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[インタビュー|MY INSTRUMENT]イヴァン・コンチ

[インタビュー|MY INSTRUMENT]イヴァン・コンチ

多方面から愛されるグルーヴの秘密

 ブラジリアン・フュージョンの巨匠としては勿論、ヒップホップやレア・グルーヴ、ハウスなど多方面から尊敬を集めるグルーヴ・マスターのイヴァン'ママォン'コンチ。その秘訣はハーモニーにあり!?

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 ブラジリアン・フュージョンの代名詞的グループであるアジムス、そしてブラジル音楽屈指のメロディ・メイカーのマルコス・ヴァーリが共演した10月の3daysは、彼らの新たな絶頂期を示すライヴだった。

 共に60年代~70年代から活躍する重鎮でありながら、アジムスは2016年、マルコスは2019年に新作を発表、さらにドラマーのイヴァン・コンチは約22年振りのソロ作を2019年にリリース。精力的な活動もさることながら、伝統的な良さを残しつつ現代的な音楽性を積極的に取り入れていることにも驚いた。その進化が存分に発揮されたブルーノート東京公演は、ジャズ/フュージョン的な肉体性を軸としながら、サイケやチルアウトとの共振も感じさせるモダンな質感が素晴らしかった。それを支えるのがイヴァンだ。クラブミュージックからも高く評価される彼のドラミングは、ティンバレスを導入しブラジル音楽とジャズをスムーズに繋げていた。

「生まれながらにしてブラジル音楽に囲まれて育ってきたから、自然とドラムセットと打楽器を合わせて使うことが出来るんだ。ティンバレスは、特に小さい方がヘピーキ(サンバ等で使用する楽器)と近い音がするので気に入っているよ」

 今回はスティック類以外レンタルながら、どの楽器も多様な音色が鳴っていたことも印象的だった。

「サンバからジャズまでさまざまな音楽に関わる中で、スネアだけでも色々な表現が出来るようになったんだ。それと最初に触った楽器は実はギター。今でもドラムを演奏するときは、ギターを弾くようにハーモニーをイメージしながら叩いているんだよ」

 多方面なジャンルで尊敬される彼特有のグルーヴは、このハーモニーの感覚ゆえのメロディアスさにあるのかもしれない。

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ハイハット側に配置されたティンバレス。ドラムソロやフィルインなどでサンバ的なフレーズを演奏する際に使用していた。
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チャイナシンバルはアクセント以外に第二のライドシンバルとして刻みにも使用。「音が広がり過ぎないように中心付近を叩く」そうだ。

photography = Takashi Yashima
interview & text = Affee Takahashi
Interpretation = Nanci Lissa Miyagasako
cooperation = Rittor Music

IVAN CONTI(イヴァン・コンチ)
アジムスのドラマー/パーカッショニスト。またマルコス・ヴァーリをはじめ様々なアーティストのサポートから、マッドリブとのコラボまでジャンルを超えた活動も行う。19年にソロ作『ポイズン・フルーツ』を発売。
高橋アフィ(たかはし・あふぃ)
TAMTAMのドラマー/マニュピュレーター他、文章やDJ等。好きな音楽は新譜。最近のおすすめはサム・ウィルクス『ライブ・オン・ザ・グリーン』。日課はTwitterで音源紹介 @tomokuti。

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