2025 6.2 mon. @Blue Note Tokyo / 2025 6.3 tue., 6.4 wed. @Cotton Club
THE PHILHARMONIK
artist THE PHILHARMONIK
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
2024年のNPR「タイニ―・デスク・コンテスト」で、約7000ものアーティストの中から見事優勝。要注目の気鋭シンガーソングライター、ザ・フィルハーモニクがただいま来日中です。本日と明日はコットンクラブで公演が行われますが、昨日、ブルーノート東京で行われた公演も圧巻でした。その楽曲とエンタテイメント性に触れると、ザ・フィルハーモニクがなぜ「タイニー・デスク」のウィナーとなったのか、そして「アメリカン・ソングライター・コンテスト2023」でグランプリ獲得を受賞したのかが納得できることでしょう。
ザ・フィルハーモニクことクリスチャン・ゲイツは、アメリカ西海岸のカリフォルニア州サクラメント出身。6歳からピアノを習い始め、16歳の頃から自作曲を書くようになりました。作詞作曲、歌、ラップ、演奏、プロデュース、エンジアリングなどをすべてこなすことから自身をフィルハーモニック(オーケストラ)にたとえ、2018年にセルフ・プロデュース作『The Philharmonik』でデビュー。翌年には「タイニ―・デスク・コンテスト」に初応募しています。インスピレーションの源にあげている先人はスティーヴィー・ワンダー、ビル・ウィザース、プリンス、ケンドリック・ラマー等。1970年代のオーガニックなポップス、ロック、ソウル・ミュージックへのリスペクトを感じさせつつも、すこぶる清新なサウンドを届けてくれる才人です。
サポートを行うのはコナー・チャベス(ギター)、サミュエル・フェルプス(ベース)、コートニー・ミラー(ドラムス)と、いずれも「タイニ―・デスク・コンテスト」ライヴにも参加していたメンバーたち。ザ・フィルハーモニクがMCで「アメイジングなミュージシャンたち」と紹介しただけある凄腕揃いです。コナーはソロ・パートで往年のサザン・ロックのような"泣き"の音色やフレーズを聴かせるとともに、ザ・フィルハーモニクの鍵盤プレイの背後では"これがギターの音とは!"的な響きを醸し出してバンド・サウンドに厚みを加えます。サミュエルとコートニーの連携は、まるで4本の腕を持つ人物がベースとドラムを同時に操っているかのようにスムーズで、「こんなに気持ちいい音を出すバンドが背後にいたら、歌うことが楽しくてしょうがないだろうな」と、ノリノリでパフォーマンスするザ・フィルハーモニクの姿に共感しました。一台の薄型キーボードから、時にホーナー・クラヴィネット、時にウーリッツァー・エレクトリック・ピアノのような音色も出しながら、ザ・フィルハーモニクは弾きまくり、歌いまくります。
レパートリーは、「タイニ―・デスク・コンテスト」の優勝曲「What's It All Mean」、「Issues」、「Katch Me」など2023年発表の『Kironic』からの楽曲と、「Dopeman」、「Pay Me」などファースト・アルバムからの楽曲を織り交ぜた構成。ジス・イズ・ザ・フィルハーモニクといったところでしょうか。昨日のブルーノート東京の絶好調を維持しつつ、ザ・フィルハーモニク、コナー、サミュエル、コートニーの4人は本日、明日とコットンクラブを大いに沸かせることでしょう!
(原田 2025 6.3)
Photo by Tsuneo Koga
―――――
【LIVE INFORMATION】
THE PHILHARMONIK
2025 6.2 mon. ブルーノート東京
2025 6.3 tue., 6.4 wed. コットンクラブ
coming soon