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JOHN SCOFIELD TRIO

artist JOHN SCOFIELD

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

当意即妙、以心伝心、自由闊達、融通無碍、一気呵成・・・そのどれもがぴったり当てはまる、とてつもなく風通しのいいライヴでした。ジョン・スコフィールド、ヴィセンテ・アーチャー、ビル・スチュアートからなる最高峰トリオが、アルバム『アンクル・ジョンズ・バンド』を携えて6月3日から5日にかけて公演し、超満員のブルーノート東京をこれでもかと沸かせたのです。

ジョンの来日は2019年の"コンボ66"(上記の3人に鍵盤奏者のジェラルド・クレイトンが参加)以来、5年ぶり。コンボ66ではジョンとジェラルドのインプロビゼーションの対比も聴きものでしたが、今回のトリオによるステージでは、とにかく猛烈に弾いて弾いて弾きまくるジョンの姿が印象的でした。アドリブ・フレーズは「尽きることがない」という表現がふさわしい、実に起伏に富んだもので、彼がいかにモダン・ジャズの管楽器奏者を聴きこんできたかを遺憾なく示すビ・バップ調のフレーズ、鮮やかなアルペジオ、幻想的なコード・プレイはもちろん、チョーキングやルーパーを用いたアプローチも取り入れながら、長尺の即興ソロを勢いたっぷりに聴かせます。アドリブの展開があまりにも面白いので、「次のコーラスではどうなるのだろう」、「このフレーズから次はどう展開していくのだろう」と、ワクワクする気分が止まりません。

そこにヴィセンテが図太い音色で絡みつき(あの右手人差し指の動きは、ウッド・ベース志望者にとって羨望の的となることでしょう)、ふたりの弦楽器奏者が紡ぎ出すメロディやコードをビルが懐の大きなドラム・プレイでプッシュすると、そこに生まれるのは"熱狂"です。会場の音響も迫力に富み、低音の鳴りは特に圧巻でした。ステージ上にいるのは確かに3人なのですが、PAの魅力も相まって、スケールが大きく、ワイルドで、ディープなトリオ・ミュージックを満喫することができました。

私が足を運んだ2日目のステージは、ファースト・セットもセカンド・セットも重複なしのセットリストで行われました。ファーストのオープニングは、なんとセロニアス・モンク作「Blue Monk」。ジョンはこのシンプルなテーマ・メロディを、ヴィセンテと、なんともいたずらっぽいハーモニーを描きながら演奏します。かと思えばチャーリー・パーカー作の「Confirmation」では、ギターとドラムによる猛烈な掛け合いがクライマックスを生み出しました。昨年亡くなったカーラ・ブレイの楽曲「Lawns」における2ビート調のアレンジも卓抜でしたし、もちろん『アンクル・ジョンズ・バンド』からのナンバーも「Mo Green」、「Tambourine Man」、「TV Band」など、満喫することができました。「圧倒的なジャズを体験してしまった」と、オーディエンスの誰もが驚嘆したに違いありません。

(原田 2024 6.4)
photo by Tsuneo Koga


【LIVE INFO】
JOHN SCOFIELD TRIO
2024 6.3 mon., 6.4 tue., 6.5 wed.

詳細はこちら

SET LIST

2024 6.4 Tue.
1st
1. BLUE MONK
2. MO GREEN
3. CONFIRMATION
4. LAWNS
5. UNTITLED
6. MASK
 
2nd
1. HOW DEEP
2. GREEN TEA
3. AIREGIN
4. NOTHING IS FOREVER
5. UNTITLED
6. STAIRWAY TO THE STARS
7. BAG
8. MASK
EC. IDA LUPINO

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