- INCOGNITO
- DON WAS & THE PAN-DETROIT ENSEMBLE
- THE BRECKER BROTHERS BAND REUNION celebrates Randy's 80th Birthday! featuring Randy Brecker, Ada Rovatti, George Whitty, Barry Finnerty, Will Lee & Rodney Holmes
- YUSUKE SASE "BELLOWS" featuring Kei Koganemaru, Kota Kaihori, Kazuki Arai & Shu Akimoto / Guest:ermhoi
- JULIUS RODRIGUEZ, TOMOAKI BABA, SHUN ISHIWAKA, MARTY HOLOUBEK
2025 9.29 mon., 9.30 tue., 10.1 wed.
INCOGNITO
artist INCOGNITO
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
「Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN 2025」で大観衆を沸かせたインコグニートが、昨日から会場をブルーノート東京に移して熱演中です。
リーダーのブルーイが「このあいだのフェスにも来てくれた人は?」と尋ねると、超満員の観客から手があがります。そして「初めてインコグニートのライヴに来た人は?」と尋ねると、さらに多くの手があがりました。活動46年を迎え、ますます新規ファンを取り込んでいるスーパー・ユニット、それがインコグニートなのです。
「パーティーはまだまだ続くぞ」という声から間髪を入れずに始まったのは、2023年のアルバム『Into You』からの「Nothing Make Me Feel Better」。ジョイ・ローズ、ゼビュロン・エリス、クレオ・レイン・スチュワート全員のヴォーカルをフィーチャーした楽曲です。続く「1975」ではジョイ、この7月にリリースされたシングル「Stranger Become Friends」ではゼビュロンと、これまでのインコグニート公演でもおなじみの実力派がリード・ヴォーカルをとりましたが、恵まれた声量と幅広い声域を生かして「Everyday」を歌ったクレオもまた、逸材です。これまでナイル・ロジャース、シスター・スレッジ、ユーリズミックス、オマーなどと共演、アレサ・フランクリンやティナ・ターナーへのトリビュート・ライヴでもリード・ヴォーカルを務めたキャリアを持つ彼女もまた、大きな存在感を放っていました。
ライヴ中盤に必ずといっていいほどプレイされる「Colibri」では今回、アンディ・ロス(サックス)、トレヴァー・マイアズ(トロンボーン)、ライアン・クィグリー(トランペット)らホーン・セクションのソロも味わうことができました。「1993」では、近年のインコグニートに欠かせない存在であるキーボード奏者のキッコ・アロッタがリード・ヴォーカルをとり、ブルーイとチャーリー・アレンのツイン・ギターが彩り豊かなバッキングを加えます。
「我々が最も影響を受けた音楽家、スティーヴィー・ワンダーの曲をお届けしよう」という前振りから始まったのは、「Don't You Worry 'Bout A Thing」と「As」。いうまでもなくスティーヴィーの代表曲ですが、インコグニートのレパートリーとして最初に認識した方もどんどん増えているのではないでしょうか。なかでも「As」でのゼビュロンは文字通り入魂の歌唱、いろんな比喩を使いながら"いつまでもあなたを愛し続ける"と深く歌いこんでいくさまは絶品でした。そしてラストは、振り付けも交えた「Morning Sun」。来年1月の来日も決定したばかりですが、いま現在の、このラインナップによる充実ぶりを、目と耳に焼き付けていただけたらと思います。公演は明日まで行われます。
(原田 2025 9.30)
Photo by Jun Ishibashi
―――――
【LIVE INFORMATION】
coming soon