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JUJU JAZZ LIVE 2019 『DELICIOUS ~JUJU's JAZZ 3rd Dish~』

artist JUJU

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


JUJUのJAZZがブルーノート東京に帰ってきました。

題して「JUJU JAZZ LIVE 2019 『DELICIOUS ~JUJU's JAZZ 3rd Dish~』」。昨年12月にリリースされたジャズ・アルバム第3弾『DELICIOUS ~JUJU's JAZZ 3rd Dish~』収録曲を、ライヴでじっくり味わっていただこうというステージです。サポートは音楽監督とピアニストを兼ねる島健を筆頭に、奥村晶(トランペット、フリューゲルホーン)、小池修(テナー・サックス、フルート)、村田陽一(トロンボーン)、近藤和彦(アルト・サックス、フルート)、納浩一(アコースティック・ベース)、道下和彦(ギター)、山木秀夫(ドラムス)という、不動の超豪華メンバー。今回も華やかなパフォーマンス、粋な歌声、観客の心を一瞬にしてつかむ飾らないMCで、4月2日の千秋楽まで5デイズ10セットを完走しました(3月30日は別のアーティストのプログラム)。

いままでのJUJUのブルーノート公演はそのときどきに出したジャズ・アルバム収録曲を中心に、そこに入っていないものの彼女が歌いたい曲もプラスしたセットリストでした。しかし今回のステージは『3rd Dish』に入っているナンバーを届けるという構成で、オープニングを日本語のオリジナル・ソング「Remember (The Good Times)」が飾ります。この1曲でシンガーとバンドの息がぴったり合っているところを鮮やかにアピールし、勢いをつけたところでフランク・シナトラが名唱を残した「New York New York」、スティングの自作自演で広まった「Englishman In New York」など海外のナンバーに移っていきます。「New York New York」のクライマックスでJUJUが左腕を高く掲げて見事なロング・トーン(声を長く伸ばす)を出す前後で、ライトが一瞬消えて代わりに光を浴びたミラーボールがくるくる回り出す演出も興奮を高めてくれました。ライティングも含めて、彼女のライヴは本当に見どころ、聴きどころ満載です。

アルバムの裏テーマが"ニューヨーク"であることも、MCでしっかり紹介されました。ニューヨークでの体験がなければJUJUという歌手は生まれていなかった、そして活動15周年に際して改めて原点にあたるニューヨークについて考えてみた・・・などなど。島健のアレンジも主役の歌声を包み込むように豊かに鳴り、あまりにも有名なスタンダード・ナンバー「Fly Me To The Moon」ではテナーバス・トロンボーン+フリューゲルホーン+2アルト・フルートによるまろやかな響きが、曲にフレッシュな魅力を与えます。しかもバンド・メンバーは、伝統的なものもコンテンポラリーなものも見事にこなす面々ばかり。古典的スタンダードも、オーラスで歌われた日本語曲「メトロ」(松尾潔と小林武史のプロデュース)も等しく、新鮮そのもののおいしいサウンドとして届けられるのですから、まさにこれは極上のJAZZ DISHなのです。
(原田 2019 4.4)
Photo by Takuo Sato

SET LIST

2019 3.28 TUE.
  
1st & 2nd
1. REMEMBER (THE GOOD TIMES)
2. NEW YORK NEW YORK
3. ENGLISHMAN IN NEW YORK
4. FLY ME TO THE MOON
5. BLACK COFFEE
6. STOLEN MOMENTS
7. WALK ON BY
8. I DIDN'T KNOW WHAT TIME IT WAS
9. MY FAVORITE THINGS
10. SMILE
11. WHAT A WONDERFUL WORLD
EC. メトロ

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