LIVE REPORTS

ARTIST ARCHIVES

MONTHLY ARCHIVE

VIDEO ARCHIVES


BILLY CHILDS ELECTRIC QUARTET

artist BILLY CHILDS QUARTET

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

最新作『The Winds of Change』で、通算5度目のグラミー賞を獲得した名匠ビリー・チャイルズが、世代を超えた凄腕メンバーと共に、昨日から必見必聴のステージを繰り広げています。『The Winds of Change』ではアンブローズ・アキンムシーレ(トランペット)、スコット・コリー(アコースティック・ベース)、ブライアン・ブレイド(ドラムス)とのワン・ホーン・カルテット編成で、これぞ今のモダン・ジャズといいたくなるようなプレイを届けてくれましたが、ただいまブルーノート東京に登場しているエレクトリック・カルテットは一転、よりカジュアルでファンキーな音作りが特色。こちらもまた、ビリーの一面なのです。

共演メンバーは、テラス・マーティンやブラクストン・クックとも共演するアンドリュー・レンフロー(ギター)、アンブローズ・アキンムシーレやジェラルド・クレイトンとの共演も印象深いジャスティン・ブラウン(ドラムス)といった気鋭に、'70年代初頭から第一線で活動するエレクトリック・ベースのパイオニアであるアルフォンソ・ジョンソン。こうした面々をビリー・チャイルズが牽引していくのです。「いったいどんな音が出てくるのだろう」と期待せずにはいられませんが、この4人が人前で揃って演奏するのは、今回の来日ツアーが初めて。つまりまだレコーディングは記録されておらず、文字通り今、ライヴに足を運ぶことで、彼ら4人の息の合いっぷり、猛烈なグルーヴが体感できるのです。

1970年代後半にデビューしてからというもの(早くも'77年にはJ.J.ジョンソンとナット・アダレイの双頭グループで来日しています)、アコースティック・ピアノとエレクトリック・キーボードの両方に才能を発揮してきたチャイルズですが、今回はアコースティック・ピアノとフェンダー・ローズを演奏します。楽想によってタッチを見事に使い分け、ギターなど他の楽器がソロをとっている時にも、実にきめ細やかに、ピアノやローズの音を響かせます。ブラジル音楽を取り入れた「Dori」、ドラマティックな「This Moment」(この曲はチック・コリアのレーベル"ストレッチ"からリリースした『I've Known Rivers』より)等、彼の楽曲はあくまでも親しみやすい中に、楽想の広さがあり、一つの曲のなかにいくつものフックが登場して、結果的にライヴのワン・セットで何十曲も楽しんだような気分にさせてくれるのもいいところです。メリハリを生かしたアレンジもまた見事で、たとえばアンドリューの熱狂的なソロの後にアコースティック・ピアノを生かした静謐なパートが飛び出したり、ヴァンプ(メロディ楽器が一定のパターンを繰り返す)の背後でジャスティンが雷鳴のように響き渡るドラム・ソロをきかせたり、「色合い」がとにかく絶妙なので、聴いていて心が弾みます。もちろんアルフォンソもウディ・ハーマンのオーケストラ、チャック・マンジョーネのカルテット、ウェザー・リポート(ジャコ・パストリアスの前任)、サンタナ等で腕を磨いていた頃から変わらぬ安定感でバンドのボトムをしっかり支えていました。

公演は本日、明日と開催されます。絶好調のビリー・チャイルズ、その至芸をぜひお楽しみください!
(原田 2024 5.15)

Photo by Jun Ishibashi

―――――
【LIVE INFORMATION】

BILLY CHILDS ELECTRIC QUARTET
2024 5.14 tue., 5.15 wed., 5.16 thu. ブルーノート東京
詳細はこちら

SET LIST

2024 5.14 Tue.
1st
1. DORI
2. LEIMERT PARK
3. THIS MOMENT
4. TWILIGHT IS UPON US
5. IN CARSON’S EYES
6. DANCE OF SHIVA
 
2nd
1. DORI
2. MOUNT OLYMPUS
3. ALMUSTAFA THE BELOVED
4. ACCEPTANCE
EC. DANCE OF SHIVA

INDEX