1944年、ジャマイカのキングストン生まれ。4歳からピアノを始め、9歳の時にはピアノ奏者エディ・ヘイウッド（ビリー・ホリデイと共演。「カナダの夕陽」の作曲者としても知られる）の前で演奏、その後ピアノ奏者/歌手のナット・キング・コール、トランペット奏者/歌手のルイ・アームストロングのジャマイカ公演等に接してジャズに魅せられた。14歳ごろ地元のクラブへの出演を始め、58年から60年にかけては自身のバンド"モンティ・アンド・ザ・サイクロンズ"でも活動。メンバーには生涯の盟友となるギター奏者アーネスト・ラングリン、のちにスカタライツの結成に関わるトロンボーン奏者ドン・ドラモンドもいたという。

　61年に入ると米国フロリダ州に渡り、62年にはフランク・シナトラ行きつけのNYのバー「ジリーズ・サルーン」のハウス・ピアニストに。64年にはピアノ奏者/歌手のレス・マッキャン（昨年12月に他界）の推薦で初リーダー・アルバム『アレキサンダー・ザ・グレイト』を制作した。つまり2024年のモンティは、満80歳＋アルバム・デビュー60周年のダブル・アニバーサリーとなる。

　70年代にはジョン・クレイトン（ジェラルド・クレイトンの父）を擁するバンドを率い、80年代にはハーブ・エリス、レイ・ブラウン（いずれも元オスカー・ピーターソン・トリオのメンバー）とのユニットも話題に。また、スティール・パンを加えた"アイヴォリー＆スティール"、レゲエ界最高峰のリズム・セクションであるスライ＆ロビーとのプロジェクト、長年にわたって続けているボブ・マーリーへのトリビュート等でも話題を集めてきた。カリビアン・ルーツと、ピーターソンに通じるゴージャスなジャズ・ピアノ・プレイが一体となって熟成し、さらに芳醇な"モンティ・ミュージック"を創り出しているのが現在の彼だ。

　来日公演では、最新作『D-Day』からのナンバーもたっぷり聴かせてくれることだろうし、ルーク・セリック（ベース）やジェイソン・ブラウン（ドラムス）といった次世代ミュージシャンとの"音の会話"がどうライヴで広がってゆくのかにも期待が高まる。また、トリオ公演に先立つ4月29日と30日には、ブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラの公演にゲストとして登場。小編成のバンドを中心に活動してきたモンティと大編成楽団との共演は非常に珍しいといっていい。豊穣な響きを持つジャズ・オーケストラと、ピアノをオーケストラのように操る魔術師モンティとの共演----- 考えるだけでもわくわくしてくるではないか。

RELEASE INFORMATION

『D-Day』
(PeeWee Records)

LIVE INFORMATION

Celebrate "International Jazz Day"
with ブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラ
directed by エリック・ミヤシロ
with special guest モンティ・アレキサンダー

2024 4.29 mon., 4.30 tue.
4.29 mon.
[1st]Open3:30pm Start4:30pm　[2nd]Open6:30pm Start7:30pm
4.30 tue.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm　[2nd]Open7:45pm Start8:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/monty-alexander-bnt-all-star-jazz-orchestra/

＜MEMBER＞
エリック・ミヤシロ（トランペット、コンダクター）
モンティ・アレキサンダー（ピアノ）※スペシャル・ゲスト
本田雅人（サックス）
小池修（サックス）
鈴木圭（サックス）
米澤美玖（サックス）
渡邉瑠菜（サックス）
小澤篤士（トランペット）
具志堅創（トランペット）
山崎千裕（トランペット）
宮城力（トランペット）
中川英二郎（トロンボーン）
半田信英（トロンボーン）
阿部史也（トロンボーン）
小椋瑞季（トロンボーン）
宮本貴奈（ピアノ）
川村竜（ベース）
川口千里（ドラムス）

モンティ・アレキサンダー
"The 80th Birthday Nights' Celebration"

2024 5.1 wed., 5.2 thu.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm　[2nd]Open7:45pm Start8:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/monty-alexander/

＜MEMBER＞
モンティ・アレキサンダー（ピアノ）
ルーク・セリック（ベース）
ジェイソン・ブラウン（ドラムス）