3.18 sun. @Blue Note Tokyo / 3.20 tue. @EX THEATER ROPPONGI
OMARA PORTUONDO @BLUE NOTE TOKYO
artist OMARA PORTUONDO
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
優しく、暖かく、力強い歌声が超満員の場内を満たしました。
キューバの、いや、世界の人間国宝というべきシンガー、オマーラ・ポルトゥオンドが昨日、圧巻のステージを繰り広げました。ブルーノート東京への出演はこの日限りでしたが、明日3月20日、六本木EXシアターでもコンサートが行なわれます(「オマーラ・ポルトゥオンド日本公演~映画『Cu-Bop across the border』公開記念 ロランド・ルナを迎えて~」)。70年以上ものあいだ第一線に立ち続けるオマーラの香り高い歌声を、ぜひ堪能していただけたらと思います。
ブルーノート東京公演の伴奏メンバーは奥山勝(ピアノ)、ガストン・ホヤ・パレリャーダ(ベース)、ロドニー・バレット(ドラムス)、アンドレス・コアヨ(パーカッション)。ガストンはチューチョ・バルデスやアロルド・ロペス=ヌッサなどとも共演を重ねてきた気鋭で、高音を駆使したソロも聴かせてくれました。ロドニーはオリヴァー・バルデスとのツイン・ドラムスによる映像作品『DRUMS LA HABANA』でも話題を集めたテクニシャンで、イサック・デルガードや話題の新星ブレンダ・ナバレテとも共演しています。大変なテクニシャンですが、この日ではブラッシュも活用し、音数を抑えた、実に柔らかいプレイで"女王"の歌を盛り立てていました。アンドレスは2011年にリリースされたオマーラとチューチョの共演盤『OMARA & CHUCHO』にも参加していたベテラン。ボンゴにキューバの国旗をぶら下げて、コンガ、ウィンド・チャイムズ、パンデイロなど様々な楽器を使って、リズムに絶妙なアクセントを加えます。奥山勝は'90年代にもオマーラの伴奏を務め、小野リサ、デイブ・バレンティン、カルロス菅野らとのプレイも経験してきた名手。非常に美しい前奏、モダン・ジャズへの敬愛を感じさせるアドリブ、歌に寄り添うようなコード(和音)、どれも見事でした。彼らは全員、伝統をリスペクトし、そこに今日性を付け加えているミュージシャンばかりといっていいでしょう。彼らの音作りと、歴史そのものが刻み込まれたオマーラの歌声が、快く一体化していきます。
観客はスタンディング・オベイションで彼女を迎え、リズミカルな曲では大いに乗りまくり、抒情的なナンバーではシンと静まって歌詞の一語一句に耳を傾けます。そして、時おり曲のエンディングを飾るオマーラの驚異的なロング・トーン(ブレスなしで8小節ぐらいは軽くいきます)に、ひときわ大きな歓声が起こります。曲目は目下の最新作『MAGIA NEGRA - THE BEGINNING』(1958年のアルバム『MAGIA NEGRA』収録楽曲を、こんにちのミュージシャンと再録した)からの「NOCHE CUBANA」「BESAME MUCHO」をはじめ、「LAGRIMAS NEGRAS」、「TAL VEZ」、「DUELE」等。数えきれないほどのレパートリーを持つオマーラだけに、20日のコンサートでも有名曲や隠れた名曲を織り交ぜつつ、それらを最上の解釈で観客に届けてくれることでしょう。
オマーラばんざい!彼女のライヴに接した方は、必ずそんな心境になるに違いありません。
(原田 2018 3.19)
Photo by Takuo Sato
●オマーラ・ポルトゥオンド日本公演
~映画『Cu-Bop across the border』公開記念 ロランド・ルナを迎えて~
2018 3.20 tue. EX THEATER ROPPONGI(東京・六本木)
<ご予約/お問合せ>
チケットぴあ インフォメーション:0570-02-9111

2018 3.18 SUN.
| 1st | |
|---|---|
| 1. | NOCHE CUBANA |
| 2. | LO QUE ME QUEDA POR VIVIR |
| 3. | TAL VEZ |
| 4. | DUELE |
| 5. | DRUME NEGRITA |
| 6. | LÁGRIMAS NEGRAS |
| 7. | PALABRAS |
| 8. | ADIÓS FELICIDAD |
| 9. | BESAME MUCHO |
| 10. | DOS GARDENIAS |
| 11. | SI TE CONTARA |
| 12. | SILENCIO |
| 13. | LA SITIERA |
| EC. | 20 AÑOS |







