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MAKOTO OZONE "THE TRIO"

artist CLARENCE PENN , 小曽根真

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


約10年の歳月を経て、黄金の3人組が戻ってきました。小曽根真、ジェームズ・ジナス、クラレンス・ペンからなる"小曽根真 ザ・トリオ"です。

客席はもちろん超満員。「"伝説のトリオ"を初めてライヴで聴く」という、ここ10年の間にジャズ・ファンになった方も多かったのではないでしょうか。その間、小曽根はジャズだけではなくクラシックにも精力的に取り組み、ジャームズはハービー・ハンコックのバンド等で、クラレンスはマリア・シュナイダー・オーケストラ等で活動を続けてきました。ジェームズは「この3人にはブラザーフッド(兄弟のようなつながり)とフェロウシップ(連帯感)があるんだ」とMCで語っていましたが、笑顔でアイコンタクトをとりながら綴られる息の合った演奏の数々は、まさにこの言葉を実証しています。

演奏曲目は、8月にリリースされたばかりの最新作『ディメンションズ』からのものが中心。ジェームズ、クラレンスと久々に出会うことになって、小曽根の創作意欲には一段と磨きがかかり、次から次へと意欲的なコンポジションが生まれました。それを詰め込んだのがこのアルバムです。

「レコーディングの時点から、かなり曲が育ってきているので、CDとは全然違うものになるかもしれません」という前置きから「Dues」、「Tag Me,Tag You」、アルバムのリード・トラックでもある組曲調の「Mirror Circle」、ザ・トリオ流サンバというべき「Flores do Lirio」などがプレイされましたが、当然ながらソロもアンサンブルも白熱しスリルも倍増、「音楽は生き物である」という表現がぴったりです。

後半ではバラードの「Asian Dream」、スウィンギーな「Stinger」など旧作からのナンバーも披露。前者ではクラレンスの繊細を極めたプレイ(小曽根いわく、「風が吹いてくるようなドラムス」)を堪能できました。さらに熟成と進化を重ねたザ・トリオの公演は本日、12日、13日にブルーノート東京で行なわれます。
(原田 2017 9.9)


Photo by Takuo Sato

SET LIST

2017 9.8 FRI.
1st
1. Dues
2. Wishy Washy
3. Mirror Circle
4. Flores Do Lirio
5. Three the Hard Way
6. M.C.J.
EC. Bienvenidos Al Mundo
 
2nd
1. Dues
2. Tag Me, Tag You
3. Mirror Circle
4. Flores Do Lirio
5. Asian Dream
6. The Outback
EC. Stinger

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