2016 10.18 tue., 10.19 wed.
                
              
              
              Umbria Jazz presents "Top Italian Jazz" featuring FABRIZIO BOSSO QUARTET -150 Years Anniversary of Diplomatic Relations between Italia and Japan-
              
            artist FABRIZIO BOSSO , Umbria Jazz
                    
                
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
スイスのモントルー(1966年スタート)、ドイツのベルリン(1964年スタート)と並ぶ、ヨーロッパ屈指のジャズ祭「ウンブリア・ジャズ」(イタリア、1973年スタート)。そのサポートを受けて、イタリアの俊英トランペット奏者、ファブリッツィオ・ボッソの来日公演が開催されています。しかもこの2016年は日本とイタリアの国交150周年という、記念すべきアニヴァーサリーです。
前回の来日ではアルベルト・マルシコのオルガン、アレッサンドロ・ミネットのドラムスとのトリオ編成でゴスペル〜スピリチュアル系の曲に挑んだボッソですが、今回は知的でシャープなモダン・ジャズをたっぷり楽しませてくれます。サイドメンはジュリアン・オリヴァー・マッツァリエロ(ピアノ)、ヤコポ・フェラッツァ(ベース)、ニコラ・アンジェルッチ(ドラムス)。オープニングの「Minor Mood」はシンプルなモチーフを基に、次から次へとテンポやムードを変えていく曲で、ぼくは'80年代のウィントン・マルサリス・カルテットの音作りを即座に思い出しました(ボッソはウィントンを敬愛しています)。
自作だけではなく、ジャズ・ファンク風のアレンジが施された「Caravan」、スロー・テンポで出たのちにアップ・テンポになってひたすら盛り上がる「Body and Soul」(後半では、ジョン・コルトレーンが1960年に吹き込んだ同曲のリフが流用されました)、「The Shadow of Your Smile」など、古くからのジャズ・ファンにもおなじみであろうナンバーも、ボッソ流の味付けで楽しませてくれます。トランペットの全音域を駆け巡っているのではないかと思えるほどの音域の広さに酔わされ、獣が吼えるようなグロウル・トーンの大迫力には圧倒されるばかり。ハーマン・ミュートやプランジャー・ミュートの使い方も"卓抜"のひとことに尽きます。2度ほど循環呼吸も用いて驚異的なロング・ソロを繰り広げたのも、間違いなくこの日のハイライトでした。これほど楽器を自由自在に操れたら、トランペットを吹くことが楽しくてしょうがないはずです。実際、吹奏中のボッソの全身からは、演奏する喜びがあふれ出るようでした。オーラスの「Cantabile」は、伝説のピアノ奏者ミシェル・ペトルチアーニ(イタリア系フランス人)の作。それまでボッソは楽器にコンタクト・マイクをつけていましたが、この曲ではマイクをとり、クラブを歩き回ったり、客席に座って豊かな生音を響かせました。
かつて若手トップ・トランぺッターのひとりと目されたボッソも、この11月で満43歳。プレイは今後、さらに貫禄と風格を増すことでしょう。トランペット・ファンには絶対おすすめのステージです。
(原田 2016 10.19)
Photo by Yuka Yamaji
2016 10.18 TUE.
| 1st | |
|---|---|
| 1. | MINOR MOOD | 
| 2. | MAPA | 
| 3. | BLACK SPIRIT | 
| 4. | BODY AND SOUL | 
| 5. | CARAVAN | 
| 6. | DIZZY'S BLUES | 
| EC. | CANTABILE | 
| 2nd | |
| 1. | THERE IS NO GREATER LOVE | 
| 2. | MAPA | 
| 3. | BLACK SPIRIT | 
| 4. | DO YOU KNOW WHAT IT MEANS TO MISS NEW ORLEANS? | 
| 5. | ESTATE | 
| 6. | DIZZY'S BLUES | 
| EC. | CANTABILE | 







