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AKIKO YANO "Solo Live"

artist 矢野顕子

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


2021年、至高のライヴ・パフォーマンスが"出前"されます。1月5日の夜8時から、「矢野顕子 "Solo Live"」がストリーミング配信されるのです。

矢野顕子は、いうまでもなく「ブルーノート東京」常連アーティストのひとりです。2008年から続いてきたベーシスト/ヴォーカリストのウィル・リー、ドラマーのクリス・パーカーとの"矢野顕子トリオ"によるステージは、文字通り夏の風物詩として多くのファンに親しまれています。残念ながら2020年はコロナ禍のためトリオでの来日が叶いませんでしたが、12月15日、一夜限定でソロによる特別公演が開催されたのは大変な快挙といえましょう。前述のトリオのほか、ギタリストのマーク・リーボーとのデュオ、ベーシストのアンソニー・ジャクソン等との共演でオーディエンスを沸かせてきた矢野顕子ですが、ソロで「ブルーノート東京」に登場するのは意外にも今回が初めてなのだそうです。

自身のオリジナル・ナンバーはもちろん、盟友アーティストの楽曲カヴァー、童謡、そして最新作「愛を告げる小鳥」など、セットリストは融通無得そのもの。それを変幻自在のピアノ・タッチ、抑揚に富んだ歌声、唯一無二というしかないスキャットで聴かせてくれるのですから、1曲1曲の中に必ずハッとさせられるところと、しみじみ深々"いいなあ"と思ってしまうところが同居します。個人的には、ロックダウン下のニューヨークと日本をリモートでつないで収録された「愛を告げる小鳥」("さとがえる"メンバー+猫が登場するMVも印象的でした)がソロの弾き語りになるとこうなるのかと感銘を受け、石川さゆりの国民的ヒット「津軽海峡・冬景色」が100%矢野顕子色に染まったことに快感を覚え("わたしはひとり"という箇所での、リハモナイズが神技です)、モード・ジャズ的な響きをまとった「ラーメンたべたい」に"こんな同曲はいままで賞味したことがない!"と心の中で叫びました。ところでこの3月、1960年代からジャズ界の第一線に立ち続けたピアノの重鎮マッコイ・タイナーが旅立ちました。そういえば'80年代の『宝島』誌のインタビューで、矢野顕子はマッコイをフェイヴァリット・ジャズ・ピアニストにあげていたなあ・・・そんなことを思い出しつつ、ピアノから放たれる、マッコイばりの重厚な和音に包まれました。

またたく間に完売となったこのソロ・ステージが、もうすぐストリーミングによって、家にいながらにして楽しめるようになります。『SUPER FOLK SONG』、『Piano Nightly』、『Soft Landing』などピアノ弾き語り名盤に充満していた"音のたたずまい"を、ライヴ・シューティング/レコーディングで味わえるのは、贅沢のひとことに尽きるといっていいでしょう。アーカイブ配信視聴期間は1月8日の夜11時59分まで、お見逃しなく!
(原田 2020 12.25)


Photo by Yuka Yamaji

☆ストリーミング配信が決定!
矢野顕子 "Solo Live"
2021 1.5 tue. Start 8:00pm
※アーカイブ配信視聴期間:1.8 fri. 11:59pmまで
※12.15 tue.公演の収録配信となります。
※当日はブルーノート東京の営業はございません。
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