2026 10.1 thu., 10.2 fri., 10.3 sat.
YELLOWJACKETS
artist YELLOWJACKETS
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
約45年の歴史を誇る超名門ユニット、イエロージャケッツが本当に久しぶりにブルーノート東京で公演中です。顔ぶれはオリジナル・メンバーのラッセル・フェランテ(ピアノ、キーボード)、1990年からフロントマンを務めるボブ・ミンツァー(テナー・サックス、EWI)、一度グループを離れたものの2010年に戻ってきたウィリアム・ケネディ(ドラムス)、2015年に加入したグループ最年少のデイン・アルダーソン(エレクトリック・フレットレス・ベース)。不動の顔ぶれで十年以上も活動している4人が、磨きあげ、育んできた"イエロージャケッツ・サウンド"を目の前で楽しめるのは至福のひとときといっていいでしょう。しかも、アルバム『Fasten Up』がグラミー賞の最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・アルバムにノミネートされた、その余韻が残る中でのステージなのです。
オープニングは1998年発表の人気盤『Club Nocturne』からの「Spirit Of The West」。そこでソプラノ・サックスを奏でていたミンツァーが、今回はテナーに持ち替えて、優しくも力強い音色でメロディを奏であげていきます。フェランテもキーボードのパートよりもピアノ演奏を重視して、全体的に滋味深さ、味わいが格段に増した印象を受けました。"ライヴによって楽曲が成長・熟成していく"という現象の、とても美しい姿に出会った感じです。続く、これも十八番の「Dewey (For Miles)」では、ミンツァーがEWIを演奏。マイルス・デイヴィスのミュート・トランペットを意識したような音色を出しながらフレーズを提示していきます。ラッセルがキーボードから導き出す和音も、いかにもマーカス・ミラー・プロデュースのマイルスのアルバムに出てきそうなミステリアスな響きです。
この2曲で彼らの持つ幅広い音楽性を再認識させられた後、飛び出したのは2010年代からのレパートリーである「Tenacity」。題名には"粘り強さ"とか"不屈の精神"という意味がありますが、それこそがイエロージャケッツ持続の秘訣なのかもしれません。モダン・ジャズへの深い愛情を感じさせる曲調を持つナンバーで、複数のフロア・タムを効果的に用いたケネディのダイナミックなドラム・ソロにも大きな拍手が巻き起こりました。ケネディはまた、最新アルバムのタイトル曲「Fasten Up」でも驚愕もののプレイを披露。爆裂するような音量で叩いても、思いっきり抑えて叩いても、同じように音色の粒が揃っているのは、すなわちこれ名人中の名人である証しです。しかもアルダーソンとのコンビネーションが抜群に良く、トリッキーな"キメ"を何度も含む「Fasten Up」は、ベースとドラムスの見事な呼応がいかに現イエロージャケッツの大きな魅力につながっているかを証明しました。
後半も、アイルランドの舞曲"ジーグ"を思わせる急速調の「Freda」、40年来のキラーチューンである「Revelation」を立て続けに演奏、豊かな歴史を持つグループだからこそのソングブックで満員のオーディエンスを沸かせに沸かせました。公演は3日まで行われます!
(原田 2026 10.2)
Photo by Tsuneo Koga
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