2016 5.11 wed., 5.12 thu., 5.13 fri., 5.14 sat.
                
              
              
              GORDON GOODWIN'S BIG PHAT BAND
              
            artist GORDON GOODWIN'S BIG PHAT BAND
                    
                
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ビッグ・バンド・ファンには嬉しい毎日が続きます。4月30日の国際ジャズ・デイに日本の精鋭集団"ブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラ directed by エリック・ミヤシロ"を迎えた「ブルーノート東京」で、昨日からアメリカ西海岸が誇る超絶メンバーを集めた"ビッグ・ファット・バンド(編曲指揮=ゴードン・グッドウィン)"の公演が行われています。2008年に初登場以来、ほぼ年1回のペースを守りながら、会場を沸かせている彼ら。そのあいだにはグラミー賞連続受賞の快挙もあり、人気も知名度もさらに上昇しました。今回はただいま制作中というニュー・アルバムからの曲も織り交ぜて、さらなる発展をとげたビッグ・ファット・バンドの姿を楽しませてくれました。
「3000マイルの距離を超えてやってきたハンサムで才能のある男たち、ビッグ・ファット・バンド!」というゴードンのMC(各単語の間にバンドの短いフレーズが入ります)のあと、アップ・テンポの4ビート曲「Why We Can't Have Nice Things」が始まります。ブライアン・セッツァー・オーケストラでも活動したバーニー・ドレッセルに替わり、今回はレイ・ブリンカーがドラムスを担当。バスドラを豪快に踏み込んだバーニーに対し、レイは起伏に富んだスティックさばきでソリストを鼓舞します。ゴードンはピアノでソリストをサポートした後、テナー・サックスで豪快なアドリブを披露しました。彼は'70年代後半、まず注目のサックス奏者としてジャズ界に登場しました。そしてビル・パーキンスやルイ・ベルソンのレコーディングに参加しました。このテナー・ソロは、その当時からゴードンを応援しているファンに、特に喜ばしく響いたに違いありません。続いては新曲「Don't Blink」。"まばたきするな"という意味でしょうか。速いサンバ調のナンバーで、アンドリュー・シノウィックのギターとエリック・マリエンサルのソプラノ・サックスに大きなスポットが当たります。サンバの次は、サルサ風の「Garaje Gato」。23年間生きた老猫を題材にした曲で、メロディはかつて日本で流行した「コーヒー・ルンバ」を思い出させてくれます。パーカッションとドラムスの掛け合い、西海岸サルサの大物パーカッション奏者であるポンチョ・サンチェスと来日経験のあるフランシスコ・トーレスのトロンボーンも大きな拍手を集めていました。
グラミー賞を獲った「Rhapsody in Blue」、トロンボーン・セクションが大活躍する「It's Not Polite to Point」など十八番のあとは、またしても新曲「Lost in Thought」へ。ウィリー・ムリーロのトランペットとフリューゲルホーンがフィーチャーされます。最初は4本のフルートのハーモニーを導入したソフトな展開で、やがてビートが強まってムリーロのパワフルな吹奏パートへと移り変わります。個人的には'70年代、ドン・セベスキーがアレンジしたフレディ・ハバードのCTI盤を思い出しました。マリエンサルのアルトの独壇場である「Play That Funky Music」(もちろんワイルド・チェリーが大ヒットさせたディスコ・ナンバー)に続いては、人前で演奏すること自体も初めてという新曲「Five Kinds of Crazy」。メンバー全員がソロをとり、さらに超絶的なアンサンブルもこなすナンバーです。限られたスペースの中で、どのようにして各メンバーがソロをつないでいくのか、それはこのライヴに接したひとだけがわかるお楽しみといえましょう(セットによっては、演奏されないこともあると思いますが・・・・)。公演は14日まで続きます。
(原田 2016 5.12)
2016 5.11 WED.
| 1st | |
|---|---|
| 1. | INTRO | 
| 2. | WHY WE CAN'T HAVE NICE THINGS | 
| 3. | DON'T BLINK | 
| 4. | GARAJE GATO | 
| 5. | RHAPSODY IN BLUE | 
| 6. | IT'S NOT POLITE TO POINT | 
| 7. | LOST IN THOUGHT | 
| 8. | PLAY THAT FUNKY MUSIC | 
| EC. | FIVE KINDS OF CRAZY | 
| 2nd | |
| 1. | INTRO | 
| 2. | HIT THE GROUND RUNNING | 
| 3. | SUNSET AND VINE | 
| 4. | DON'T BLINK | 
| 5. | AMÁVEL | 
| 6. | HUNTING WABBITS | 
| 7. | BACKROW POLITICS | 
| 8. | FIVE KINDS OF CRAZY | 
| EC. | THE JAZZ POLICE | 







