈な音楽的個性を持っていて、それこそ僕の求めているものだ。共に演奏し、ツアーで各地を回り、音楽を練り上げていく長い時間を経て、二人の間には特別な化学反応が生まれた。そうなると、"相手が次に何をするか?"などとは考えなくなる。ただ互いの音に耳を傾け、反応し、信頼しあうだけなんだ。そうした中で生まれた自由も、このトリオを刺激的なものにしていると僕は考えている」

20261012_ALFREDO_image01.jpg Photo by Jun Ishibashi

早いものでモントルー・ジャズ祭(スイス)でのワールド・デビューから20年、名伯楽クインシー・ジョーンズが監修を務めたファースト・アルバム『Sounds of Space』の発表から約15年が経った。クインシーとの日々は、今も彼の胸に深く刻まれている。

「クインシーが僕に教えてくれた最も大切なことのひとつは、常に好奇心を持ち続け、音楽を型にはめない姿勢だった。素晴らしい音楽をただ純粋に素晴らしいものとして認めた、それがどんな出自であろうと関係なくね。その姿勢から僕は多大な影響を受けているし、そうした自由な精神は『¡Take Cover!』にも反映されている。まったく異なる世界観を持つ楽曲を取りあげ、それらを僕自身の音楽的言語の一部として表現しているからね」

来日公演では、新作からの楽曲のほか、ペドリートとのデュオ作『Duologue』や、これまでの作品から選りすぐりのナンバーもプレイされる予定だ。

「コンサートの中心となるのは『¡Take Cover!』の楽曲になるけれど、単にアルバムを再現するだけのショーにはしたくない。キャリアを彩ってきた他の楽曲も演奏するし、ペドリート・マルティネスとの共演では即興演奏が大きな要素を占めるから、どの公演もそれぞれ異なるものになるだろうね。
ブルーノート東京は、人々が本当に音楽を聴くために集まっていると感じられる、とても特別な場所だ。日本の聴衆は演奏の細部まで耳を傾けてくれる。聴衆が音楽の旅に一緒についてきているという信頼感を与えてくれる。そうした環境があると、ミュージシャンとしては、あえてリスクをおかしたり、親密で繊細な演奏をしたりといった自由が持てるんだ。家族のようなミュージシャンたちと一緒に、東京に戻るのが待ちきれないよ!」

LIVE INFORMATION

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ALFREDO RODRIGUEZ BAND
featuring PEDRITO MARTÍNEZ


2026 10.12 mon., 10.13 tue., 10.14 wed.
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/alfredo-rodriguez/

<MEMBER>
アルフレッド・ロドリゲス(ピアノ、ヴォーカル)
ペドリート・マルティネス(パーカッション、ヴォーカル)
スワエリ・ムバッペ(ベース)
マイケル・オリヴェラ(ドラムス)


原田 和典(はらだ・かずのり)
音楽ジャーナリスト。元「ジャズ批評」編集長、米ジャズ誌「ダウンビート」国際批評家投票メンバー。最新刊『モダン・ジャズ』(ミュージック・マガジン)発売中。12月に新著登場予定。
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