【JAM vol.224】EMMET COHEN TRIO | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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【JAM vol.224】EMMET COHEN TRIO

【JAM vol.224】EMMET COHEN TRIO

text= Kenichi Aono

ストライド・ピアノからコンテンポラリーまでを
シームレスにつなぐ屈指のピアニスト

 ニューオーリンズの「オリジナル・デキシーランド・ジャス・バンド」(のちに「ジャス」を「ジャズ」に改称)が世界初のジャズ・レコードを録音、発表したのが1917年。これを起点としても100年以上の歴史を持つジャズは、時代が進むにつれて変化し発展していったわけだが、演奏を通じてその道のりを感じさせてくれる稀有な存在がピアニスト、コンポーザーのエメット・コーエンだ。

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 2011年の「セロニアス・モンク・ジャズ・インターナショナル・コンペティション」でファイナリストとなり、同年『In The Element』でアルバム・デビュー。2016年からは、ジミー・コブ、ロン・カーターといったジャズ・レジェンドをフィーチャーしてアートフォームとしてのジャズを掘り下げ、作品としてリリースするプロジェクト「マスター・レガシー・シリーズ」をスタート。近年では『フューチャー・ストライド』(2021)、『アップタウン・イン・オービット』(2022)の2作をソロ名義で発表している。また、新型コロナウイルスのパンデミック下の2020年3月には「Live From Emmet's Place」と銘打った、自身のトリオ(ベースはラッセル・ホール、ドラムスはカイル・プール)と多彩なゲストによるライヴ・パフォーマンスをハーレムの自宅から毎週配信するプログラムを開始。感染症への恐怖とロックダウンに沈む人々に生の音楽の高揚感を提供したことも大きな話題となった。

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 「マスター・レガシー・シリーズ」で先人たちへの大いなるリスペクトを今の時代のセッションとして提示したエメット・コーエンだが、近年のアルバム『フューチャー・ストライド』、そして『アップタウン・イン・オービット』ではジャズの誕生にも大いに関係しているプレ・ジャズ期の音楽「ラグタイム」から派生しハーレムで注目を集めた奏法であるストライド・ピアノを取り入れ、それを極めてコンテンポラリーなサウンドに昇華している。と、こうして文章にするのは簡単だが、音楽としてプレゼンテーションするのは柔軟な発想とそれを支える確かな技術があってこそ。誰にでもできるアプローチではないのである。ベースにフィリップ・ノリス、ドラムスにカイル・プールを迎えたトリオ編成となる今回のブルーノート東京公演でも、100年を超えるジャズの歴史を現在進行形で感じさせる演奏を披露してくれるにちがいない。

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LIVE INFORMATION

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エメット・コーエン・トリオ

2023 11.27 mon., 11.28 tue., 11.29 wed.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/emmet-cohen/

<MEMBER>
エメット・コーエン(ピアノ)
フィリップ・ノリス(ベース
カイル・プール(ドラムス)

*Jam Session会員限定スペシャル企画
会員ご本人+1名様までミュージック・チャージを半額とさせていただきます。
ご予約はお電話で承ります。(03-5485-0088

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