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Naruyoshi Kikuchi y Pepe Tormento Azucarar

artist 菊地成孔

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


打楽器が濃厚なポリリズムを放ち、バンドネオンやハープの響きが空間を舞う。サックスは時にあでやかに時に過激に鳴り、その背後で弦楽カルテットがえらく挑戦的なフレーズを奏でる。

こんなにユニークなバンドが十数年間も続いているという事実に、改めて「すごい」という感を強くします。菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラールが昨日から「ブルーノート東京」に登場中です。メンバー全員がシックな装いでステージにあらわれ、オープニングの「Rumba en 5ta」(チューチョ・ヴァルデスお気に入りのサックス奏者、カルロス・ミヤーレスのプレイで知られるナンバー)から問答無用で濃厚な世界に観客を引き込んでいきます。この曲は菊地のアルト・サックス、大儀見元と田中倫明のパーカッションとの3人編成で演奏されました。続く「バターフィールド8」は、エリザベス・テイラー主演の名作映画から。ここから総勢11人による音の渦が始まります。ここでも菊地はアルトを吹きましたが、その後はテナー・サックス、ヴォーカル(朗読、ラップも含む)でも盛大な拍手を集めました。指揮をするときの、細かな指の動きまでを見ることができるのも、クラブ公演ならではの楽しみといえましょう。1939年にリチャード・ロジャースが作曲したスタンダード・ナンバー「I Didn't Know What Time It Was」における英語歌唱も堂に入っていましたし、「KILLING TIME」における牛山玲名のヴァイオリン・ソロからサックス・ソロへのスリリングな流れも、この夜のクライマックスのひとつだったと思います。

本編はMCなしで行なわれましたが、そのぶんアンコール部分では、テンポが良く辛口で抱腹絶倒のトークをたっぷりきくことができました。そして菊地はこのバンドが"自慢のメンバー"ばかりが集まったものであることを改めて強調、「エロスをもう一度、肉体に再獲得してほしい。心おだやかに楽しく生きてほしい」と伝えて、日本語曲「戦前と戦後」を軽やかに歌いました。

ペペ・トルメント・アスカラールの「ブルーノート東京」後のライヴは、9月開催のホール・コンサートになるそうです。公演は本日も開催されます。半年間の充電直前の"ペペ"を、ぜひ至近距離でお楽しみください。
(原田 2017 3.6)

SET LIST

2017 3.5 SUN.
1st
1. Rumba en 5ta
2. バターフィールド8
3. タケミツトーン with マンボ ~ 京マチ子の夜
4. CARAVAGGIO
5. 時さえ忘れて
6. 嵐が丘
7. Killing Time
8. 儀式
9. ルペ・ヴェレスの葬儀
 
2nd
1. Rumba en 5ta
2. バターフィールド8
3. タケミツトーン with マンボ ~ 京マチ子の夜
4. CARAVAGGIO
5. 時さえ忘れて
6. 嵐が丘
7. Killing Time
8. 儀式
9. ルペ・ヴェレスの葬儀
EC. 戦前と戦後

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