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THE RESIDENTS:ESKIMO

artist THE RESIDENTS

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

半世紀以上にわたってファンを謎めいた世界に案内し続ける粋な集団、ザ・レジデンツの来日公演が昨日から始まりました。私が彼らの世界に初めて触れたのは忘れもしない、『George & James』というアルバム。ジョージ・ガーシュウィンの楽曲カヴァーを前半に、ジェイムズ・ブラウンが比較的初期に残した汗と魂の名盤『Live at the Apollo』の(彼らなりの)再現を後半に収めた一枚で、そのパートでの"電気仕立ての疾走感"というべき音作りは、疑いなく自分の視野を広げてくれました。

ザ・レジデンツがブルーノート東京に初めて登場したのは2017年の3月ですから、今回は9年半ぶりの再訪ということになります。公演テーマは"ESKIMO"。約3年の製作期間を経て1979年に発表された力作『ESKIMO』の、アップデイト版をライヴで届けてくれるのです。ザ・レジデンツはこの試みに、昨年から取り組んでいます。

アルバム『ESKIMO』の構想は、初期のザ・レジデンツに関わっていたというN・セナダというキャラクター(1907年生まれ、93年死去という設定)が北極圏で記録したという演奏や音にザ・レジデンツが触発されたことから始まったようです。それから47年を経た、今回のライヴ・ステージではまず『ESKIMO』のおおまかな説明がスクリーンに映し出され、そのあとN・セナダが目の前にあらわれてフリーキーな無伴奏サックス演奏、詩の朗読(だと思います)で耳目をさらいます。ここで"N・セナダは実は生きているのか!"と観客に新たな謎が提示されるのです。

N・セナダが去った後、3名がバンドスタンドに向かいます。かつては"シルクハットかぶった目玉親父ふう"だったり、オニオオハシのようなクチバシをつけた「顔」で魅了してくれたメンバーですが、今回は全体がモフモフで、私の第一印象は"ムックが真っ白になった感じ"です。毛の内側にあるメガネの両横には光を出すところがついており、それがちょっと目からビームを放っているようにも思えてきて、ますますこちらの気分は高まっていきます。3名はそれぞれシンセサイザーの前で立って演奏や歌唱をおこない(両端のふたりはマレット対応の楽器を使っていたようです)、牛柄スーツのよく似合うキャラクター(先のN・セナダに通じるしゃがれ声の持ち主)が少し遅れて加わって、スクリーンにうつし出されるモノクロ・サイレント映画のような雰囲気の映像とともに、『ESKIMO』の世界へとどんどん引き込んでいきます。「The Walrus Hunt」、「Arctic Hysteria」、「The Angry Angakok」などオリジナル・アルバムからの曲はすべてプレイされ、ほか、「The Skeleton at the Bottom of the Sea」(海底のガイコツ)など2025年公演から加わったレパートリー、ファンキーな「Diskimo」なども加わって、オーラスでは1978年リリースの「Sinister Exaggerator」がとりあげられました。音が消え、場内が明るくなると、夢からさめたような気分になったのは私だけではないはずです。

ザ・レジデンツの公演は明日まで続きます。シアトリアルなライヴ展開は、演劇やインスタレーションを愛する方、およびそれに取り組んでいる方にも感銘やヒントを与えてくれることでしょう!
(原田 2026 9.8)

Photo by Great The Kabukicho

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【LIVE INFORMATION】

THE RESIDENTS:ESKIMO
2026 9.7 mon., 9.8 tue., 9.9 wed. ブルーノート東京
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