LIVE REPORTS

ARTIST ARCHIVES

MONTHLY ARCHIVE

VIDEO ARCHIVES


Avishai Cohen Residency at Blue Note Tokyo / AVISHAI COHEN NEW TRIO

artist AVISHAI COHEN

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

ベース演奏、作曲、バンド・リーダー、そのすべてにおいて傑出した存在であるアヴィシャイ・コーエンが、彼自身"日本でのホーム"と語るブルーノート東京に帰ってきました。しかも今回は5デイズ、10セットに及ぶレジデンシー公演です。6日と7日はイタイ・シムホヴィッチ(ピアノ)とエヴィアタール・スリヴニク(ドラムス)と結成したニュー・トリオ、8日、9日、10日はさらにユヴァル・ドラブキン(サックス)、ヨナタン・ヴォルチョク(トロンボーン)を加えたクインテットによる演奏が繰り広げられます。

アヴィシャイはこれまで、自身のバンドにシャイ・マエストロ、ニタイ・ハーシュコヴィッツ、エルチン・シリノフ、マーク・ジュリアナ、ロニ・カスピなど数々の才人を擁してきました。その彼が新メンバーに起用した面々なのですから、それだけで期待が高まる一方です。結果として私は今回もアヴィシャイの慧眼にノックアウトされることになりました。シムホヴィッチは弱冠21歳だそうですが、その楽想からは、まさにフレーズとイマジネーションの宝庫という印象を受けました。しかも単音でポンと弾いたときの音の鳴り方がもう、会場の隅々にまで充満するような感じで"通る"のです。スリヴニクは、ダイナミクス(メリハリ)の達人という風で、スティックやブラッシュと、シンバルやタムとの関係を追求しながら演奏している印象です。静寂と炸裂の切り替わりは、私の耳を大いに潤しました。

若手二人の間で、アヴィシャイが力強く立ち、演奏します。彼がリーダーということもあってベースがメインに出ることも少なくないのですが、いわゆるベース・ソロに相当するパートであっても、ひとつひとつのフレーズが"曲の一部"として機能していると感じられましたし、いうまでもなく指弾きも弓弾きも音程が抜群に良いので、ピアノとの超絶的なユニゾン・パートもまさに一糸乱れぬ様子、"ベースの胴体を叩き+弦をスラップ気味に弾き+別の弦を開放で鳴らす=まるで複数のベーシストと打楽器奏者が同時にパフォーマンスしているような演奏ぶり"が満喫できたのも大きな収穫でした。初日ファースト・セットの演奏曲目は、発売が楽しみな新作からのものに加えて06年のアルバム『Continuo』からの「Ani Maamin」、22年のアルバム『Shifting Sands』からの「Hitragut」等。ベース、ピアノ、ドラムスの音に包まれる快感を味わいました。

ところで、今年で生誕100年を迎えるマイルス・デイヴィスが起用した数多くの気鋭の中に、若きチック・コリアがいました。そのチックが90年代に若きアヴィシャイを音楽シーンに広く紹介し、そして今、アヴィシャイが、現在の若手気鋭と共に、素晴らしくおおらかでロマンティックな音世界を繰り広げています。こうしたフックアップの継承がジャズ界を豊かにしているのだ、と、私は胸が熱くなりました。充実のアヴィシャイ公演、ぜひ足をお運びください!
(原田 2026 2.7)

Photo by Makoto Ebi


―――――
【LIVE INFORMATION】

Avishai Cohen Residency at Blue Note Tokyo
AVISHAI COHEN NEW TRIO (2026 2.6 fri., 2.7 sat.)
AVISHAI COHEN QUINTET (2026 2.8 sun., 2.9 mon., 2.10 tue.)
詳細はこちら

SET LIST

coming soon

INDEX