ブルーノート東京初登場、キザイア・ジョーンズ | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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ブルーノート東京初登場、キザイア・ジョーンズ

ブルーノート東京初登場、キザイア・ジョーンズ

キャリア20数年にしてブルーノート東京初登場
"ブルーファンク"を表現する鬼才、キザイア・ジョーンズ

 5年ぶりのアルバム『キャプテン・ラギッド』がロング・セラー中。ブルース、ファンク、アフロビートを融合させた"ブルーファンク"を表現する鬼才、キザイア・ジョーンズがキャリア20数年にして初登場を果たす。公演に向けて、過去の重要作品とともにその魅力をライターの佐藤英輔氏が解説する。

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自ら名乗るは、ブルーファンク。
ストリートから衝撃的にデビュー

『Blufunk Is a Fact!』(Delabel France)

 キザイア・ジョーンズがデビューしたのは、1992年。世はリヴィング・カラーのブレイクに端を発するブラック・ロックのブームが吹き荒れていたとき。仏ヴァージン・レコードの傘下レーベルであるデラベルから送り出されたデビュー作『ブルーファンク・イズ・ア・ファクト』はその流れとともに多大な話題を呼び、彼は一躍世界的な存在となった。自らアルバム表題に冠した"ブルーファンク"とはブルースとファンクを重ねた造語だが、それはディープな情念と肉体的なファンクネスを掛け合わせた彼の表現をまさしく言い当てる言葉。そんなキザイアが他のロッカーやファンカーと大きく異なるのは、ナイジェリア人であること。資産家の家系に生まれた彼は少年期から英国のパブリック・スクールに通ったものの、音楽に熱中しドロップアウト。そして、パリで路上演奏していて認められ、CDデビューの機会を得た。

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鋼の肉体から送り出される、
無駄なものを削いだ、衝撃的ライヴ

『BLACK ORPHEUS』(Delabel France)

 キザイア・ジョーンズの根っこにあるのは、生一本のバスキング。彼は過去と未来を交錯させるかのような感触も持つ、一期一会的なパフォーマンスを続けてきている。ときにアルバムによっては米国のR&B勢と重なったりするなど広がりを求めてもいるが、ライヴにおいてキザイアは最小単位のもと、自らの陰影に富んだ歌声とパッションに溢れたギター演奏が渾然一体となった"裸の演奏"をずっと求めている。その様に触れれば皆が同意するだろうが、ハンサムな彼はあっと驚く肉体美の持ち主。その引き締まった鋼のような体躯に接すると、基本にある身体能力が段違いであり、強い肉体にこそ迸りを持つ音楽が宿ると、うなってしまうだろう。

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現在はレゴスを拠点に、
今のナイジェリアの姿を世界に放つ

『キャプテン・ラギッド』(ワーナーミュージック・ジャパン)

 過去ロンドン、パリ、ニューヨークなどに住んできたキザイアは、4年前から母国ナイジェリアに戻っている。彼が言うには、近年ナイジェリアでは西欧に渡った人たちのUターンが顕著になっているのだという。そして、そんなキザイアが今求めているのは、西欧で得た経験や知識を還元しつつ、ポジティヴにナイジェリアやアフリカの問題と対峙すること。近作『キャプテン・ラギッド』は新たな行動を経て、今のアフリカの姿を広く知ってもらおうとしたアルバムだ。なるほど、過去在英の奏者を伴い来日していた彼だが、今回はアフリカン・ネームを持つ人たちをメンバーに擁する。また、過去トリオで公演をしてきた彼にとって、パーカッション奏者を同行させるのも初のこととなる。  昨年インタヴューしたときに、彼が共感を持つ人としてまず名を挙げたのが、フェラ・クティ、マイルス・デイヴィス、レイ・チャールズ、ジミ・ヘンドリックスであった。



佐藤英輔
1986年秋以降現職に。オールランドを標榜、それは自分が知らない音楽があったら残念だから。日が暮れたら遊ぶを是としていて、故にライヴは沢山見る。ライヴ・ブログは、http://43142.diarynote.jp

★モーション・ブルー・ヨコハマ
KEZIAH JONES
2015 4.11 sat.
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