挾間美帆、ワンナイトカクテルに込められた想い | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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挾間美帆、ワンナイトカクテルに込められた想い

挾間美帆、ワンナイトカクテルに込められた想い

[MONTHLY BEST CHOICE | SPECIAL MARCH MENU]THIS MONTH'S SPECIAL MENU "ワンナイト カクテル"が紡ぐ、アーティストの思い

 バーテンダーが公演アーティストをイメージして作り上げる「ワンナイト カクテル」。 作曲家の挾間美帆さんの公演当日に、バーテンダー五十嵐康輔と語り合い、名付けるシーンをレポート。 この 2月に一新したドリンクメニューのラインナップも、どうぞお楽しみください。

photogaphy = Michika Mochizuki
interview & text = Tomoko Kawai

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ONE NIGHT COCKTAILDancing in Forest

ニュー・アルバムの音色から想起した、一夜限りのカクテル

挾間 最近、ウイスキーがマイブームなんです。ニューヨークでも、定期的に友人たちとウイスキー会を開いているほど(笑)。今回は、ウイスキーベースのカクテルと聞いて、ワクワクしています。

五十嵐 ベースに選んだのは、日本のシングルモルトウイスキー「白州」です。

挾間 日本のシングルモルト、ニューヨークでは貴重品です(笑)。飲むと、日本に帰ってきたんだなーって実感しますね。

五十嵐 普段はどんなお酒を?

挾間 ワールドツアーで訪れた土地それぞれのお酒を飲むのが好き。ポーランドの音大生と飲んだウォッカや、ドイツのホットワインなど、競演した方々との思い出とお酒の味が重なっています。

五十嵐 ジャズ・ミュージシャンは、お酒好きの方が多いですよね。

挾間 世界中でさまざまなミュージシャンとお仕事をしますが、音楽以外で共通の話題といえばお酒やスポーツ。お酒はビールやワイン、スポーツはヨーロッパならサッカーで、アメリカでは野球。演奏者とコミュニケーションを取りたいので、スマートフォンにアプリを入れて情報収集しているんです(笑)。

五十嵐 知られざる意外な一面ですね。(カクテルを運びながら)アルバム『ダンサー・イン・ノーホエア』のジャケットがダークグリーンだったので、表現したいと思って名付けました。このカクテルは、リンクするように淡いグリーンのカクテルにしました。

挾間 わぁ、想像と違うものが来た!前回の公演時のアーティストカクテルは、スタウトビールとアイラウイスキーを使った漆黒のカクテルでしたね。今夜の一杯は、淡くて可憐。爽やかな色合い。

五十嵐 挾間さんの新作アルバムを聴きながら、試行錯誤して創り上げました。弦楽器やマリンバなどアコースティックな音色が印象的だったので、「木」のつながりでシナモンやスパイスを香らせて。グリーンのカラーや生い茂る木の葉をイメージして、ミントを添えました。

挾間 顔を近づけると、スパイシーな香りとミントの爽快感が広がる。この香りは、しょうが?

五十嵐 挾間さんがお好きだと聞いて、しょうがとアニス、唐辛子などを入れた自家製シロップを作りました。氷が溶けないうちに、どうぞ。

挾間 あ、りんごの香り。そこに、生のしょうがのフレッシュ感。ピリッとした刺激がいいですね。

五十嵐 りんごジュースも、自家製です。

挾間 冷たいカクテルなのに、冬っぽい温かみがあります。かわいい見た目だけど、白ワインの酸味が効いていて甘さはひかえめ。ミントの香りは強すぎず、ほのかに香る。とても好みです。

五十嵐 アルバム全体を通して、複雑な楽曲が多いので、香りや味わいもあえて複雑にしました。

挾間 新作アルバムのタイトルチューンを直訳すると"どこでもないところで踊っている人"。怒りや喜びや悲しみといった言葉で表せない複雑な感情が自分の中で大きくなっていって、それを音楽で表現したいと思って名付けました。このカクテルは、その答えを出してくれそうな、気持ちのいい味わい。

五十嵐 では、ネーミングをお願いします。

挾間 アルバムタイトルにかけて、「Dancing in Forest」かな。

五十嵐 森の中で、踊っている...?

挾間 みずみずしくて、踊り出したくなるようなカクテル。私の中のどうしようもない感情をうたった曲を、すごく爽やかに解釈してもらったみたい。

五十嵐 ありがとうございます。飲み物を出す側としては、挾間さんのそんな思いを、カクテルを通してファンのみなさまにお伝えできれば。一杯のカクテルが、アーティストの世界観への理解を深めていくきっかけになってくれれば光栄です。

挾間 今夜の公演中に、そんなお話をしてみますね。

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挾間美帆 (はざま・みほ)
1986年生まれ。作曲家/ピアニスト。2008年の山下洋輔のオーケストレーションを担当し注目される。2010年に渡米、マンハッタン音楽院大学院を経て現在もNY在住。東京フィル、大西順子、坂本龍一らに楽曲・編曲を提供する。
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五十嵐康輔 (いがらし・こうすけ)
2002年ブルーノート東京入店。バーテンダー。シェフの影響で、料理のように食材と向き合うカクテル作りを開始する。現在、"ワンナイトカクテル"として出演者をイメージした、アーティストカクテルを計500品以上創り続けている。
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THIS MONTH'S SPECIAL MENU

2 月からスタート!
この春夏にお楽しみいただけるワンナイト カクテルはこちら。


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Vanessa Williams

Comfort Zone
コンフォート ゾーン

¥1,900(税サ込)

蜂蜜レモネードの甘酸っぱさとシャルトリューズの優雅な味わいが広がるスパークリングカクテル。



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Roy Hargrove

Fruit Loop
フルーツ ループ

¥1,663(税サ込)

ロイがショウ後に飲んでいたミックスジュースをアレンジ。ヨーグルトとローズマリーがカクテルの輪郭をより引き立たせます。



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GoGo Penguin

Ocean In A Drop
オーシャン イン ア ドロップ

¥1,782(税サ込)

クラフトジンをベースに、生姜とレモングラスの爽やかな風味とパルフェタムールの深い甘みが絶妙に混ざり合う一杯。



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Maceo Parker

Good Times Roll
グッド タイムズ ロール

¥1,782(税サ込)

ブランデーに爽やかなパッションフルーツとリンゴの香りが広がるファンキーな特製ミントジュレップ。



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