【JAM vol.245】KENNY BARRON - interview- | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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【JAM vol.245】KENNY BARRON - interview-

【JAM vol.245】KENNY BARRON - interview-

Interview & text =Mitsutaka Nagira
interpretation = Kyoko Maruyama

美しくて、深くて、豊かな音
ケニー・バロンが語る北川潔の思い出

今年の4月、偉大なベーシストの北川潔が亡くなった。生前、NYを拠点に活動していた北川は日本でも毎年のようにライヴを行なっていた。なかでも30年近くベーシストを務めてきたケニー・バロン・トリオでの公演回数は数えきれないほどだ。その多くはブルーノート東京やコットンクラブで行われた。今回、その両会場での公演に際して、音楽家としてだけでなく、プライベートでも特別な親交があったケニー・バロンに北川との思い出を語ってもらった。このリクエストに対してケニーは「ぜひ潔のことを話したい」と熱く応じてくれた。

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ーーケニーさんの音楽において、優れたベーシストは音楽の中でどのような役割を果たすべきだと考えていますか?

「まずはタイムだね。いいタイムを与えてくれること。それからイントネーション、つまり音程がきちんとしていること。そしてサウンドだね。僕が一緒にやってきたベーシストのほとんどは、美しくて、深くて、豊かな音を持っていた。バスター・ウィリアムス、レイ・ドラモンド、彼らは美しくて豊かな音を持っていた。(北川)潔も同じだったよ。美しくて、深くて、豊かな音。それからスウィングだね。スウィングするフィーリング。彼らはみんなそれを持っていたんだ」

ーーケニーさんが好む"美しい音"というのは、どんな音なのか。あえて言葉にすると、どう表現できますか?

「その音の"深さ"だね。ベーシスト本人の弾き方もそうだし、イントネーションも重要だ。そして、楽器そのものの音や、どうセッティングしているかも重要なんだ。僕はとても深くて、ダークで、温かい音が好きだからね」

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ーーでは、北川潔さんと出会った頃の話を聞かせてもらえますか?

「潔と出会った頃、レイ・ドラモンドが僕のところでベースを弾いていたんだけど、レイがカリフォルニアに戻って、大学で教えることになった。そのときベン・ライリーが、"いい日本人のベーシストを聴いたことがある"と教えてくれたんだ。それで僕は潔に電話して、ギグを頼んだんだよ。僕はそれまで彼の演奏を一度も聴いたことがなかった。だから、僕が初めて聴いたのは、そのギグだったんだ。そして、僕はすぐに彼のことが大好きになった。彼がいなくなったのは本当に寂しいんだ。本当に寂しい。彼は30年近く僕と一緒にいてくれた。30年だよ。いろいろな場所へ一緒に旅をした。僕は潔と演奏するのが大好きだったんだ」

ーー推薦されたとき、北川さんの名前や噂くらいは聞いたことがあったんですか?

「いや、名前さえ聞いたことがなかった」

ーーあなたのようなビッグネームが、名前も知らず、演奏も聴いたことがなかった若手を、推薦されたからといっていきなり起用するってすごい話ですね。

「まあ、賭けではあるよね。でも、ときには誰かの推薦を信じるんだ。僕がディジー・ガレスピーのバンドに入ったときは、ジェームス・ムーディが僕をディジーに推薦してくれた。それで僕はバードランドへ行って、ディジーと話をしたら、彼は僕を雇ってくれたんだ。彼は僕が弾くのを一音も聴いたことがなかった。ムーディの推薦を信じていたんだ。ありがたいことにね」

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ーー北川さんのベースのどんなところが好きでしたか?

「まずはタイムだね。素晴らしいタイムを持っていた。それからサウンド。素晴らしいサウンドだった。もうひとつ、とても大事だったのは、僕の音楽をものすごく早く覚えられたことだね。本当にすぐ覚えた。それに、潔はほとんど譜面を見なかった。一度譜面を見ると、それでもう暗譜してしまっていた。僕にはそんなことはとてもできないよ(笑)。そして、潔はいつだってプロフェッショナルだった。僕らの言い方で言えば、"やるべき仕事をきっちりやる"人。スタジオに来て、やるべきことをやる。そして、それをとても上手くやる。特別に変わったことがあったというわけじゃない。ただ、彼はつねにプロフェッショナルだったんだ。僕の曲に潔を念頭に置いて書いた曲はない。だって何を書いたって、潔なら上手く演奏してくれるとわかっていたから。それこそが僕にとって大事なことだったんだよ」

ーー今回はカノア・メンデンホールと来日します。彼女のことを知ったきっかけは何だったのでしょう?

「カノアのことを教えてくれたのはテリ・リン・キャリントンだったと思う。僕は4週間近くヨーロッパをツアーしていて、帰ってきたばかりだったんだけど、ベーシストを見つけなきゃいけなくなって、かなり慌てて探したんだ。それで二人のベーシストを起用した。ツアーの前半はリンダ・メイ・ハン・オー。それから少し休みがあって、ツアーの後半からカノアが来た。ドラマーはサヴァンナ・ハリスだったね。それがカノアと一緒に演奏した最初だったよ。彼女は本当に素晴らしいベーシストだ。とても、とてもいい。それに彼女はとても謙虚なんだ。そして、すごくシャイなんだよね」

ーー演奏してみて印象はどうですか?

「一緒にやったのはまだ数回だけなんだ。でも、僕に必要なものを彼女が持っていることはわかった。素晴らしいサウンドを持っているし、タイムもいい。それに僕らはすごく気が合った。本当にうまくやれたよ。だから11月のブルーノート東京とコットンクラブは彼女とやることにしたんだ。日本のリスナーにはぜひ会場に来て、楽しんでほしい。僕にとっても新しいものになるから。カノアとジョナサン(・ブレイク)はこれまで一緒に演奏したことがないと思う。つまり、僕ら全員にとって新しい経験になる。だから僕も楽しみにしているよ」

LIVE INFORMATION

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KENNY BARRON TRIO

2026 11.23 mon., 11.24 tue., 11.25 wed.
11.23 mon.
[1st]Open3:30pm Start4:30pm [2nd]Open6:30pm Start7:30pm
11.24 tue., 11.25 wed.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/kenny-barron/

<MEMBER>
ケニー・バロン(ピアノ)
カノア・メンデンホール(ベース)
ジョナサン・ブレイク(ドラムス)

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