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THE PHILHARMONIK

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

2024年のNPR「タイニ―・デスク・コンテスト」で、約7000ものアーティストの中から見事優勝。要注目の気鋭シンガーソングライター、ザ・フィルハーモニクがただいま来日中です。本日と明日はコットンクラブで公演が行われますが、昨日、ブルーノート東京で行われた公演も圧巻でした。その楽曲とエンタテイメント性に触れると、ザ・フィルハーモニクがなぜ「タイニー・デスク」のウィナーとなったのか、そして「アメリカン・ソングライター・コンテスト2023」でグランプリ獲得を受賞したのかが納得できることでしょう。

ザ・フィルハーモニクことクリスチャン・ゲイツは、アメリカ西海岸のカリフォルニア州サクラメント出身。6歳からピアノを習い始め、16歳の頃から自作曲を書くようになりました。作詞作曲、歌、ラップ、演奏、プロデュース、エンジアリングなどをすべてこなすことから自身をフィルハーモニック(オーケストラ)にたとえ、2018年にセルフ・プロデュース作『The Philharmonik』でデビュー。翌年には「タイニ―・デスク・コンテスト」に初応募しています。インスピレーションの源にあげている先人はスティーヴィー・ワンダー、ビル・ウィザース、プリンス、ケンドリック・ラマー等。1970年代のオーガニックなポップス、ロック、ソウル・ミュージックへのリスペクトを感じさせつつも、すこぶる清新なサウンドを届けてくれる才人です。

サポートを行うのはコナー・チャベス(ギター)、サミュエル・フェルプス(ベース)、コートニー・ミラー(ドラムス)と、いずれも「タイニ―・デスク・コンテスト」ライヴにも参加していたメンバーたち。ザ・フィルハーモニクがMCで「アメイジングなミュージシャンたち」と紹介しただけある凄腕揃いです。コナーはソロ・パートで往年のサザン・ロックのような"泣き"の音色やフレーズを聴かせるとともに、ザ・フィルハーモニクの鍵盤プレイの背後では"これがギターの音とは!"的な響きを醸し出してバンド・サウンドに厚みを加えます。サミュエルとコートニーの連携は、まるで4本の腕を持つ人物がベースとドラムを同時に操っているかのようにスムーズで、「こんなに気持ちいい音を出すバンドが背後にいたら、歌うことが楽しくてしょうがないだろうな」と、ノリノリでパフォーマンスするザ・フィルハーモニクの姿に共感しました。一台の薄型キーボードから、時にホーナー・クラヴィネット、時にウーリッツァー・エレクトリック・ピアノのような音色も出しながら、ザ・フィルハーモニクは弾きまくり、歌いまくります。

レパートリーは、「タイニ―・デスク・コンテスト」の優勝曲「What's It All Mean」、「Issues」、「Katch Me」など2023年発表の『Kironic』からの楽曲と、「Dopeman」、「Pay Me」などファースト・アルバムからの楽曲を織り交ぜた構成。ジス・イズ・ザ・フィルハーモニクといったところでしょうか。昨日のブルーノート東京の絶好調を維持しつつ、ザ・フィルハーモニク、コナー、サミュエル、コートニーの4人は本日、明日とコットンクラブを大いに沸かせることでしょう!
(原田 2025 6.3)

Photo by Tsuneo Koga

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【LIVE INFORMATION】

THE PHILHARMONIK
2025 6.2 mon. ブルーノート東京
詳細はこちら
2025 6.3 tue., 6.4 wed. コットンクラブ
詳細はこちら

SET LIST

2025 6.2 MON.
1st
1. NEON LIGHTS
2. WHAT’S IT ALL MEAN?
3. LOST IN TRANSLATION
4. DOPEMAN
5. CHASING…
6. HOME
7. I MIGHT AS WELL
8. ISSUES
9. SOME PIECE OF MIND
10. SHOOT MY SHOT
11. KATCH ME
12. IMMEDIATE GRATIFICATION
13. DRUGS
14. PAY ME
EC. COLORS
 
2nd
1. NEON LIGHTS
2. WHAT’S IT ALL MEAN?
3. LOST IN TRANSLATION
4. DOPEMAN
5. CHASING…
6. HOME
7. I MIGHT AS WELL
8. ISSUES
9. SOME PIECE OF MIND
10. COLORS
11. KATCH ME
12. IMMEDIATE GRATIFICATION
13. DRUGS
14. PAY ME
EC. I’LL BE JUST FINE

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