2016 9.8 thu., 9.9 fri., 9.10 sat.
KANDACE SPRINGS with special guest JESSE HARRIS
artist JESSE HARRIS , KANDACE SPRINGS
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
2016年に名をあげた最もセンセーショナルなニュー・スターのひとりといっていいのではないでしょうか。7月にファースト・フル・アルバム『Soul Eyes』を国内リリースしたばかりのキャンディス・スプリングス、待望の来日公演が始まりました。
幼い頃から音楽が大好きだったそうですが、プロのミュージシャンになろうと思ったのは父親(歌手のスキャット・スプリングス)が持っていたノラ・ジョーンズのアルバム『Come Away with Me』に大感激したことがきっかけだそうです。2014年にサム・スミスのカヴァー「Stay with Me」を動画サイトにアップしたところ、それを見たプリンスが賞賛。ここからプリンスとの親交が始まり、同年6月には名作『Purple Rain』の30周年記念コンサートに招待されています。そして9月にデビューEP『Kandace Springs』を名門ブルーノート・レーベルから全米発売。ブルーノートでは、'70年代のマリーナ・ショウを皮切りに'80年代のダイアン・リーヴス、'90年代のカサンドラ・ウィルソン、2000年代のノラ・ジョーンズと、そうそうたる女性シンガーたちが頭角を現しました。そのブルーノートが今、大プッシュしているのがキャンディスというわけです。
キャンディスの歌とアコースティック・ピアノをサポートする、ジェシー・バイレンバーグ(アコースティック・ベース)とディロン・トレイシー(ドラムス)について、ぼくは今回初めて知りました。しかしキャンディスのおめがねに叶うだけあって、抜群の乗りを持っています。ファンキーなビートからクラシカルな弓弾きまで自在にこなすバイレンバーグの万能ぶり、ブレイクビーツ風なプレイもジャズの古典的なスウィングも何でも来いという感じのディロンの柔軟性。「いいコンビネーションだなあ」と、声をあげずにはいられません。もちろんキャンディスの歌とピアノも軽々とカテゴリーを超えます。「Soul Eyes」はピアニスト、マル・ウォルドロンの作品ですが、この曲は今年の「ブルーノート東京」ですでに演奏されています。4月に来日したブルーイのプロジェクト"シトラス・サン"公演で取り上げられていたのです。そこではアップ・テンポのアレンジでしたが、キャンディスはかつてマルやジョン・コルトレーンがそうしたように、スロー・バラードとして演唱します。またオスカー・ピーターソン(上原ひろみや小曽根真からも敬愛されている伝説のジャズ・ピアニスト)の知られざる自作「Chicago Blues」(1973年のパブロ盤『The Trio』収録)を確かなピアノ・テクニックで聴かせ、アントニオ・カルロス・ジョビンのボサ・ノヴァ「How Insensitive」の前奏部分にはショパンの「Fantasie Impromptu」(幻想即興曲)を引用して客席を沸かせます。ベースとドラムスを休ませ、たったひとりで演じたデューク・エリントンのバラード「Sophisticated Lady」がもたらす余韻も実に深いものでした。「Place to Hide」は前半をスロー・テンポで演奏し、キャンディスの"リミックス!"という声をきっかけにゴリゴリのファンク・チューンへと変化します。ディロンのブレイクビーツ風プレイは、ここでも光り輝いていました。
スペシャル・ゲストのジェシー・ハリスは、もちろんノラ・ジョーンズの大ヒット曲「Don't Know Why」に携わったシンガー・ソングライター。キャンディスの『Soul Eyes』にも参加していますが、自分の人生を変えたアルバム『Come Away with Me』で重要な役割を果たしていたハリスとのライヴ・セッションは、キャンディスにとっても特別に心躍る瞬間だったに違いありません。ふたりが同時にリード・ヴォーカルをとるナンバーはありませんでしたが、フォーキーで軽やかなハリスの楽曲は、トリオで演奏されたジャズ~ファンク系のナンバーと好対照をなし、プログラムをさらに多彩にしていました。公演は10日まで続きます。
(原田 2016 9.9)
Photo by Takuo Sato
2016 9.8 THU.
| 1st | |
|---|---|
| 1. | NOVOCAINE HEART |
| 2. | THOUGHT IT WOULD BE EASIER |
| 3. | CHICAGO BLUES |
| 4. | SOUL EYES |
| 5. | TALK TO ME |
| 6. | CATCH THE ASH |
| 7. | LOVE GOT IN THE WAY |
| 8. | SOPHISTICATED LADY |
| 9. | BLACK ORCHID |
| 10. | STAY WITH ME |
| 11. | HOW INSENSITIVE |
| 12. | FORBIDDEN FRUIT |
| 13. | NEITHER OLD NOR YOUNG |
| 14. | TOO GOOD TO LAST |
| 15. | THE WORLD IS A GHETTO |
| 16. | PLACE TO HIDE |
| 17. | FIRST TIME EVER I SAW YOUR FACE |
| 2nd | |
| 1. | NOVOCAINE HEART |
| 2. | THOUGHT IT WOULD BE EASIER |
| 3. | CHICAGO BLUES |
| 4. | SOUL EYES |
| 5. | TALK TO ME |
| 6. | CATCH THE ASH |
| 7. | LOVE GOT IN THE WAY |
| 8. | SOLITUDE |
| 9. | HOW INSENSITIVE |
| 10. | FORBIDDEN FRUIT |
| 11. | NEITHER OLD NOR YOUNG |
| 12. | TOO GOOD TO LAST |
| 13. | THE WORLD IS A GHETTO |
| 14. | BLACK ORCHID |
| 15. | STAY WITH ME |
| 16. | THE NEARNESS OF YOU |
| 17. | PLACE TO HIDE |
| 18. | FIRST TIME EVER I SAW YOUR FACE |
| EC. | SOMEONE TO WATCH OVER ME |







