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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


すべてのオーディエンスがわくわくしながら会場に向かい、席に着いたに違いありません。ギタリスト/プロデューサーのブルーイ率いる超人気ユニット、インコグニートのブルーノート東京公演が今年も快調にスタートしました。昨年は参加していなかったキーボードのマット・クーパーが復帰、加えて初期メンバーのひとりでビル・ブルフォード(元キング・クリムゾン)の"アースワークス"での活動経験もあるサックス奏者パトリック・クラハーも参加しています。

さらに今回の公演には、大きな目玉があります。23歳のイタリア人シンガー、ロベルタ・ジェンティーレの初来日です。しっとりしたサウンドの2曲「Were You With Me」と「Until You」では彼女の歌が全面的にフィーチャーされました。現在、ブルーイのプロデュースでファースト・アルバムを制作中とのこと、こちらも楽しみです。

やがてステージにホーン・セクションの面々や、実力派シンガーたち(今回はジョイ・ローズ、イマーニ、ヴァネッサ・ヘインズとオール女性です)が揃い、ファンキーでダンサブルな宴が始まります。「Don't You Worry 'bout a Thing」はイマーニ、「1975」はジョイ、「Roots (back to a way of life)」はヴァネッサと、それぞれがリード・ヴォーカルをとるのですが、とにかく「うまいなあ」というしかありません。そして他のふたりは、見事なハモリでバック・コーラスをつけます。大定番の「Colibri」ではヴァネッサのスキャットとパトリックのテナー・サックスがユニゾンで主旋律を表現し、シド・ゴールド(トランペット)、タリク・メキ(トロンボーン)、フランシスコ・サレス(ギター)等も華やかなソロを聴かせてくれました。

まるでカーニバルのようなフランチェスコ・メンドリア(ドラムス)とジョアン・カイターノ(パーカッション)のバトルの後、再びロベルタが登場し、ヴァネッサとイマーニのバック・コーラスを得て第1弾シングル「Where Do We Go Now」を快唱。親しみやすいリフレインが印象的なナンバーです。振り付けを含む「Morning Sun」で会場は総立ち、ラストの「Always There」ではジョイ、イマーニ、ヴァネッサ、ロベルタの4ヴォーカルが炸裂しました。公演は16日まで休みなく行われます。
(原田 2017 12.13)


Photo by Tsuneo Koga

SET LIST

2017 12.12 TUE.
1st & 2nd
1. WERE YOU WITH ME
2. UNTIL YOU
3. DON’T YOU WORRY ‘BOUT A THING
4. 1975
5. ROOTS (BACK TO A WAY OF LIFE)
6. TALKIN’ LOUD
7. SPELLBOUND & SPEECHLESS
8. AS
9. COLIBRI
10. BASS & KEYBOARD SOLOS
11. SUPERSONIC LORD SUMO
12. WHERE DO WE GO NOW
13. MORNING SUN
14. EVERYDAY
15. ALWAYS THERE

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