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THE MILES DAVIS CENTENNIAL CELEBRATION with THE MILES ELECTRIC BAND

artist VINCE WILBURN JR.

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

遂にこの日がやってきました。マイルス・デイヴィス"奇跡のカムバック"のキーマンとなったドラマー、ヴィンス・ウィルバーン・ジュニアが率いるマイルス・エレクトリック・バンドの生誕100周年記念来日公演です。マイルスの甥にあたるヴィンスは1980年にキーボード奏者のロバート・アーヴィング3世らとファンク・バンド"RL7"を結成したドラマー。ヴィンスが聴かせた"RL7"の音源に、マイルスが好印象を抱いたことが、結果的に1981年の歴史的な再起につながっていくのです。ヴィンスが参加したマイルスの作品には『The Man With The Horn』、『Decoy』、『You're Under Arrest』、『Aura』などがあります。

マイルス・エレクトリック・バンドは2003年にオリジナル・ナンバーを主体としたアルバム『That You Not Dare To Forget』をリリースしていますが、今回のライヴでは50年代から80年代にかけてのマイルス楽曲のリメイクをたっぷり楽しむことができます。公演初日のメンバーはヴィンス、ダリル・ジョーンズ(ベース、1993年からローリング・ストーンズのサポートも)、ジャン=ポール・ブレリー(ギター)、ムニャンゴ・ジャクソン(パーカッション)というマイルス・バンドのレコーディングやツアーに参加経験のあるベテランたち、そしてDJロジック(ターンテーブル)、キーヨン・ハロルド(トランペット)、アントワン・ルーニー(カーヴド・ソプラノ・サックス、テナー・サックス、バス・クラリネット)、グレッグ・スピーロ(キーボード)。さらにこの日のみのゲストとして安部潤(ピアノ、キーボード)が加わりました。

DJロジックが再生する"生前のマイルスの声"を間に挟む形で続くライヴ・パフォーマンスはまさしく圧巻。ヴィンスとダリルのコンビネーションはまさに"重量級"という感じ、ブレリーはソリストとしてはもちろん、「Selim」ではワードレス・ヴォーカルも堪能させてくれました。「Jack Johnson」、「Decoy」、「Time After Time」などヴィンスがマイルス・バンドに在籍していた頃のレパートリーが聴けたのは予想通りの嬉しさでしたが、オヤと唸らされたのは「Blue In Green」や「On Green Dolphin Street」などアコースティック期のレパートリーが、グレッグをフィーチャーしながら、実に端麗に演奏されたこと。オープンとミュートを使い分けて輝かしいトランペット・ブロウを繰り広げたキーヨン・ハロルドは、マイルスをモデルにした劇映画『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間』の吹き替えを担当していた奏者ですが、向かうところ敵なしという感じで音が高らかに出ていて、しかも"次はどんなフレーズが出てくるのだろう"的なスリルも与えてくれます。「マイルスは自分自身を表現した。だから俺も自身をたっぷり表現する。それが本物の敬意だ」という声が聞こえてきそうな、胸のすくようなプレイでした。

絶好調のまま初日を終えたマイルス・エレクトリック・バンドですが、本日の公演からはロバート・アーヴィング3世も参加。つまり『You're Under Arrest』に参加していたヴィンス、ロバート、ダリルが揃った姿を目の前で見ることができます。マイルス生誕100年、そしてあと数日で祥月命日という時に行われる、飛び切りのセレブレイションをぜひご堪能ください。公演は23日まで!
(原田 2026 9.22)

Photo by Takuo Sato

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【LIVE INFORMATION】

THE MILES DAVIS CENTENNIAL CELEBRATION
with THE MILES ELECTRIC BAND
2026 9.21 mon., 9.22 tue., 9.23 wed. ブルーノート東京
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